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レポート:gaku-GAY-kai 2017

2017年末、今回で20周年を迎える「gaku-GAY-kai 2017」が新宿で開催されました。ゲイの劇団フライングステージとその愉快な仲間たちがゲイテイストなミュージカルやパフォーマンスの数々を披露し、会場を沸かせ、心から幸せな気持ちになれる時間をプレゼントしてくれました。

レポート:gaku-GAY-kai 2017

2017年12月29日、新宿3丁目(ほぼ二丁目)にある「SPACE 雑遊」で開催された「gaku-GAY-kai 2017」をレポートします。ゲイの劇団フライングステージとその愉快な仲間たちがお送りする年末恒例のお楽しみイベントは、今回でめでたく20周年を迎えました(本当にスゴいこと。おめでとうございます)。今回もチケットは早々にソールドアウトとなり、開場時には早い時間からお客さんが行列を作り、会場は熱気に包まれました。第一部「贋作・夏の夜の夢」は「学芸会」という名前を超えるようなクオリティで、ゲイテイストにあふれ、これまで上演された贋作モノの中でも最も素晴らしい作品になったのではないかと感じました。第二部のパフォーマンスと合わせて4時間近くの超盛りだくさんなイベントでしたが、全く飽きさせず、あっという間でした。おかげで2017年の年末も、笑顔で、幸せな気持ちで過ごすことができました。(後藤純一)

第一部「贋作・夏の夜の夢」

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 「贋作・夏の夜の夢」は、二丁目のドラァグクイーンと歌舞伎町のホストが対立関係にあったのを「手打ち」とするため、両者のボス的な人であるモッチーナとユウが結婚することになったというシーンから始まります(2015年の「贋作・ウェスト・サイド物語または贋作・ローマの休日」の続きになっています)。ドラァグクイーンのハーミアは、ホストのライと恋仲ですが、ハーミアの父的なイージマはお気に入りのデミと結婚しろとうるさく言い立て、ハーミアとライは駆け落ちすることを計画します。御苑の森を越えたら、そこは渋谷区、同性パートナーシップが認められている街…ということで、二人は新宿御苑で待ち合わせます。ハーミアは親友のドラァグクイーン・ヘレナに駆け落ちのことを打ち明けますが、ヘレナはデミにバラしてしまい、デミは駆け落ちを阻止しようと走ります。そうして4人が御苑の森へと分け入ることに…
 結婚式で芝居を上演するために、ドラァグクイーンやホストが集まって稽古をしています。その内容は、床に倒れた椅子に座ったり、椅子を使って喜怒哀楽を表現したり…そう、あの名作スポ根演劇漫画のネタでした。それから彼らも、練習場所を求めて御苑の森に行くことに…。こうして10人の人たちが御苑の森に集まります。
 一方、御苑の森では、妖精王オーベロンと女王タイテーニアが、二丁目のイケメンウリ専ボーイをめぐって言い争いをしています。機嫌をそこねたオーベロンは、妖精パックを使って、タイテーニアのまぶたに惚れ薬を垂らすことにします。パックは御苑の森にやってきた人間たちにも惚れ薬を振りかけ、ライとデミが二人そろってヘレナに恋してしまい、ふだんモテないヘレナが「からかうなんてひどい」と激怒したり、タイテーニアは、頭がクマになったドロリーヌに恋したりと、しっちゃかめっちゃかに…
 そんな感じでこの作品は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」をゲイテイストにパロディ化しているのですが、全体的にきちんと「夏の夜の夢」を踏まえて作られていて、惚れ薬のドタバタが元通りになってめでたしめでたし、で終わりではなく、そこから結構たっぷりとした劇中劇が上演され(それが、2017年に展覧会も開催されて話題となった、あの名作スポ根演劇漫画だったのです。素晴らしい!)、最後にまた妖精の王オーベロンと女王タイテーニアが登場して舞台を締めるところまで再現されていて、祭りの後の寂しさみたいな、なんとも言えない余韻も感じられ…控えめに言って感動しました。
 ちなみに、その劇中劇の名作スポ根演劇漫画(ゲイの世界でも熱狂的なファンが多いあの作品)は、エスムラルダさんが主役のどんくさいヒロインを、アルピーナさんが演劇界のサラブレッドと言われるお嬢様的ライバルを、モイラさんが黒ずくめで顔を半分髪で覆ったヒロインの師匠を演じたのですが(佇まいが原作そっくり!でした)、一晩100軒の出前からの「冬の海にチケットがぁ〜」とか、逃げた小鳥をつかまえるパントマイムとか、ヘレンとして待ってるオーディションとか、女海賊ビアンカとか、「毒…私の切り札」とか、田舎から出てきたばかりのドジっ子と見せかけて実は虎視眈々と主役の座をねらっていたあのキャラとか、やたら大きなサングラスをかけた秘書の方とか、空気椅子とか、ファン大喜びなシーンが矢継ぎ早に演じられ、もう本当にゲラゲラ笑いながら観ていたのですが、最後に「二人の王女」が見事に演じられ(エスムラルダさんがアルディス、アルピーナさんがオリゲルドって、まさに!って感じです)、お二人の女優魂に胸が熱くなりました。

 セリフとしても随所にゲイテイストなギャグが盛り込まれ(例えばパックがオーベロンから惚れ薬を受け取るときは「前はみんな使ってたけど今は違法になった、RUSHですか?」)、合間にブルゾン○えみネタもぶっこみ、ダンスシーンも登美丘高校、ララ○ンド、○坂46という2017年的にカンペキな演目で、ミュージカルなので途中途中で歌が入るのですが、それもレ○ゼラブルだったり○ィキッドだったりして、とにかくゲイテイストな要素がこれでもかと散りばめられていて、本当に、心の底から楽しめました。
 20周年にふさわしい、壮大にして中身の濃い、このうえなくゲイテイストで、それでいて原作に忠実な…換骨奪胎ここに極まれり、とでも申し上げたくなるような作品でした。これまで上演された贋作モノは、どれも素晴らしかったのですが、その中でも最高傑作と言えるような作品だったのではないでしょうか?
 これを観て、ああ、僕も「gaku-GAY-kai」に出てみたい…とか、女装してみたい…と熱い思いを抱いた方もいらっしゃるかもしれません、○ヤが『椿姫』を観て演劇に魅せられたように…。いつかまた、この傑作が再演されることを期待します。


第二部

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 第二部では、さまざまな方たちが入れ替わり立ち替わり登場し、多彩なパフォーマンスを繰り広げました。今年もモッチーナさんと宇原さんがMCをつとめ、盛り上げてくれました。
(※今回は30日におじゃましたので、29日のみに出演していたアイハラミホ。さんのダイナマイトパワフル歌謡パフォーマンスしょーの模様はお届けできないのですが、ご了承くださいませ)
 
 トップバッターは佐藤達さんの「かみしばい〜僕の話をきいてください〜」。これまでよりもグレードアップしていて、飛び出す紙芝居になっていました。子どもの頃のエピソードで、ガキ大将の子が、洗濯が間に合わなくて女子のスク水を着てプールに来たという話に爆笑しました。

 

 続いて、水月モニカさんがマレフィセントのいでたちで登場し、パートナーにも死に別れた老いたレズビアンが、ずっと抱いていた子どもを持ちたいという夢を、ひょんなことから叶えていくというお話を朗読してくれました。

 

 関根信一さんの女優リーディング。『トーチソング・トリロジー』『ラカージュオフォール』のハーヴェイ・ファイアスタインが作った絵本「The Sissy Duckling(オネエのアヒルの子)」を読んでくれたのですが、すごくよかったです。日本でも発売して、全国の図書館に入れるべき!と思いました。

 

 ぶー子さんの「ひとりのビッグショー」。今回はみゆきの歌に乗せて、女装姿で家に帰ってきて、メイクを落とし、男性の姿で熱唱するというパフォーマンスで魅了してくれました。心に沁みました。

 

 オープンリー・ゲイとして音楽活動を行っている芳賀隆宏さん。アガペーズというバンドで登場し、1曲ライブを披露してくれました。

 

 西山水木さんは今回、KUMAMIさんという方といっしょに登場してパフォーマンス。KUMAMIさんの歌がびっくりするくらい上手でした。

 

 モイラさんの「小夜子なりきりショウ」。今回は、初の本格的な和装で、日本の美を表現。音もドラマチックでしたし、コンテンポラリー的なダンスもあったりして、芸術的、と感じました。

 

 ジオラママンボガールズのお二人は今回、愛の歌(阪急三番街っていう歌詞がツボでした)、そして「ポイポイ捨てられる」歌を対照的に表現。昭和歌謡の素晴らしさを余すところなく伝えてくれました。

 
 個人的には「中森夏奈子のスパンコール・チャイナナイト」を観ることができて本当によかったです。顎が痛くなるほど笑いました。夏奈子さんってホント天才的なパフォーマーだと思いますし、ほぼほぼドラァグクイーンだと思います。

 
 大トリはもちろん、エスムラルダさん。安定のクオリティ。今年は定番の「エスムラルダ・デ・マンボ」がちゃんとマンボ調にグレードアップしてました。最後に出演者のみなさんがステージに総登場し、大団円。華やかなフィナーレとなりました。

 気づけば開演から4時間近くが経過していました…でも、あっという間でした。椅子に座布団もついてて、お尻が痛くなったりもしませんでしたし。こんな楽しいイベント、これからも30年、40年と末長く続いていくことを祈ります。
 
☆「gaku-GAY-kai 2017」のフォトアルバムはこちら

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