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レポート:東京レインボープライド2019(1)ステージ&ブース

4月28日(日)・29日(月祝)の2日間、代々木公園イベント広場で東京レインボープライド2019「プライドフェスティバル」が過去最高の規模で開催されました。ストーンウォール50周年、日本でのパレード25周年という節目にあたり、特別に盛大なイベントとなりました。

レポート:東京レインボープライド2019(1)ステージ&ブース

 2019年4月28日(日)・29日(月祝)の2日間、代々木公園イベント広場で東京レインボープライド2019「プライドフェスティバル」(以下TRP)が開催され、パレード参加者数が初めて1万人を超え、動員数は過去最高となる20万人を記録しました(公式発表の動員数はこちら) 

 ここ数年、回を重ねるごとに10万人、15万人、20万人と規模が増していて、今年はブースの数も278を数え(とてもじゃないけど全部を回るのは無理…)、パレードもフロートの数が40を超えて、最後のフロートが歩き終えるのは先頭が出発してから4時間後(全部を撮るのは本当に大変…)、ステージでの催しも、パレード中にも行われるので、パレードを追いながらステージも、というのは一人では不可能で…そんな、どんどん大規模になるイベントに対応すべく、数年前から、自腹を切って取材スタッフを雇い、なんとか2日間のイベントの全貌がわかるようなレポートをお届けしようと努めてきましたが、企業ではなく一個人としてやっている以上、これ以上人員を投入する余力もなく、正直、限界を感じていました。
 そんななか、今年のTRPは、仕事の関係でパレードのフロートに乗ることになったため(フレディ・マーキュリーの格好で)、パレードの全フロートを先頭から最後尾まで写真に撮ってお伝えするということも、パレードが行われている間のステージの催しを取材することもできないということがわかっており(また、パレード前夜にTRPの広報の方から「ステージに出演するすべてのゲストの撮影ができなくなった」と連絡があったこともあり)、TRPの全貌をお伝えするのはあきらめ、割り切って自分自身が体験した範囲のことだけをレポートしよう、と決めました。
 今回は、そんな感じのレポートになっておりますが、ご了承ください(それでも、キム・ミンスさんの素敵な写真をいただけ、結構なボリュームになります。ので、2回に分けてお届けすることにいたします)(文:後藤純一、写真:キム・ミンス(*)、後藤純一) 

 


あまりにも豪華なゲストが多数登場したステージ


 ニュースでお伝えしていたように、今年はゲスト・アーティストのラインナップが本当に豪華すぎて、大変な騒ぎでした。そして、そんな豪華アーティストのパフォーマンスがよく見えるよう、巨大モニターが設置されたのが本当に素晴らしかったです。普通にフェスとして楽しめる、ハイクオリティで満足度の高いイベントになっていました。


 1日目はパレードがあって、いろいろバタバタで、最初の新虹(あらぬーじ)のエイサーをちょっと見て、あとは、遠目からドラァグクイーンのショーと最後のm-floのライブを(フレディの格好のままで)見た感じです。
 ドラァグクイーンショーでは、オナンさんが『アクエリアス』(レジェンドであるマミー・ムー・シャングリラさんの十八番)をやって、大トリでリル・グランビッチさんが『ラストダンス』をやって(「ArcH」のファイナルを思い出して、ちょっと泣きそうに…。ちなみに「せれぶれぃしょん」ではニクヨさんが、「PluS+」ではナジャさんがやっていたように、ドラァグ・シーンにおける定番のショーとなっています)クイーンさんが全員出てきて、という、ドラァグクイーンの歴史へのオマージュみたいな趣もあって、すごくよかったです。ドラァグクイーンってなんて素晴らしいんでしょう!と、初めて観たかもしれないノンケさんとかも感じてくれた気がします。
 m-floも最高でした。今年のパレードのテーマソングとなった「NO QUESTION」も一緒に歌って盛り上がれたし、最後にm-floの代表曲である永遠の名作「come again」を演奏してくれて、感無量でした。LISAさんのMCもL素敵でした。愛と多幸感あふれる最高!なライブでした。




 2日目はステージがメインの日でした。ブース取材があらかた終わったあと、鑑賞させていただきました。 
 RYUCHELL(りゅうちぇる)さんはメッシュのタンクトップを着て登場し、前日のm-floの「撮影はNGということになってましたが、OKにしました」を踏まえて「乳首はNGということになってましたが、OKにしました」と言って、わざと乳首を見せたりして、笑いをとっていました。MCでは、自分の個性が出せずに苦しんだ若い頃の話から始まって、「世の中には愛が溢れている。だけど人にからかわれたり、バカにされたりして、その愛を見失ってしまう人もいると思う。だけどどんなかたちであれ、どんな色であれ、全ての愛は美しいんだよ、ということを伝えたいと思っています」とシメました(全コメントはこちら)。言葉に少しも無駄がなく、頭のいい人なんだなぁと思いました。全体的にとってもキュートでした。
 青山テルマさんは、生「そばにいるよ」を聞けて鳥肌モノだったのですが、本当に歌が上手いんだなぁと再認識させられました。MCで「今日みんなが家に帰って寝る前に、自分が自分でよかったなとか、自分に生まれてきてよかったなとか、自分を信じてあげようとか、期待してあげよう、今日は自分のことを傷つけないで寝ようとか、そうやって思うことが、一番のプライドだと私は思ってます」とか、素敵なことを言ってくれました(全コメントはこちら
 それから、水曜日のカンパネラさん。地方から「水曜日のカンパネラを観に来た」という方もいて、コアなファンの方に支持されています。初めは素のステージだったのですが、おもむろに何かがふくらんできて巨大な風船のようなオブジェになり、水曜日のカンパネラさんが見えなくなり、やがてその物体は客席のほうに移動し、しばらくボヨンボヨンとしたあと、ステージ横(奥)のほうに…といった感じで3つくらいオブジェが出現。たいへんアバンギャルドでした。
 そして、待ってました!おかえりなさい!感がスゴかった清水ミチコさん。お得意のモノマネをたっぷり披露しつつ、「今日ここに参加してくれたみんなが本当の「愛のサンカ」ね、と言って美輪さんの「愛の賛歌」を歌うなど、パレードにふさわしいギャグも織り込みつつ。今回も本当に楽しませてくれました。
 そして大トリの星屑スキャットさん。持ち歌だけでなく少年隊の『仮面舞踏会』のカバーなど、自由に歌ってくださいました(ミッツさんの「人生は仮面舞踏会よ」というコメントが印象的でした)。最後にドラァグクイーンのみなさんが大勢、登場し、最高に華やかなフィナーレとなりました。
 最後の最後に、共同代表の杉山さん&山縣さんが、2日間司会を頑張ってくれた阿部知代さん&ブルボンヌさんに花束を渡し、会場から(素敵な時間をくれたTRPの方への感謝の気持ちもこめて)あたたかな拍手が贈られました。







アトラクションがいっぱいだったイベント広場

 4月28日(日)、11時過ぎに原宿駅に着くと、駅構内は大混雑で、でもこの人たちがみんなTRPに行くわけじゃないしなぁ、と思ったら、結構みんな代々木公園へと向かって歩いていて(台湾同志遊行の時の台大医院駅みたいでした)、会場に着くと、すでにイベント広場は超満員で、人混みを掻き分けないと歩けないし、トイレも長蛇の列だし、過去最高の動員数を記録するのは間違いないな、と直感してました。

 たぶん、平成最後のパレードですし、超大型連休の始まりですし、ストーンウォール50周年、日本でパレードが行われるようになって25周年とか、フロートの数も過去最高だわ、ひさびさにゲイゲイしいフロートもたくさん出るわで、いろんな要素が重なって、期待感が否応なしに高まっていたのではないでしょうか。

 そんなスペシャル感あるTRPですが、企業や団体、大使館などの出展ブースの数も、過去最高の278に上り、昨年に続き、イベント広場だけではとても収まらず、ケヤキ並木のほうにもたくさん並んでいました(いちばん奥の学生サークルさんのブースは、ほとんどパレード出発地点の辺りでした。もうこれ以上は増やせないのでは…という満杯感でした)
 できるだけ全部をくまなく見ようと歩き回って、全部見たつもりだったのに、あとで振り返ってみると、そういえば、あのブースに行こうと思ってたのに、結局どこにあるかわからずじまいだったなぁ…みたいなこともありました。もはや迷宮というかダンジョンというか…いやはや。
 そんな感じでしたが、奇跡的に列が途切れたスタバでコーヒーもゲットできましたし(プライド仕様のタンブラーは売り切れでした)、台湾麺線も食べたし、チェリオのブースでライフガード何本もらったかわからないし、あちこちでいろいろモノをもらって(リーバイスのキラキラのバッグだけは、もらいそこねました)、楽しみつつ、これはと思うところを写真に撮ったりしましたので、ピックアップしてご紹介します。

 







 













 

 
 TRPは同窓会的な場でもあって、今回も超がつくほどひさしぶりな方たちと会えました。
 初期の関西レインボーパレードで頑張ってた方と12年ぶりに会いました。以前とは比べ物にならないくらい大規模になったプライドを楽しんでらして、よかったです。
 今回のいちばんの思い出は、予備校から大学のサークルまで一緒だった友達に、ついに、25年ぶりくらいに会えて、感動の再会を果たしたことです。当時はお互いにセクシュアルマイノリティであるということは知らず、よく遊ぶ友達だったのですが、のちに、僕のことをネットで知った彼が、実はDSD=性分化疾患だったいうことをメールで知らせてくれて、ビックリしたのでした。
 そういう意味でもTRPに感謝!です。




☆TRP2019「プライドフェスティバル」(1)ブースのフォトアルバムはこちら

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