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レポート:Gap presents Tokyo SuperStar Awards 2014

2014年12月6日(土)、六本木のビルボードライブ東京で「Gap presents Tokyo SuperStar Awards 2014」が開催されました。レポートをお届けします。

レポート:Gap presents Tokyo SuperStar Awards 2014

2014年12月6日(土)、六本木のビルボードライブ東京で今年もTokyo SuperStar Awards(TSSA)が開催されました。今回で第5回の節目を迎え、GAPが特別協賛について華々しく開催されたTSSAのレポートをお届けします。(後藤純一)

 Tokyo SuperStar Awards(TSSA)は、「LGBTのカルチャーにスポットをあて、人種やバッググラウンドの違いを乗り越え、社会とLGBTの架け橋を築いた"スーパースター"たちを讃える」アワードイベント。「LGBTのヴィジビリティ(可視化)」「多様性を推進するLGBTフレンドリー企業、プロダクトの紹介」「LGBTコミュニティから未来を担う子どもたちへのサポート」の3つをテーマにして、LGBTのコミュニティや文化に貢献した人物や活動を表彰するとともに、ハイクオリティなライブやパフォーマンスを楽しみ、コミュニティの連帯、絆について考えてもらうことを趣旨としています。
 そんなTSSAは2010年から開催されてきており、今回で第5回の節目を迎えました(おめでとうございます!)

【これまでのTSSA】
レポート:Tokyo SuperStar Awards 2011
レポート:Tokyo SuperStar Awards 2012
レポート:Tokyo SuperStar Awards 2013


 さて、今年のTSSAのレポートをお届けします。
 イルミネーション輝く六本木のミッドタウン、エスカレーターで4階まで上がっていくと、ビルボードライブ東京に到着。今年は入り口横に、今回の特別協賛・GAPが用意した巨大なガチャガチャが出現! レバーを回すとカプセルが出てきて、GAPオリジナルのトートバッグやマグカップなどがプレゼントされるという素敵な趣向でした。席に着くと、やはりGAPプレゼンツのミネラルウォーターなどが用意されており(バッヂも付いていました)、イキな計らい!と二度感心。「おもてなし」の心意気を感じました。
 ちなみに今回は、ステージが横から見渡せる席に座ることができ、軽食(たいそう美味でした!)も付いていて、とても快適でした。演目ごとに正面に回るのも難しそうでしたので(居心地がよくて動きたくなかったので)、写真はフォトセッションの際のもののみとさせていただきました…ご了承ください(各演目の写真は公式facebookページでご覧いただけます)
 場内を見渡すと、いつも以上にイケメン多数!と感じました。ゲイの方、レズビアンの方(東小雪さん&ひろこさんも)、トランスジェンダーの方、たぶん職場の同僚の方だろうと思われるアライの方など、さまざまな方がご来場されていました。ゲイ産業のおえらいさんなども来られていました。
 19時過ぎ、今年1年のLGBTシーンの動きを振り返る映像(BGMが個人的にアガりました)でTSSAがスタート。司会はおなじみの佐藤かよさん、そしてNHKラジオアナウンサーの中倉隆道さん(「ふだんはブルボンヌさんといっしょにLGBTのことをお伝えしております」とご挨拶されていました)。また、バブリーナさんがラッフル(チャリティ福引き)のことをアナウンス、ザ・リッツ・カールトン東京やLUSHなどが提供してくれた豪華賞品の数々が紹介されました。

 そしてさっそく、授賞式がスタート。
 コミュニティ賞は、東京レインボープライドのフロートに乗って話題を呼んだ(ファーストレディがパレードに参加するのはもちろん初めてのこと)安倍昭恵さんに贈られました。ご本人は来られなかったのですが、橋渡しとなったJaNP+の長谷川博史さんが代わりにトロフィを受け取りました(HIVのことをずっと先頭に立って訴えてきた長谷川さんが表彰されているようで、胸が熱くなりました)。そして安倍昭恵さんからのお手紙が読まれたのですが、まさか「エイズは社会を映す鏡」「私の声が少しでもLGBTの方々のプライドのために役に立てるのなら、これ以上の喜びはありません」といった言葉が聞けるとは思わず…感動しました。素晴らしい、の一言です(お手紙の全文がこちらに掲載されています)
 カルチャー賞は、東京レインボーウィーク応援ソングとなったMISIAさんの『HOPE & DREAMS』が受賞。MISIAさんの代わりに、橋渡し役となった(90年代からウーマンオンリーイベントを開催するなど、レズビアンシーンの立役者として有名な)「GF」のCHIGAさんが受け取りました。CHIGAさんは東京レインボーウィークのオープニングパーティ「PINK DOT JUNGLE」の運営にも関わっており、「サプライズでMISIAが登場した瞬間、パーっとみんなの心がひとつになって…よかったなぁって思いましたね」と語ってくださいました。
 それからもう1つのカルチャー賞が『同居人の美少女がレズビアンだった件。』(著:小池みき、監修:牧村朝子)に贈られました。こちらはご本人お二人ともが登場し、牧村さんは涙ながらに歓びを語ってくださいました。
 メディア賞は、西田卓也さんと菱沼聖哉さんの結婚式を特集した『ゼクシィPremier(プレミア)』に贈られました。編集長や編集部の方がコメントしたあと、式を挙げたお二人もステージに登場し、大きな拍手が贈られました。
 海外賞は、ゲイであることをカムアウトしたイアン・ソープ氏に贈られ、オーストラリア大使館の方が登場し、流暢な日本語でスピーチしていました。
 
 しばらくの休憩をはさみ、パフォーマンス・タイムがスタート。
 トップバッターは、流行語大賞をとった日本エレキテル連合ともコラボしていることで知られるパフォーマンス集団「東京ゲゲゲイ」さん。選挙キャンペーンガールみたいな方が「打倒自民党、打倒公明党、大好きかりんとう」とアナウンスしながら入場し、代表のマイキーさん(ゲイの方?)がひとことご挨拶したあと、すさまじくキレッキレなダンスを繰り広げ、喝采を浴びていました。
 続いては、二丁目が誇るドラァグクイーン、バビ江ノビッチさんwithリル・グランビッチさん&胡蝶蘭さんが登場、「津軽海峡冬景色」の映像を間にはさみ、ゴージャスな衣装で2曲のショーを披露。とんでもない盛り上がりを見せました(ステージ前のテーブルで見ていたストレートと思しきおじさんなども、ものすごい喜びようで拍手してました)
 そして今宵のスペシャルゲスト、misonoさんが登場。いきなりアカペラで「トゥモロー」を熱唱し、その歌唱力を存分に発揮(歌が上手くてビックリ!と言う方、多数)。続いて今年の定番「ありの~ままで〜」で盛り上げ、「ゲイの方には縁があるんです」などと楽しいトークで会場を魅了し、持ち歌も披露し、会場を圧倒していました。

 最後にラッフルの結果が発表されたのですが、当選者の方の中になんと!あのコシノジュンコさんがいらして、ステージ上で「来年参加するときはもっと面白いことをしたいです」と語ってくださいました。楽しみですね!
 終演後、misonoさんや佐藤かよさん、バブリーナさん、牛子さんらドラァグクイーンの方たちのフォトセッションと囲み取材が行われました。
 こうして年に一度のLGBTの祭典は華々しく幕を閉じました。

 
 
 海外(特にアメリカ)ではGLAADメディア賞をはじめ、多くのLGBTアワードがあります。主にLGBTの社会的地位向上に貢献した人、多くのLGBTを勇気づけた人を表彰するという趣旨で行われています。有名企業が多数協賛し、高級感あふれる雰囲気で、多くのセレブが登場し…そのゴージャスさはアカデミー賞などにもひけをとらないものがあります。
 TSSAも同様の趣旨で、東京のプライドイベントに多くの企業が協賛するようになった2010年から(軌を一にして)スタートし、一般社会(世間)とコミュニティの架け橋となった企業やメディアの関係者(およびその陰で尽力した当事者の方たちなど)を讃えることで、未来に希望が持てるような「よかった」「素敵」の輪を広げてきたと思います。その底には「もっとセクシュアルマイノリティが生きやすい社会を」という願いがあり、パレードと同様、祝福感に包まれたイベントになっています。子どもたちへのチャリティになっているところも素晴らしいです。
 まだ参加したことがないという方もぜひ、来年は足をお運びください!

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