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レポート:いわてレインボーマーチ

9月1日(土)、岩手県盛岡市で、いわてレインボーマーチが初開催されました。地元の若い女性たちが中心となって早くから準備を進め、とてもきちんとしたパレードになっていて、160人もの方が歩きました。

レポート:いわてレインボーマーチ

2018年9月1日(土)、岩手県盛岡市で、いわてレインボーマーチが初開催されました。地元の若い女性たちが中心となって立ち上げ、早い時期から準備が進んでいたおかげでとてもきちんとしたパレードになっていた印象です。初回にして160人もの方が参加し、市内中心部を歩きました。メディアも多数!でした。レポートをお届けします。(後藤純一)


 岩手で初のパレードを開催します、という宣言が発せられたのは、今年の2月末のことでした。
 学生さんかな?と思うような、若い女性の方たちが集まって、レディー・ガガの「BORN THIS WAY」をもじった「MARCH THIS WAY」というキャッチコピーを早々にデザインし、お揃いの素敵なTシャツを着て東京レインボープライドに参加し、青森レインボーパレードにも参加し、ちょっと今まで見たことのないさわやかでナチュラルなイメージを打ち出し(公式Instagramをご覧ください)、彼女たちは着々とマーチに向けて歩んできました。
 
 そんないわてレインボーマーチに駆けつけようと思ったのは、これまでもg-lad xxは、沖縄市レインボーパレード福岡レインボーパレード小倉でレインボーパレードするっちゃ!レインボーパレードくまもと2016など、地方で初開催されるパレードを(頑張って)レポートしてきましたし、今年6月の青森レインボーパレードに(遅くなりましたが)初めて参加してみて、故郷が「帰れる街」になっていたことに感銘を受け、隣りの岩手でもパレードをやるなら、これは応援しなければ、という気持ちになっていたからです(ただ今回は、仕事の都合などもあったので、宿泊も観光もせず、弾丸で行ってきました。東京〜盛岡は新幹線で2時間ちょっとなので、日帰りも十分可能です)
 
 9月1日(土)、東京は雨模様でしたが、盛岡は曇りたまに晴れ、暑すぎず、寒くもなく、ちょうどいい天気でした。
 集合地点のもりおか歴史文化館の前の広場には、12時半頃からポツポツと人が集まりはじめていました。
 簡単な机を出して、参加登録をしてくれた方に、岩手大学LGBTサークルで制作した冊子(たいへんよくできていました)やレインボーフラッグなどのグッズのセットが配布されていました。黄色いドレスを着たトランス女性と思われる方が「こちらが受付ですよ〜」と呼びかけていて、華やかでした。

 青森のパレードは、東京や関西などからもゲイの方が集まっていましたが、盛岡は、主催者の皆さんの知り合いの方(アライの方が多数、ファミリーだったり)がほとんどだったように見えました。あとは、青森や宮城、富山などのLGBT団体・サークルの方も来られてました。TRP共同代表の杉山文野さんも駆けつけました。

 13時半にオープニングイベントが始まりました。すべて英語で同時通訳されていました。
 主催者のまいさんが「50人くらい歩いてくれたらかなと思っていましたが、事前の参加申込みだけで100人を超えて、うれしかったです。これをきっかけに、岩手でもっと性の多様性を広めていきたいと思います。今日は楽しみましょう」とご挨拶し、それから、注意事項の説明、メディアの紹介(青森でもそうでしたが、知らない人にカメラを向けられると怯える当事者もいると思うので、この人たちが写真を撮りますよ、よろしくね、と「筋を通す」儀式のように感じました。ほとんどが新聞社やテレビ局の方たちでした)が行われました。












 それから整列が始まって、14時に、パレードがスタートしました。
 先頭に、スピーカーを積んだ小さなトラック(フロート)がいて、ガガの「BORN THIS WAY」はもちろん、「THIS IS ME」だったり、マッキーだったり、いろんな曲で、パレード参加者を盛り上げていました。
 その後を、横断幕を持った主催者のみなさんが、メッセージを読み上げながら歩きます。LGBTの説明、レインボーマーチはこんな趣旨でやってます、LGBTはだいたい13人に1人という調査結果がありますが、岩手県の高校の調査では10人に1人でした、などなど。路上から、お店から、手を振ってくださる方もちらほらいました(その中に、代表のまいさんのお母様もいらしたそうです)
 アーケードの商店街に差しかかった頃、とある方から寄せられたメッセージが読み上げられました。「あと2、3年で、35歳になったら、自殺しようと思っていました。この街でレズビアンとして生きていくということは考えられなかったからです。しかし、岩手大学のLGBTサークルの集まりに参加するようになって、自殺を踏みとどまることができるようになりました」。まいさんは嗚咽で胸を詰まらせながら、読んでいました。私ももらい泣きしそうでした。
 商店街を抜けて、左折し、LOFTとかが入っている百貨店「パルクアベニュー・カワトク」を右手に眺めながら、大通りを歩き、終点の盛岡城跡公園が見えてきた頃、話しかけてくれた男性の方がいて、地元のゲイの方かと思ったらノンケさんだったのですが、トランスジェンダーの友達がいて、今回一緒に歩くことにしたということでした(ご自身は発達障害を持っているそうです)。東北人らしい、素朴であたたかい方でした(最後にハグしました)

 石垣に囲まれた緑豊かな盛岡城跡公園内の広場に到着。フェス的なイベントも行われる場所だそうです。
 クロージングイベントで、代表のまいさんが、お母さんにカミングアウトした時のエピソードを語ってくれました。大学1年の時に、お母さんに言おうと思って、でも、なかなか言えなくて、とても切羽詰まった表情だったので、お母さんが「人殺しでもしたかと思った」と言ったそうです。そのうえで「まいが幸せならそれでいい」と言ってくれた、のですが、数日したら、気が変わって「病院に行け」と言い始め、基礎知識的な本を読んでもらい、教育し、だんだんお母さんも理解してくれるようになりました。今ではLGBTのニュースがあると、こんなことがあったね、と話してくれたりするそうです。「人は変わることができます。根気よく対話を続けること。絶望せず。多様性ある社会には、コミュニケーションがとても大事だと思います。日本的な阿吽の呼吸ではなく。それが誤解を招くもとかもしれない。大変だけど、あきらめずに話していきましょう」
 彼女のひたむきで真っ直ぐな思いが伝わってきましたし、その思いがパレードに現れてるなぁと感じました。大きな拍手が贈られました。
 最後に、集合写真を撮って、解散となりました。


 他の方も語っていましたが、こんなに若い方たちがパレードを主催したこともスゴいし、しかも入念に準備をして、とてもちゃんとしたパレードになっていましたし、初回で160人も集まって、本当に素晴らしいと思いました。
 青森でもできて、岩手でもできたんだから、どんな県でもできないことはない、と、地方の方に勇気を与えてくれるような出来事でもあったのではないかと思います。


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