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ゲイ用語の基礎知識

クィア

 クィア(Queer)とはもともと「風変わりな」「奇妙な」という意味の言葉であり、かつてはゲイに向けられる蔑称でもありましたが、現在ではセクシュアルマイノリティの人々全てを包括する言葉として用いられるようになっています。
 
 19~20世紀にかけて、クィアは「ヘンタイ」「オカマ」といったセクシュアルマイノリティに対する蔑称(差別用語)として用いられていました。1990年代になって、セクシュアルマイノリティたちは、そんな「クィア」を、異性愛中心主義に違和を覚える多様な性のあり方に言及する際の用語として、自己肯定的に、ラディカルに使用するようになりました。「クィア」がもともと持っている毒々しさをあえて逆手にとるという戦略だったのです。そこからクィア・スタディーズという理論(学問上の1つのジャンル)も生まれ、現在も議論が行われています。

 以前、All About[同性愛]に「クィアって、結局何なの?」という記事が掲載されていて、クィアということがわかりやすく伝えられていました。その中で指摘されていたのは、クィアという言葉の使い方は、学問の世界と政治活動の場で異なっていて、
(1)学問の世界では、レズビアンとゲイの違いをお互いに知ることの必要性を強調するために使われることが多い。
(2)政治活動では、ゲイに限らず「主流社会の価値観と異なっていこうとする政治的意識」を持つ人々との連帯を目指すために、使われることが多い。とのことでした。

 

 また、たとえば、性別再指定手術を終えて戸籍上の性別も変更した性同一性障害の方の中には、男性または女性として(ストレートとして)社会に埋没して生きていこうとする方たちもいらっしゃいますが、対照的に、明らかにトランスジェンダーだとわかるようなスタイルで町に出る(あるいはゲイがドラァグクイーンとしてクラブなどに登場する)ようなときに「クィア」が用いられます。典型的な男/女のありようからは遠くかけ離れている(異なっている)、そのおもしろさや豊かさに対する賛辞なのです。つまり、世間から見ると「奇妙」だったり「風変わり」だったりすることこそを讃美し、愛でようとする価値観です。なので、ドラァグクイーンの中にはストレートの女性(ごくまれに男性)の方などもいらっしゃいますが、身体上の性別やセクシュアリティや性自認に関係なく、クィア性を体現していればOK!なのです。
 そういう意味では、レディ・ガガが、自身もバイセクシュアルであると宣言しつつ(セクシュアルマイノリティの権利擁護にもコミットしつつ)、奇妙で風変わりな格好を世界中に流行させたのは、クィア的な観点においても極めて重要な意義をもつ偉業です。世界に「クィア=カッコいい」というイメージを流布したわけですから。

 日本では、伏見憲明さんが『クィア・スタディーズ』『クィア・パラダイス』『クィア・ジャパン』『変態(クィア)入門』といった編著作を発表してきたほか、アジアンクィア映画祭関西クィア映画祭などのイベントのタイトルに「クィア」が採用されています。
 また、FOXlife(ケーブルTVチャンネル)で放送されていた『クイア・アイ♂♀ダサ男改造計画』も原題(『Queer Eye for the Straght Guy』)をそのまま採用し、「クィア」を世間に広める一助となっていたと思います。

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