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ゲイ用語の基礎知識

カミングアウト

 自らのセクシュアリティを自身の意志で他者に伝えること。「クローゼットの中から出て来る」という意味のアメリカのスラングに由来しています。
 メディアなどを通じて公表することもカミングアウトですし、親しい友人や同僚などに打ち明ける行為もカミングアウトと言います。(社会全体に対して公にしている人を「オープンリー・ゲイ」と言います)
 英語の動詞的表現は「カミングアウトする」ではなく「カムアウトする」ですが、日本では世間にも「カミングアウト」という言葉が広まった(一人歩きした)ため、ほとんどの場合「カミングアウト」が用いられます。

 1995年頃、東京でPSGという「親の会」が設立され、親向けの冊子が作られたり、ミーティングが行われたりという活動が始まりました。現在は、札幌の「LGBTの子を持つ親の会」や神戸をベースとして東京などでもミーティングを行っている「LGBTの家族と友人をつなぐ会」が活動しています。
 また、2007年、『カミングアウト・レターズ 』(砂川秀樹:著・編集/RYOJI:編集/太郎次郎社エディタス)というゲイ・レズビアンの子と親、教師との往復書簡をまとめた本が出版され、親へのカミングアウトの最良のテキストとして広く支持されるようになりました。

 欧米ではカミングアウトという言葉は専らゲイやレズビアンの間で使われてきましたが、日本では、テレビを通じて「カミングアウト」という言葉が全国的に日常的に使用されるようになって、本来の意味が薄れ、ちょっとしたこと(福島県民はおひたしにマヨネーズをかけます、的なこと)でも「カミングアウト」と言ってしまうようになっています。もはやそこには勇気を振りしぼるような深刻さはなく、バラエティのネタ的な「楽しいこと」になっているのです。逆にそのことで、ゲイの「カミングアウト」のハードルが下がった(悲壮感が消えた)と言えるかもしれません。