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レポート:レインボーフェスタ!2015&第10回関西レインボーパレード

2015年10月10日(土)、扇町公園で第10回を記念する関西レインボーパレードと、レインボーフェスタ!2015が開催されました。祝福感に満ちたセクシュアルマイノリティのお祭りの模様をレポートをお伝えいたします。

レポート:レインボーフェスタ!2015&第10回関西レインボーパレード

2015年10月10日(土)、扇町公園で第10回を記念する関西レインボーパレードと、レインボーフェスタ!2015が開催されました。参加者が心から歓迎されていると思えるような、セクシュアルマイノリティを祝福する雰囲気やあたたかさに満ちた、素晴らしいお祭りでした。レポートをお届けします。(後藤純一)

 

 

 2006年、市役所前の中之島公園に続々と人が集まってきて、初めて大阪でパレードが開催される!というワクワク感がいっぱいだった第1回関西レインボーパレードのことを思い出します。レインボーマーチ札幌の方なども応援に駆けつけ、1000人近いカラフルな一団が御堂筋のけっこう長い距離を歩いて、沿道で応援してる方もたくさんいて、最後にみんなで一斉に風船を空に放ち…。あの感動からもう10年も経ったんですね。10年続くって本当にスゴいこと。10周年本当におめでとうございます!という気持ちです。

 その当時、関パレと時期を同じくして、扇町公園で「PluS+」という大規模なフェスが開催されていました。大阪が誇るドラァグクィーンやGOGO BOY、さまざまなパフォーマーが次々にショーを繰り広げ、特設ブースではHIV予防やLiving Togetherについてのトークイベントや展示が行われ、最後に白い風船を一斉に空に放ち…。そんな「PluS+」の素晴らしさを経験した方の熱意によって、関パレは2年前から扇町公園でレインボーフェスタというイベントとセットで開催されるようになりました。


ゲイバー合同ブースにて。
「GRANDSLAM」のお二人

グランヴィア京都のブース。
同性結婚式をアピール

東ちづるさんも出演!

本当にいい結婚式でした。
末永くお幸せに!

意気揚々と出発!

公園の出口でフロートと合流

ベビーカーもパレード!

教育系組合の方たちも参加

志の高いアポテケフロート。
音楽も素敵でした!

ベビー・ヴァギーさんがMCで
盛り上げた「TARZA」フロート

公園に帰着。おかえりなさいの
ハイタッチでお出迎え

ピンクレゲイーのSPショー

アポテケのライブ、熱かった!

NSM=と虹組ファイツも元気に
盛り上げてくれました

感動のフィナーレ。また来年も
笑顔で会えますように!
 10月10日(土)の大阪は、朝のうちは曇っていてちょっと肌寒い感じでしたが、昼過ぎには日が差してきて、ちょうどいいパレード日和となりました。
 公園には、色とりどりのたくさんのブースが並んでいました。アムネスティ・インターナショナル日本、虹色ダイバーシティ、EMA日本、G-FRONT関西、コミュニティーセンターdistaといった団体のほか、Google、CASSAROS(全国のプライドに出展してくださっている素晴らしい会社です)、ホテルグランヴィア京都、Out Asia TravelなどのIGLTA加盟企業、ゲイ・ウェディングの会社なども目立ちました。また、堂山のゲイバーの合同ブース、堂山町会、淀川区役所・都島区役所職員有志、仲パレpresentsあらい商店(寄せ書きのレインボーフラッグが掲げられていました)など、食べ物や飲み物を提供してくれるところも多く、一日中飽きずに過ごせるというか、とてもじゃないけど一日じゃ見て回れないくらいの充実感でした。
 ゲイやレズビアンだけでなく、トランスジェンダーの方や、子ども連れのファミリーなど、いろんな人たちが集まってきていました。GoogleやIBMのロゴが入ったレインボーカラーの風船を子どもたちが持って走り回っていたのが素敵でした。
 ステージでは11時からショーやライブが行われました。今回は名古屋のNSM=がオープニングを飾り、ハロウィンチックな衣装で元気に歌い、踊り、ファンの方たちの声援を浴びていました。続いて、東ちづるさんが登場し、矢野マイケルさん(国内のラップ選手権で優勝した、ガーナと日本のハーフの方。カッコよかったです)と公式テーマソングの「Get in touch!」を歌ってくれました。おなじみ虹組ファイツのみなさんは、新メンバーも参加して、楽しいライブで盛り上げました。それから、『性別が、ない!』の新井祥さんとゲイのBL漫画家・うさきこうさんが登場し、トークライブを披露しました。
 パレード出発前には「平等結婚式」も行われ、女性どうしのカップル(ひとみさん&じゅんさん)がダブルウエディングドレスで式を挙げ、会場の方々に心からの祝福を受けていました。牧師さんの言葉もよかったです。やわらかい関西弁で、「カップルで生きる人々、シングルで生きる人々、すべての人々が…」で始まり、「神はお二人の永遠と豊かさを祝福します」で締められる、感動的なものでした(涙がにじみました)

 記念すべき10回目となるパレードの方は、この日の夜に開催されたゴージャスなゲイナイト「TARZA」がドラァグクイーンを乗せたフロートで盛り上げたほか(ベビー・ヴァギーさんのMCが楽しかったです)、アポテケさんのいい感じに素敵な音楽とたくさんのレインボーフラッグで魅了したフロートが印象的で、900名超の方々が思い思いのスタイルで天神橋筋~都島通~堂山~扇町通を晴れやかに行進しました。
 ちょっと一目惚れしそうなガタイ野郎系イケメン、セクシーな格好のゲイの方、女の子たち、トランスの方たち、子連れのファミリー、外国人の方たち、大きなレインボーフラッグをもった集団、プラカードを掲げて歩く方など、本当に自由で多彩でカラフルなパレードでした。
 パレードを終えて公園に帰ってくると、スタッフの方やいろんな方たちが(歩き終えた方もどんどん加わるので長い列になっていました)「おかえりなさい」のハイタッチをして出迎えてくれて、とてもあったかい気持ちになれました(なお、帰着間際、警官の方が「おつかれさま。もう少しですからがんばってくださいね」と声をかけてくれてたそうです。なんと優しい…)

 15時からは、ピンクレゲイー(聴覚障害をもつゲイのお二人のユニット)が10周年のお祝いとして特別に復活パフォーマンスを披露。衣装の早替えにちょっと手間取る様も笑いに変えて、微笑ましくもあたたかい雰囲気を生み出しました。初めて拝見してスゴイ!と思ったのは、MtFシンガーの悠以さん。コンプレックスだった男声をうまく使って「とびら開けて」を男声女声両方とも見事に歌い、盛大な拍手と歓声を浴びていました。そして、アポテケのライブ。最高!の一言。本気でアガってしまいました。手話サークルL*Signとのコラボも素敵でした。トリを飾ったのはNSM=と虹組ファイツの合同ライブ。元気にステージを締めくくりました。
 最後に、実行委員の方からご挨拶があって、今年パレードを歩いた方が909人、公園に集まった方が約7000人と発表されました。それから、「このイベントは皆様の寄付でまかなわれています。今年は特に財政難です。ご協力をお願いします」とアナウンスがありました。フィナーレは恒例のバルーンリリース。6色のレインボーの風船は、一人一人の思いを乗せて、美しい空にゆっくりと吸い込まれていきました。

 関パレがいいなあと思うのは、「私たちの、私たちによる、私たちのためのレインボーパレード」という感じがするからです。東京の初期の頃がそうだったように、手作り感満載で、あたたかさや祝福感に満ちていて、参加者が心から歓迎されていると思えるような…一言で言い換えると、セクシュアルマイノリティのためのコミュニティ・イベントなんですよね。実行委員のみなさんは本当に大変だったと思いますが(おつかれさまでした&ありがとうございました)、これからもぜひ、続けていってほしいという気持ちを込めて、帰りに1000円札を募金箱に入れました。
  
 
 この日の夜は、堂山の「AKASO」(以前BANANA HALLだった場所)で、パレードでフロートを出展した「TARZA』が開催され、関西のイケメンさんが多数、詰めかけていました。パレードでもらったリストバンドをつけてると割引になることもあり、パレードに参加した方たちもたくさん来られていました(外国人の方たちが超楽しそうに踊っていたのが印象的でした)。ショータイムが本当に見応えがあって、素晴らしくラグジュアリーでした(看板に偽りなし)。東京椿油のみなさんはもちろん(数年ぶりにナイトに来たという大阪の友達が「HOSSYさん美しすぎ」と感嘆していました)、大阪のキャストの方々も(クイーンの方々が揃いの法被を着てたりというウケねらいもありつつ)素晴らしくカッコよくて、大阪スゴイ!と再確認させられました。来年もあるなら絶対に行きたいです。
  

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