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レポート:レザーパーティ「FOLSOM『BLACK』」

2月17日(日)の夜、二丁目のAiSOTOPE LOUNGEで開催されたレザーパーティ「FOLSOM『BLACK』」の模様をレポートいたします。本当にカッコいい男たちが集う、あたたかで愛に満ちたパーティでした。

レポート:レザーパーティ「FOLSOM『BLACK』」

2013年2月17日(日)の夜、二丁目のAiSOTOPE LOUNGEで「FOLSOM『BLACK』~LEATHER&BEARD PARTY」というレザーパーティが開催されました。レザーを愛するカッコいい黒革野郎たちが全国から集い、あたたかくて愛に満ちた最高に楽しい夜になりました。(レポート:後藤純一)
 

 2002年、シドニーでゲイゲームズ(ゲイのオリンピック)が開催されたとき、マルディグラのアフターパーティが開かれるような巨大なスタジアムで5夜にわたって盛大なパーティが催されました。その中の1つが「BLACK PARTY」でした(「BEAR PARTY」もありました)。欧米では、パレードにもレザープライドフラッグを掲げたレザーマン(日本で言う「ハードゲイ」)の集団が必ず参加しますし、どのゲイタウンにもレザー好きが集うバーがあり、一大シーンを築いています。
 レザープライドフラッグ(画像右上)は、レザー(革)やラバー(ゴム)にフェティシズムを感じる人たちやSMなどのハードプレイを愛する人たちのシンボルです。黒はレザーやラバーを、青はブルージーンズを、白はケツ割れサポーターを(このコミュニティに属する人たちが互いに愛情をオープンに表現するときの純粋さを指す、という説もあります)、そしてハートはレザーマンたちのあたたかい心を表しているそうです。
 サンフランシスコで毎年開催されている「FOLSOM STREET FAIR」というお祭りは、レザー好きなゲイたちの聖地と化していて、とんでもなくSEXYな格好の男たちが昼間っから何十万人も集まり、有名なビデオモデルがブースに登場したり、スパンキングされたり吊るされたりといったショーが街頭で繰り広げられたり、そこかしこで愛を交わし合っています。(今回のイベントのタイトルもこのFOLSOMに由来します。ちなみに後藤のTwitterの背景画像はFOLSOM STREET FAIRのフライヤービジュアルです)
 それから毎年、インターナショナルMr.レザーコンテスト(Mr. Gayコンテストのレザー野郎版)が開催されていて(30年以上の歴史を誇ります)、世界中のレザーマンの代表が集まり、見た目や内面の魅力を競い、優勝すると賞金が得られるだけでなく、雑誌の表紙を飾ったり、スター級の扱いを受けます(昔『バディ』誌のMASAさんの連載でインタビューさせていただいた方が、このコンテストに日本代表を送るのが夢だと語っていました。いつかそういう日が来ることを心から願います)

オーガナイザーのMIKIOさん
 MASAさん(伝説のバー「BACKDRAFT」のマスターだった方)といえば、MIKIOさん(当時MICKYさん)と共にGOGO BOYやゲイ雑誌のモデルとして活躍していた方で、(手前味噌ですが)90年代の『バディ』誌でカッコいい男たちや男を上げるボディギアなどを紹介する連載ももっていました。「ドラァグクイーン(女性性の過剰なデフォルメ)vsハードゲイ(男性性の過剰なデフォルメ)」という企画が実現したのもMASAさんのおかげです。
 日本ではまだまだレザーカルチャーが浸透していない、欧米に比べて格段にレザーマンが少ないという現状があります。本格的なレザーのアイテム(チャップスなど)は未だに手に入りづらいですし、気候的に合わない(暑いところではなかなか着れない)ということも一因でしょう。二丁目にも一時期、レザーバーがあったという話を聞いたことがありますが、長くは続かなかったようです。
 しかし、自身もFOLSOMを体験し、レザーにすっかり魅力されたというバー「MAGNUM」のMIKIOさんが、二丁目のレザーカルチャーの灯を絶やしてはいけないという心意気で、もう10年以上もお店でレザーパーティを続けてきました(2005年に『バディ』誌のハードゲイ特集でも紹介させていただきました)。今の「MAG2」に移転した後は、お店が小さすぎるということで「LOGOS」というバーに会場を移し、年に数回ほどのペースで開催。そして今回、晴れてAiSOTOPE LOUNGEというゴージャスな会場で行われることになったのです。
 前置きが長くなりました。レザーパーティ「FOLSOM『BLACK』」のレポートをお届けしましょう。


フロアボーイのMASAさん(左)
&SAMさん(右)

スタッフのみなさん

ノリのいいお客さんたち

ノリのいいお客さんその2
グラスの中味…!?

怖そうに見えるかもしれません
が、とても優しい方たちでした

「Angelo」のブースでは
レザーグッズも販売
 2月17日(日)19時過ぎ、オープンしたばかりのAiSOTOPEに到着。DJ TAROさんがHARD HOUSEをプレイし、MASAさん&SAMさんがフロアボーイとしてお出迎え、また、フロアの一角には、レザーグッズを販売する「Angelo」というお店のブースもありました(すべて海外発注のオーダーメイドなので仕上がりに時間がかかりますが、きちんと自分の体型に合ったものが比較的リーズナブルに作れるそうで、これはイイと思いました)。さっそく持参したレザー(G.O.Revolutionというパフォーマーをやっていた頃に着ていた衣装。笑)に着替え、スタッフの方たちや素敵ないでたちのお客さんの写真を撮らせてもらうことに。フロアはちょっと暗めなので受付前の真っ赤なカーテンの前や豪華なソファを使わせていただいて撮っていたのですが、みなさんめっちゃノリがよくて(たぶん20~30名の方に声をかけたのですが、ほとんど断る方はいませんでした)、何もお願いしなくてもS役とM役に分かれてポーズを決めてくれたり、SEXYなカラミを演じてくれたりして、本当に素晴らしかったです(3月末発売の『バディ』誌にもそんなグラビア風の写真が載りますので、ぜひご覧ください)
 そうしてる間にも、お客さんが次々にご来店し(「いったいどこからこの格好で来たの?」とビックリさせられるような御仁も)、フロアは黒革野郎でいっぱいに。オーソドックスなハーネス、革ジャン、チャップスといったスタイルの人がほとんどでしたが、上級者はチャップスの下にジーンズを穿かず、鋲だらけのレザーサポーターやラバーのTバックなどでSEXYさをアピール。中にはエナメルでマントを作ってきた方(なんとか仮面的な趣)、犬のかぶりものをしていた方(マスクの奥にのぞいてる眼はたまらなく優しそうでした)などもいました。(もしかしたら初めて見る人にとってはギョッとするような光景かもしれませんが、全然怖くありませんし、ある意味ハロウィンのようなお祭りだと思えば楽しめると思います♪)
 お酒が回ってくると、レザーを着た野郎たち(マジ本気でイイ男が多い! 野郎系好きな人にはたまりません)がステージに上がって踊ったり、そこここでハグ&キスしあったり、特別なお部屋で楽しんだり、(特にショーなどもないのに)笑い声や話し声が途切れることなく、絶えず盛り上がっていました。
 そんな中、ある友達(正直、こういうパーティではあまりモテないタイプ)が、酔っぱらった勢いもあり、以前からずっと憧れだったというイケメン兄貴にモーションをかけはじめたのですが、兄貴は笑顔で受け答えしてくれただけでなく、ハグとかまでしてくれて、友達は「奇跡だ!」と感動していました。そういう感じこそがレザパなんだと思います。レザーマンって、単にイイ男ってだけでなく、大らかでオープンマインドでオトナで、あたたかい、真の「男気」を感じさせます(惚れてまうやろ!って感じ)
 そして、個人的には、そんなパーティの空気感はアメリカのゲイクルーズにも通じるものがあると感じました。この「FOLSOM『BLACK』」はきっと海外の人たちにもウケる、グローバルなパーティにハッテンする可能性を秘めているんじゃないかと思います。
 深夜12時を回っていよいよイベントがクローズを迎え、主催者のMIKIOさんが、スタッフの方たちを一人一人紹介しました。DJのTAROさんは「レザーが好きで、ずっとこのイベントを応援してきましたが、今日はこんなにいい会場で開催されることになって、本当に感無量です」と語り、拍手を浴びました。みんな同じ気持ちだったはずです。思わず、目頭が熱くなりました。
 
 次回の「FOLSOM BLACK」は6月第2週、同じAiSOTOPE LOUNGEでの開催だそうです。
 近いところでは、3月9日のShangri-La@ageHa「BLACK BALL」もレザーがテーマ。今回のパーティに来ていたお客さんの中にも「BLACK BALL」へお出かけする方がいるのでは?と思います。
 それから、今回ホストをつとめたMASAさんが3月30日に「GODFATHER」というパーティを開催するそうですので、お楽しみに!!

☆お客さんもたくさん写ってくれたフォトアルバムはこちら

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