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特集:ミュージカル2017-2018

昨年は『プリシラ』『キンキーブーツ』『キース・ヘリングの生涯』など、ゲイゲイしいミュージカル作品が目白押しな当たり年となりましたが、これから来年にかけて、やはり様々なミュージカルが上演されたり、来日が決定したりしています。特集をお届けします。

特集:ミュージカル2017-2018

(トップ画像は現在上演中の『RENT』のゲネプロの様子)

 

2014年は『ウィキッド』、2015年は『ラ・カージュ・オ・フォール』や『コーラスライン』、そして昨年は『プリシラ』『キンキーブーツ』『キース・ヘリングの生涯』など、ゲイテイストな(あるいはゲイが主人公の)作品が上演され、ゲイシーンで活躍するあの方が出演したりもして、盛り上がりを見せました。これでブームはひと段落か…と思いきや、まだまだ、続々と「これは観たい!」と思わせるような作品のニュースが入ってきています。ふだんからたくさんミュージカルを観ているわけではない方も、ぜひ、気になる作品があれば、ご覧になってみてください。チケットはお早めに!(後藤純一)

 

RENT

 現在、日比谷シアタークリエで公演中のミュージカル『RENT』。たくさんのゲイやHIV陽性の若者が登場する感動作、不朽の名作として、これまで様々なキャストを迎えて繰り返し上演されてきました(パレードへの出演はもちろん、2010年には『RENT』キャストの米倉利紀&田中ロウマさんが二丁目の『NEXT』に出演してライブを披露するなど、素晴らしいゲイフレンドリーさを見せてきました)
 現在上演中の『RENT』は、「仮面ライダーディケイド」で有名になり、テニミュ(ミュージカル・テニスの王子様)などにも出演してきた人気若手俳優・村井良大さん、CHEMISTRYの堂珍嘉邦さん、昨年の『ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~』にも出演しており、『ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~』にも出演していた平間壮一さん(2015年の『RENT』に続き、エンジェル役を演じます)らが出演します。
 そんな『RENT』は、ブロードウェイオリジナルカンパニーの伝統を受け継ぎ、これまで毎回、様々な啓発やチャリティの活動を行ってきており、例えば2012年には「LGBT Pride Week」を開催しました。今回は、7月10日(月)~14日(金)を「チャリティ・ウィーク」として、作者ジョナサン・ラーソンがHIVサポート団体へのチャリティソングとして作った歌「Love Heals」を特別に歌うなどのイベントが予定されています(詳しくはこちら
 
『RENT』 
東京
日程:2017年7月2日(日)〜8月6日(日)
会場:シアタークリエ
全国ツアー
日程:2017年8月10日(木)〜8月27日(日)
会場:愛知県芸術劇場大ホール、森ノ宮ピロティホール、福岡市民会館
チケットはこちらから

 

ビリー・エリオット

 以前、ロンドン公演の模様を収録した映画のレビューをお届けしましが、『ビリー・エリオット・ザ・ミュージカル』は映画『リトル・ダンサー』のミュージカル版としてロングラン大ヒットを記録している作品です。監督はスティーブン・ダルドリー、音楽はエルトン・ジョンという英国を代表するゲイの才人が集結し、あらゆる意味で素晴らしい、涙、涙の感動作です。
 今回の日本公演では、1年以上もの時間をかけて長期育成型オーディションが行われ、4名のビリー少年が大舞台に挑みます(後で1名追加発表されました)。ほかにも『レ ミゼラブル』の島田歌穂さんや根岸季衣さんらのベテランにして魅力的な俳優陣が脇を固めます。宮本亜門さんら著名人の推薦コメントがこちらに掲載されています。
 7月19日(水)に上演がスタートし、最初の5日間はプレビュー公演として少しチケットが安くなっています。10月1日までが東京公演で、そのあと、大阪公演が行われます。

ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』
プレビュー公演
日程:2017年7月19日(水)〜7月23日(日)
会場:TBS赤坂ACTシアター
東京
日程:2017年7月25日(火)〜10月1日(日)
会場:TBS赤坂ACTシアター
大阪
日程:2017年10月15日(日)〜11月4日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール
チケットはこちらから

 

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

 ベルリンの壁崩壊前の東ドイツからオトコを追ってアメリカに渡るために手術を受けたものの「アングリー・インチ」が残ってしまったヘドウィグは、アメリカでオトコに捨てられた後、イツァークという男装した女性らを引き連れてロックバンドとして旅に出て…という素晴らしくクィアでロックなミュージカルで、1997年にオフ・ブロードウェイで初演されて以降、世界的な大ヒットを記録し、映画化もされ、日本でも三上博史さんらを主役にして何度となく舞台化されている『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。2014年にはリバイバル作品としてブロードウェイに進出してトニー賞4部門受賞という快挙をなし遂げ、2015年公演ではジョン・キャメロン・ミッチェルによるオリジナル版のヘドウィグが登場してトニー賞名誉賞を受賞しています(ヘドウィグはもともと、俳優のジョン・キャメロン・ミッチェルと、音楽家のスティーブン・とラスク(二人ともゲイの方です)がニューヨークのクラブで生み出したキャラクター。舞台でも映画でもジョン・キャメロン・ミッチェルがヘドウィグを演じています)
 そんな『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の生みの親であるジョン・キャメロン・ミッチェルが、このたび、満を持して来日することが決定! 本家と同様、ジョン・キャメロン・ミッチェルがヘドウィグを演じる特別公演が行われるのです! これは観なければ!ですよね。ちなみにイツァークを演じるのは、2007年公演に続き、中村中さんです(トランス女性が男装した女性を演じるというクィアさにシビれそう。楽しみです)。これは2017年、ゲイ的に最も重要なミュージカルと言えるかもしれません。

ブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
東京
日程:2017年10月14日(土)、15日(日)
会場:東急シアターオーブ
大阪
日程:2017年10月17日(火)
会場:NHK大阪ホール
チケットはこちらから

 

ロッキー・ホラー・ショー

 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が登場する以前、クィアなロック・ミュージカルといえば『ロッキー・ホラー・ショー』のことを意味しました。観客が一緒になって歌ったり騒いだりするライブ的な楽しみ方が画期的で、未だに世界中に多くのファンを持つカルト・ロック・ミュージカルの金字塔です。今回、あの東京ゲゲゲイの牧宗孝(MIKEY)さんが振付を手がけ、東京ゲゲゲイのみなさんも出演するということで、俄然、観に行きたさがつのる公演になっています。古田新太さんがバイセクシュアルのフランケン・フルターを演じるほか、小池徹平さん、ISSAさん、ソニンさん、ROLLYさん、武田真治さんといった超メジャーキャストが揃っています。

PARCO presents RICHARD O'BRIEN'S『ロッキー・ホラー・ショー』 
東京
日程:2017年11月7日(火)~11月12日(日)
会場:Zeppブルーシアター六本木
日程:2017年11月16日(木)~12月3日(日)
会場:サンシャイン劇場
長野
日程:2017年12月23日(土祝)、12月24日(日)
会場:まつもと市民芸術館 主ホール
チケットはこちらから

 

ファン・ホーム

 2015年のトニー賞で作品賞や脚本賞など主要な賞を総なめにしたミュージカル『ファン・ホーム』。2018年2月にシアタークリエで日本版が上演されることになりました。例によってメディアではゲイとかレズビアンということは伏せられ、「家族の別れと再生、そして希望を描く」などとされていますが、こちらに書いた通り、レズビアンである作者が、父親が事故で死んだ後、実は父がゲイだったことや自分がカムアウトしたことがその死につながっているかもしれない…と考え、二人の関係を子ども時代から遡って回想していくという作品です。原作は漫画で、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞(アメリカの権威あるマンガ賞であるアイズナー賞も受賞)しています。ともあれ、原作も素晴らしく、舞台化作品もトニー賞を受賞しているわけですから、期待してよさそうです。続報を待ちましょう。
 
『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』
2018年2月、シアタークリエで上演

 

『RENT』来日公演

 2018年夏、アメリカカンパニーのキャストが来日し、オリジナル演出版の『RENT』来日公演が行われることになりました。2016年には連日ソールドアウトで日本の観客を熱狂させたオリジナル演出版が再び来日決定!ということで、今回も話題を呼びそうです。こちらも続報を待ちましょう。

『RENT』来日公演
2018年夏、上演(会場等未定)


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