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レポート:レインボーフェスタ!2017

大阪で行われた12回目の関西レインボーパレード(レインボーフェスタ!)。時折小雨が降るあいにくの天気でしたが、見事な虹がかかりました。今年も手作り感あふれる、とてもいいイベントでになりました。

レポート:レインボーフェスタ!2017

2017年10月7日(土)、大阪の扇町公園でレインボーフェスタ!が開催されました。関西レインボーパレードとしては12回目、干支が一回り、ということで、今年のテーマは「Merry GO! Round〜ひとまわりしてみぃひん?〜」となりました。時折小雨が降るあいにくの天気ではありましたが、とても見事な、美しい虹がかかり、神様の祝福を感じさせました。そして、今年も手作り感あふれる、とてもいいイベントになりました。レポートをお届けします。(後藤純一)





グラウンドに溜まった水を手で…

caratのお二人

TEN6のみなさん

ファッションショー

DXハンターのみなさん

H-pag!のみなさん

DXハンター × H-Pag!

感動的だった平等結婚式

CASSAROSのブース

虹色ダイバーシティ

コミュニティセンターdista

ホテルグランヴィア京都

関西同志連盟

ロイヤル・カリビアン・クルーズ

信長書店

パレードが出発!







松原高校吹奏楽部のみなさん

ヨンシンさん

見事な虹がかかりました

NSM=のみなさん

虹組ファイツのみなさん

NSM= × 虹組ファイツ

笹野みちるさん

フィナーレ!
 10月7日(土)10時過ぎ、天気は雨。どんなに天気が悪くても(たとえ台風が来てても)ゲイがたくさん集まるイベントは雨がやむというジンクスを信じ、傘をさしながら扇町公園に向かいました。イベントが始まる頃になると、本当に雨がおさまってきました。でも扇町公園のグラウンドは水たまりだらけ。そこでなんと、若いスタッフの方たちが、スポンジで水たまりの水を取ってバケツに絞り…という作業をあちこちでやりはじめ、胸が熱くなる思いでした(頭が下がります。本当におつかれさまでした)
 
 そうこうしているうちに、レインボーフェスタ!のステージパフォーマンスが始まりました。
 トップバッターは、虹組ファイツから派生したユニット「carat」。なかなか聴かせる歌唱力、そして衣装や雰囲気もクールめにまとめられていて、素敵でした。
 それから、昨年も出演してくれた天神橋筋六丁目公認のご当地アイドルグループ「TEN6」。普通に曲がイイです。安心感があります。AKBメドレーもやってくれたのですが、曲が「言い訳Maybe」だったりして(偶然かもしれませんが)わかってる♪と思いました。
 続いて、ファッションショーがスタート。ジェンダーの観念に縛られず自由にファッションを表現できる場として、いろんな方々が登場し、華やかにステージを彩ってくれました。
 そしてそして、レインボーフェスタ!初登場!のDXハンターのステージ! こぶしファクトリーの「ドスコイ!ケンキョにダイタン」など、ハロプロファン大喜びの選曲で盛り上げてくれました。完璧なダンス、キュートなコスチューム、疲れを感じさせないアイドルばりの笑顔…デラハンを見にわざわざ熊本から来たという方などもいらっしゃいましたが、人気もうなずけます。
 そしてそして、関西といえばこの方たち! H-Pag!が登場! イベントにひっぱりだこの大人気グループですが、今回もハイクオリティで楽しいパフォーマンスを魅せました。さらに! DXハンターとの夢のコラボ!として「ハッピーサマーウエディング」「超HAPPY SONG」でハッピーに盛り上げ、観てるこちらも本当にハッピーな気持ちになれました。
 興奮冷めやらぬなか、レインボーフェスタ!前半戦のメインイベントである平等結婚式が行われました。今回は、トランス男性の東根歩夢さんとトランス女性の中川未悠さんの結婚式。羽織袴の歩夢さんと、美しい着物を着た未悠さんがゆっくり歩いてくると、会場のみなさんからあたたかい拍手で迎えられました。ステージに登る階段では、歩夢さんが未悠さんの手を握って支えます(その姿にジーンときました)。本物の神主さんが祝詞を読み上げて、三三九度も行い、厳かながら、とても感動的な挙式になりました。
 そのあと、毎年恒例のカラフルミックスバンドの演奏が行われ、パレード出発準備(整列)となりました。

 ここで、ブースのご紹介をいたします。
 今年も本当にカラフルな、いろんな企業や団体のブースが軒を連ね、目を楽しませてくれました。とある出展者の方が、関西の方は積極的にブースをのぞいて興味を示してくださると語っていましたが、確かに、手に取って見て「これ何なん?」と聞いたりとか、出展者とお話したりとか、和気あいあいとした光景があちこちで繰り広げられていました。今年は雨が降ったりして大変だったと思います。出展された企業や団体の方々にも、おつかれさまでしたと申し上げたいと思います。
 たくさんある中で、本当にちょっとしたご紹介できなくて、恐縮なのですが…
 まず、長年、大阪だけでなく、本当に津々浦々のプライドイベントに協賛してくださっているCASSAROS。リスペクトです。
 大阪といえば、虹色ダイバーシティ。ブックカフェ「cocoaru」とのコラボでコーヒーをふるまっていたのですが、コーヒー通の私も唸るような美味しさでした。
 そして、大阪といえば、MASH大阪が運営するコミュニティセンター「dista」。使えるSAFER SEXグッズをプレゼントしつつ、気さくな雰囲気でインフォメーションしてくれていました。
 京都で春光院さんと共同で仏式の同性婚プランを企画したり、アライホテルとして名を馳せているホテルグランヴィア京都の方と、同性婚フライヤーのモデルの方。着物が素敵です。
 関西同志連盟は、アジアのいろんな地域の同志(同性愛者)と交流しようという趣旨のサークルでした。写真に写っているのは、マレーシアからこちらに来られている留学生の方。
 豪華客船でのラグジュアリーな船旅を手がけているロイヤル・カリビアン・クルーズが初出展。VRで豪華客船を体験できたりしました。
 関西でよく知られているアダルトグッズ(ゲイモノも多数)の信長書店。信長のイメージで店員さんがお侍のコスプレをして楽しませてくれていました。
 ほかにも、ライフネット生命や、glitter(ブライダルなど)、TENGA、ジェクスなどの企業、淀川区役所・都島区役所職員有志、G-FRONT関西、関西クィア映画祭、LGBT専門家の行政書士などの非営利団体もブース出展していました。
 協賛といえば、みんなが空に放ったレインボーの風船には、Takedaのロゴがありました。こちらは武田薬品の協賛だったということです。 

 さて、パレードの出発の時間となりました。2006年からスタートし、今年で12回目となる関西レインボーパレードです。
 先頭は、レインボーフラッグを乗せた青い車が先導するMUSICフロートで、行政書士の方々や、大阪教育合同労組、OUT JAPAN、電話相談の団体「tell」など、いろんな企業や団体の方々が歩いていました。
 続いて、カラフルミックスバンドフロート。DXハンターのみなさんや、G-FRONT関西の方、日本生命の方などが参加されていました。
 3つめはメッセージフロート。アムネスティ・インターナショナルのみなさん、関西同志連盟のみなさん、ろうLGBTのグループなどが参加していました。その後にも撮影禁止ブロックがあり、たくさんの方が歩いていました。中には手をつないで歩くゲイカップルのお二人もいらして、微笑ましい気持ちに。
 出発地点では、以前御堂筋でパレードをやっていた時に、華やかなフロート(トラック)を出走させてくださった『ZUMANITY』のオーガナイザー・KOBAさんも見守っていらっしゃいました。
 パレードの一行は、天神橋筋六丁目から左折し、都島通を堂山方面へ向かい、堂山町交差点で新御堂筋を南下し、曾根崎東から扇町公園通りへと入り、約2.9kmを晴れやかに行進して扇町公園へ戻ってきました。
 ずっと小雨が降ったりやんだりな1日だったのですが、パレードの間はなんとか天気ももってくれました。が、みなさんが帰ってきた直後にザーっと雨が降って、そして、その後、見たことがないくらい大きな虹が空にかかりました。2年連続の虹です。たぶん日本のパレードで2年連続虹がかかったのはレインボーフェスタだけじゃないでしょうか。神様の祝福を感じました。

 パレード中は、ステージで松原高校のブラスバンド部のみなさんが演奏してくださっていたのですが、帰着後、ヨンシンさん(FMに出演したり、公に楽曲提供するなどの活動をする方)の人情味あふれるトークとライブが披露され、そして、NSM=のみなさんが登場。中心メンバーだった高倉唯さんらが卒業し、寂しい限りですが、新しいメンバーで頑張っていました。
 全国のパレードを応援してきた虹組ファイツのみなさん。今回も関西のメンバーを中心におなじみの「恋愛Debut!始めました」「なんちゃって大奥」など数曲を歌ってくれました。新しいメンバーも加わって(太めの方が増えてとてもイイ感じ)、ファンのみなさんも喜んでいたようです。そのあと、NSM=と虹組ファイツのコラボでにぎやかに盛り上げてくれました。
 今回のレインボーフェスタ!のトリをつとめたのが、レジェンド、笹野みちるさん(東京少年のボーカルとしてメジャーで活躍し、1995年、著書『Coming OUT!』でレズビアンであることをカミングアウト。2007年の尾辻かな子さんの選挙も応援。2014年、『陽のあたる坂道で』がレインボーフェスタ!のテーマソングに)。満を持しての登場です。なにしろ声が全然衰えてないし、ギターの弾き語りでこれだけ聴かせるのはさすが。プロだなあと。いろんな経験をしてきた方だからこその、深みのある歌詞で、目が離せない、とてもいいライブでした。じんわり、心に響きました。
 最後に、みんなで一斉にレインボーの風船を空に放ち、フィナーレを迎えました。


 今年のレインボーフェスタ!も、手作り感あふれ、あったかみがある、とてもいいお祭りでした。
 雨の影響もそんなに受けず、来場者が約4700名、パレードを歩いた方が760名(去年より多かった)とのことです。
 パレードは歩かないけど広場のお祭りを楽しんでいらした方もとても多く、公園には、ゲイと思われる方がたくさんいらっしゃいました(比率的には東京より多いかも。そして、イケる人も多数!)

 最初に関パレをやってから、もう12年…結構、初回のことは憶えています。初めてという高揚感。沿道でたくさんの方が見ていたこと。札幌からも参加してくださったり、全国から集まったみなさんの、盛り上げよう、成功させようという雰囲気。難波の元町公園に着いて、フィナーレで風船をリリースしたとき、空気が重くて(湿度の関係で?)とてもゆっくりと空に上がっていったこと…。
 御堂筋を歩くパレードから、今のような扇町公園でのフェスタ中心のイベントに変わり、運営する方も、参加者の方たちの顔ぶれも変わったと思いますが、いろいろご苦労や、大変なことがあったと思いますが(今年も人手が足りません!とアナウンスされていました)、それでもこうして毎年続けて来られたこと(現行のパレードの中では最長寿ですよね)、本当に頭が下がります。おつかれさまでした、と申し上げたいと思います。
 イベント終了後にスタッフの方が一生懸命募金箱を持って呼びかけていらっしゃいましたが、募金額は21万超だったそうで(正確に言うと216,557円と9バーツ、2台湾元)、素晴らしいイベントをありがとう、これからもぜひ末永く続けていってくださいね、というみなさんの思いが表れていると思います。

 

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