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特集:2019年上半期のオススメ映画

『ゴッズ・オウン・カントリー』『サタデーナイト・チャーチ』『ある少年の告白』など、2018年上半期に公開されるゲイ映画やドラマの情報をまとめてご紹介いたします。

特集:2019年上半期のオススメ映画

年明けにゴールデングローブ賞の発表があり、『ボヘミアン・ラプソディ』が作品賞と主演男優賞に輝いたのをはじめ、『グリーンブック』『英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件』『女王陛下のお気に入り』『アメリカンクライムストーリー:ジャンニ・ヴェルサーチの暗殺』といったゲイ映画やクィアな作品が多数、受賞しました。2月24日のアカデミー賞の発表も楽しみです。そんなオスカー・シーズン(昨年封切られた映画の中でどの作品がアカデミー賞を獲るのか、注目が集まる時期)のさなか、2019年上半期に公開されるゲイ映画の特集をお届けします。現在アカデミー賞レースで話題の作品なども含め、すでに海外で高評価を得ているゲイ映画(クィア映画)やドラマの話題作が続々と公開されます。まとめてご紹介します(公開日の日付順です)


現在上映中 『ゴッズ・オウン・カントリー』

 英国版『ブロークバック・マウンテン』とも言うべきエロティックにして感涙必至の超名作映画『ゴッズ・オウン・カントリー』、12月に日本でのラストチャンスとなる劇場公開が決定!でお伝えした12月の上映回が、いずれも立ち見が出るほどの大盛況となり、その様子を知った配給会社が急遽、日本での配給(一般上映)を決めて、めでたく2月2日からシネマート新宿ほか全国公開となりました(なかなかないことです)。まだご覧になっていない方はぜひ!
<あらすじ>
青年ジョニーは、老いた祖母と病気の父に代わって、ヨークシャーにある牧場を独りで管理している。孤独で、やり甲斐も感じられない、さびれた牧場での日々の労働を、酒とゆきずりの不毛なセックスで紛らわすジョニー。ある日、季節労働者のゲオルゲが羊の出産シーズンに雇われる。初めは衝突する二人だったが、羊に優しく接するゲオルゲに、ジョニーは今まで感じたことのない感情を抱き、突き動かされていく……

『ゴッズ・オウン・カントリー』God's Own Country
2017年/イギリス/監督・脚本:フランシス・リー/出演:ジョシュ・オコナー、アレック・セカレアヌ、ジェマ・ジョーンズ、イアン・ハート/2月2日(土)、シネマート新宿、シネマート心斎橋、センチュリーシネマほか、全国ロードショー!
(C) Dales Productions Limited/The British Film Institute 2017



2月10日(日) ドラマ『弟の夫』上映会

 昨年大きな反響を呼んだ田亀源五郎さん原作の『弟の夫』の実写ドラマ全3部を一挙上映するイベントが、東京都港区の主催で開催されます。上映後、田亀源五郎さんと、虹色ダイバーシティの村木真紀さんとの対談も予定されています。
<あらすじ>
小学生の一人娘を育てるシングルファーザーの弥一。十年間音沙汰のなかった双子の弟がカナダで亡くなって、ある日、その結婚相手のカナダ人、マイクが、愛する人の生まれ育った家に、訪ねて来るのだが、弥一は戸惑いを隠しきれず……

ドラマ『弟の夫』上映会
日時:2月10日(日)13時〜16時
会場:港区立男女平等参画センター「リーブラ」みなとパーク芝浦 1階リーブラ・ホール
入場無料
定員:先着208名(申込順)
※事前の申込みが必要です(席は自由席です)
申し込みはこちら


2月11日(月祝) サタデーナイトチャーチ試写会 

2月22日(金)より大阪で公開される映画『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』の特別試写会がdistaにて開催されます。上映前には、「CAMP!midnight movie」のテラダマサヒロさん&シモーヌ深雪さんによるみどころ解説トークショーも!
サタデーナイトチャーチ試写会
日時:2月11日(月祝)開場13:30、解説トークイベント14:00、上映開始14:20
会場:dista(大阪市北区堂山町11-2堂山山よしビル4F)
入場無料 ※当日12:30より先着順にて座席指定の整理券を発行します



~2月14日(木) 13回の新月のある年に

『ファスビンダーのケレル』のライナー・ベルナー・ファスビンダーによる、たいへん刺激的でアバンギャルドな、70年代クィア映画の傑作、『13回の新月のある年に』。長い間、幻の未公開作品となっていましたが、昨年初めて公開され、現在、アップリンク吉祥寺で再び上映されています。2月10日(日)には柳下毅一郎(特殊翻訳家)を迎えてのトークショーもあります。
<あらすじ>
男性から女性に性転換したエルヴィラ。過去に女性と結婚しており、娘もいるが、男装して男娼を買うような曖昧な性を生きていた。そんなある日、一緒に暮らしていた男・クリストフが家を出て行ってしまう。絶望したエルヴィラは仲の良い娼婦・ツォラに支えられ、育ての親シスター・グルドンのもとを訪れる。妻や娘にも会い、過去を振り返ろうとするエルヴィラだったが、昔の自分に戻れないという現実を突きつけられるだけだった。さらにエルヴィラは、自分が性転換するきっかけとなった男・アントンに会いに行くが……

13回の新月のある年に
上映中~2月14日(木)まで
会場:アップリンク吉祥寺
料金:一般¥1,800、ユース(22歳以下)¥1,500、シニア¥1,100、UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300、ユース会員はいつでも¥1,000)



2月18日(月)まで配信中  『ソヴァージュ』

 ゲイの青年の自暴自棄な生活、愛を求める様をリアルに描いたフランス映画です。ユニフランスが主催するオンライン映画祭「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(myFFF)」の中の1作品として、2月18日(月)まで配信されています。視聴料は約250円と、たいへんお得になっています。
<あらすじ>
22歳の青年レオは、街娼をして僅かな金を稼いでいた。次から次へと行き交う男たちに、彼は愛を求め、身体を差し出す。明日がどんな日になろうとも、それはレオの知るところではない。彼は今日も街に繰り出してゆく。胸に高鳴る鼓動を感じながら……

『ソヴァージュ』SAUVAGE
2017年/フランス/監督:カミーユ・ヴィダル=ナケ/1時間39分 ※18歳以上の方のみご観覧ください。



2/15〜 『女王陛下のお気に入り』

 毒々しいまでの絢爛豪華な王宮を舞台に、どちらがより女王陛下の寵愛を受けられるかを競い合う、二人の女性のドロドロの愛憎を描いた(実はとてもゲイ好みな作品なんじゃないかという予感)、そして女性どうしの肉体関係も描かれているという『女王陛下のお気に入り』。監督は『ロブスター』で注目を集めた鬼才、ヨルゴス・ランティモス。出演は、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン、オリビア・コールマン、レイチェル・ワイズ、『シングルマン』のニコラス・ホルト。ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞(クィア・ライオン賞ノミネート)、ゴールデングローブでは主演女優賞を受賞、ゲイ&レズビアン・エンターテインメント批評家協会(GALECA)が主催するドリアン・アワードで最優秀作品賞、脚本賞、女優賞の3冠を獲得、そして、今年のアカデミー賞で『ROMA/ローマ』と並び、最多となる10ノミネートを果たし、最も注目される作品の一つとなっています。
<あらすじ>
18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……

『女王陛下のお気に入り』The Favourite
2018年/アイルランド・イギリス・アメリカ合作/監督:ヨルゴス・ランティモス/出演:オリビア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルトほか/2月15日(金)全国ロードショー
(C)2018 Twentieth Century Fox



2/22〜 『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』

 『パリ、夜は眠らない』でフィーチャーされ、世界的に有名になって以降、音楽的にもダンス的にも進化を遂げたヴォーグ(今はヴォーグ・フェムと言うそうです)。ニューヨークに住む黒人の少年・ユリシーズは、いかにして「Kiki」(ボールルーム)の世界へと足を踏み入れることになったのか、をリアルに描いた、ミュージカル映画です。黒人でクィアであるということがどういうことなのか、というリアリティ。一方ではクィアを抑圧し、他方では救済もする教会。実際に「サタデー・チャーチ」でボランティアをしていた経験のあるデイモン・カーダシスの初監督作品です。
<あらすじ>
「美しくなりたい」という思いを抑えられずにいる少年・ユリシーズは、家族との諍いをきっかけに家を飛び出し、クリストファー・ストリートへと向かう。そして桟橋で出会った黒人のクィアたちに連れられ、初めて「サタデー・チャーチ」を訪れる。そこは、ダンスや音楽を楽しんだり、同じ境遇の仲間と語らったりできる土曜だけの解放区だった。ユリシーズは、その自由な雰囲気に魅了され、少しずつ自分を解放してゆくが、ある日、隠していたハイヒールが家族に見つかってしまい……

『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』Saturday Church
2017年/アメリカ/監督:デイモン・カーダシス/出演:ルカ・カイン、マーゴット・ビンガム、レジーナ・テイラー、マークイス・ロドリゲス、MJ・ロドリゲス、インドゥヤ・ムーアほか/2月22日(金)、新宿ピカデリー他にて全国ロードショー
(C)2016 Saturday Church Holding LLC ALL rights reserved.



4月〜 『ある少年の告白』

 アメリカで行われてきた「コンバージョン・セラピー(転向療法)」と呼ばれる同性愛「矯正」施設での「治療」の実態を暴き、『ニューヨーク・タイムズ』紙でベストセラーに選ばれるなど全米で大きな反響を呼んだ『Boy Erased: A Memoir』の映画化で、著者のガラルド・コンリーの実体験に基づいた作品です。主人公を『スリー・ビルボード』『レディ・バード』(偶然ですが、どちらもゲイが登場する映画です)などに出演してきた若手実力派俳優ルーカス・ヘッジズが演じ、ラッセル・クロウとニコール・キッドマンがその両親を演じ、ほかにもグザヴィエ・ドランやトロイ・シヴァン(『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』でウルヴァリンの子ども時代を演じていたそう)といったカリスマ的なゲイの俳優も客演している話題作です。
<あらすじ>
アメリカの田舎町で暮らす大学生のジャレッドは、牧師の父と母のひとり息子として何不自由なく育ってきた。そんなある日、彼はある出来事をきっかけに、自分がゲイであることに気づく。両親は息子の告白を受け止めきれず、同性愛を「治す」という転向療法への参加を勧めるが、ジャレッドがそこで目にした口外禁止のプログラム内容は驚くべきものだった。自身を偽って生きることを強いる施設に疑問と憤りを感じた彼は、ある行動を起こす……

『ある少年の告白』Boy Erased
2018年/アメリカ/監督:ジョエル・エドガートン/ルーカス・ヘッジズ、ラッセル・クロウ、ニコール・キッドマン、ジョエル・エドガートン、ジョー・アルウィン、グザヴィエ・ドランほか/2019年4月より、TOHOシネマズシャンテほか全国公開



4月3日DVD発売 『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』

 英国政治史上最も物議を醸したとされる政治家の同性愛スキャンダル「ソープ事件」。青年ノーマンと肉体関係を持った国会議員ジェレミー・ソープが、その事実をもみ消すため、彼の殺害を計画したとされる衝撃的な実話を、スリリングかつユーモラスに描いたドラマです。『モーリス』のヒュー・グラントがTVドラマに初主演、そしてベン・ウィショーがゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞、ということでも話題です。WOWOWで3月に一挙放送されるほか、4月3日にDVDが発売されます。
<あらすじ>
1965年のロンドン。次期自由党党首の座を狙う下院議員、ジェレミー・ソープは、支援者宅で出会った青年ノーマンと愛し合う仲になる。しかし同性愛が違法だった当時、秘密の関係は長続きせず、二人は破局。経済的な後ろ盾を失ったノーマンはソープの家族に自分たちの関係を暴露し、金銭を要求するようになる。政治生命も脅かされはじめたソープは、ノーマンへの殺意を抱くようになり……

『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』A Very English Scandal
2018年/イギリス/監督:スティーヴン・フリアーズ/出演:ヒュー・グラント、ベン・ウィショーほか

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