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ゲイ用語の基礎知識

インターセックス

 日本インターセックス・イニシアチブによると、「先天的な生殖系・性器の異常」。より一般的には、外性器、内性器、内分泌系(ホルモン異常など)、場合によっては性染色体などが「普通」と異なる場合を指します。

 インターセックスと呼ばれる状態には様々な症状がありますが、インターセックスとひとまとめにして語られるのは、症状が生物学的に似通っているからではなく、その人たちの置かれた社会的状況が似通っているからです。1950年代以降、先進各国では「インターセックスの子どもはできるだけ早い時点でノーマルな男性もしくは女性に見えるように外科手術を施し、本人には事実を教えないのがその子のためである」とされてきました。インターセックスの身体は病院で「修正」され、その存在自体がタブーとして隠蔽されてきたのです(日本でも明治期まではその存在が認知されていましたが、現代ではあまり知られていません)
 これに対し、当事者たちは、従来の体制を批判し、完全な情報開示と患者の自己決定を尊重する医療パラダイムに移行することを要求するようになりました。インターセックスの子どもの身体ではなく、社会を変えることで、すべての人が生きやすい世の中を作るべきだと考えるようになったのです。

 インターセックスは、日本では半陰陽とか両性具有という言い方で語られてきましたが、差別的なニュアンスのない、より妥当な言葉として、当事者から「性分化・発達障害」という呼称が提唱されたりしていました。昨年9月、日本小児内分泌学会(藤枝憲二理事長)が、こうした状態の総称に「異常(abnormality)や障害(disorder)という言葉を使うべきではない」として「性分化疾患」を用いることを決定しました。同時に、医療機関がインターセックスの新生児に対してどう対応したらよいかを判断するためのガイドラインの策定に向け、10月から初の症例調査に乗り出すことになりました。
(用語の変遷についてはこちら) 

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