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特集:2018年上半期のオススメ映画

『君の名前で僕を呼んで』『トム・オブ・フィンランド』『BPM ビート・パー・ミニット』など、2018年上半期に公開されるクィア映画作品の情報をまとめてご紹介いたします。

特集:2018年上半期のオススメ映画

年も明けて2018年となりました。皆さん、あけましておめでとうございます。今年もg-lad xx(グラァド)をよろしくお願いいたします。
これから3月4日のアカデミー賞授賞式に向けて、世界的に映画の話題で盛り上がります。昨年は『ムーンライト』がアカデミー賞作品賞に輝きましたが(クィア映画として初の快挙)、今年は何と言っても『Call Me By Your Name(邦題:君の名前で僕を呼んで)』が注目を集めています。同作品はゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)、助演男優賞にノミネートされており、受賞が有力視されています。もし2年連続でアカデミー賞作品賞を獲ったらスゴいことですよね。胸が高鳴ります(なお、アカデミー賞ノミネート作品は1/23に発表されます)
そんな『君の名前で僕を呼んで』が4月に公開されるほか、ゲイ・エロティック・アート界で神的な存在となっているトム・オブ・フィンランドの半生を描いた映画『トム・オブ・フィンランド』や、先日レビューをお届けした『BPM ビート・パー・ミニット』の公開が2月、3月に決定しています。2018年上半期に上映されるクィア映画作品の特集をお届けします。
なお、今年もレインボーリール東京が7月(たぶん海の日の三連休)に開催されることがアナウンスされています。お楽しみに!



1月27日公開
ハーヴェイ・ミルク

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 1977年、ゲイであることを公にして全米初の公職(サンフランシスコ市市政執行委員)に選ばれたハーヴェイ・ミルクの活動と、翌年の暗殺事件、そして事件の裁判を記録した世界のドキュメンタリー映画史上に残る傑作で、1984年アカデミー賞最優秀長編記録映画賞を受賞しています。また、「民主主義の基本が描かれている」と1988年の日本初公開以降も、大学等でも多く取り上げられている名作です。昨年11月29日に参議院会館で上映会も開催され、盛況を博しましたが、このたび、新宿K’s cinema、大阪シネ・ヌーヴォ他にて上映されることが決まりました。
 上映記念トークイベントも開催されます。1月27日(土)はピーター・バラカンさん、1月28日(日)は豊島区議の石川大我さんと、入間市議の細田智也さん他が登場する予定です。

ハーヴェイ・ミルクThe Times of Harvey Milk
1983年/アメリカ/製作・監督:ロバート・エプスタイン、リチャード・シュミーセン




2月2日〜8日
ナショナル・シアター・ライブ2018『エンジェルス・イン・アメリカ』

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 トニー・クシュナー(『ミュンヘン』『リンカーン』の脚本家)による戯曲『エンジェルス・イン・アメリカ』は、1980年代のニューヨークを舞台に、ゲイであること、HIV陽性であることをめぐるリアルでシリアスな人間模様が描かれた超大作で、舞台はピュリッツァー賞やトニー賞を受賞し、TV版はエミー賞で作品賞をはじめ主要11部門を制覇、ゴールデングローブ賞でも全5部門を制覇という快挙を達成。トニー賞・ピュリッツァー賞・エミー賞という3つの賞を史上初めて1本の戯曲で制覇した作品ともなっています。ロンドンのナショナル・シアターが「20世紀の最も偉大な戯曲10本」の1つに選んでいますが、そのナショナル・シアターがアンドリュー・ガーフィールド(『アメイジング・スパイダーマン』『ハクソー・リッジ』)を主演に迎えた舞台を、衛生中継によって臨場感たっぷりに伝える「ナショナル・シアター・ライブ」として、『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部 至福千年紀が近づく』が、2月2日〜8日にTOHOシネマズ 日本橋ほか全国で上映されます(なお「エンジェルス・イン・アメリカ 第二部 ペレストロイカ」は3月16日より公開されます)

ナショナル・シアター・ライブ2018
『エンジェルス・イン・アメリカ』Angels in America Part 1 : Millennium Approaches
作:トニー・クシュナー/演出:マリアン・エリオット/出演:アンドリュー・ガーフィールド、ネイサン・レイン、デニース・ゴフ、スーザン・ブラウンほか/上映時間:3時間40分(休憩15分が2回)/料金:一般3000円、学生2500円(学生証の提示が必要になります) ※チケット発売についてはまだ情報が出ていません。わかり次第、更新します。




2月3日公開
アバウト・レイ 16歳の決断

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 トランスジェンダーの主人公をエル・ファニング(『マレフィセント』『ネオン・デーモン』)が演じ、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンらの豪華キャスト共演で家族との絆や葛藤を描いたヒューマンドラマです。主人公の祖母がレズビアンだったりもします。『リトル・ミス・サンシャイン』『サンシャイン・クリーニング』を手がけたビッグ・ビーチ・フィルムズが製作しています。

<あらすじ>
16歳のレイはある日、FtMトランスジェンダーであり、ホルモン治療を受けたいと願っていることを家族にカムアウトする。突然のことに動揺を隠しきれない母マギーは、不安を打ち消すかのように近所に住む青年と一夜を共にする。一方、すでにレズビアンであることをカムアウトし、パートナーと暮らしている祖母ドリーは、レイの決断を密かに応援していた。努力を重ね、少しずつ自分らしく生きていくレイを見て意を決したマギーは、ホルモン治療の同意書にサインをもらうため、レイの父親である元夫に会いに行く…。

アバウト・レイ 16歳の決断 3 Generations
2015年/アメリカ/監督:ゲイビー・デラル/出演:エル・ファニング、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンほか/2018年2月3日、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー



2月10日、13日、15日に上映
トム・オブ・フィンランド
 
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 ゲイ・エロティック・アートの巨匠、トム・オブ・フィンランド。レザージャケットに身を包んだマッチョな男たちのドローイングで世界的に有名になったトム・オブ・フィンランドの半生を描く作品です。第90回アカデミー賞外国語映画部門のフィンランド代表に選ばれています。
 この映画『トム・オブ・フィンランド』は、2月に渋谷・ユーロスペースで開催されるトーキョーノーザンライツフェスティバル2018でジャパンプレミア上映されることになりました。2/10(土)18:30(田亀源五郎さんが出演するトークショー付き)、2/13(火)16:30、2/15(木)21:10の3回、上映されます。チケットは1月5日から発売です。

<あらすじ>
画家志望の帰還兵トウコ・ラークソネンは第二次世界大戦後の保守的な社会の中で自身のイマジネーションを解放させることを願い、密かに絵を描き続けた。「国の恥」とまで呼ばれたトム・オブ・フィンランドは、いかにして世界中から名声を得る存在になっていったのか…。

トム・オブ・フィンランド Tom of Finland
2017年/フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・アメリカ合作/監督:ドメ・カルコスキ/トーキョーノーザンライツフェスティバル2018でジャパンプレミア上映



2月16日公開
リバーズ・エッジ

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 1993年から1994年まで『CUTiE』に連載されていた岡崎京子原作の漫画『リバーズ・エッジ』がついに実写映画化されます。ゲイやレズビアン、BL漫画を描いている女子などが登場し、リアルなセックス描写を含む愛や暴力、都市に生きる若者たちの欲望、不安、焦燥感を果敢に描き、熱狂的なファンを獲得し、後世にも多大な影響を与えた作品です。映画では、ゲイであることから高校になじめないでいる山田一郎を吉沢亮さんが演じ、ハルナ役の二階堂ふみさんとともに、メインの扱いとなっています。

<あらすじ>
女子高生の若草ハルナは、元恋人の観音崎にいじめられているゲイの同級生・山田一郎を助けたことをきっかけに、一郎からある秘密を打ち明けられる。それは河原に放置された人間の死体の存在だった。ハルナの後輩で、摂食障害を患っているモデルの吉川こずえも、この死体を愛していた…。

リバーズ・エッジ
2018年/日本/監督:行定勲/出演:二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨ほか/2月16日より全国でロードショー公開



2月公開予定
ナチュラルウーマン

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 『グロリアの青春』のセバスティアン・レリオ監督が、自分らしさを守るため、差別や偏見に闘いを挑んだトランスジェンダーの女性を描いた作品。主人公のマリーナ役を自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ベガが演じる。2017年ベルリン国際映画祭で脚本賞、エキュメニカル審査員賞、テディ賞を受賞、第90回アカデミー賞でも外国語映画賞チリ代表に選ばれています。米『ハリウッド・レポーター』誌が選ぶ2017年のLGBT映画ベスト10で第2位に輝いています。

<あらすじ>
ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オランドは自身の誕生日の夜、自宅のベッドで意識が薄れたまま亡くなってしまう。最愛のオルランドの死により思いがけないトラブルに巻き込まれ、容赦ない差別や偏見を受けるマリーナは、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する…。

ナチュラルウーマン Una Mujer Fantastica
2017年/チリ・ドイツ・スペイン・アメリカ合作/監督:セバスティアン・レリオ/出演:ダニエラ・ベガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコほか/2月、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー



3月24日公開
BPM ビート・パー・ミニット

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 自身もACT UP Parisのメンバーだったロバン・カンピヨが監督・脚本を手がけ、若者たちの恋と葛藤、人生の輝きを生き生きと描き、第70回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した青春ドラマです。こちらのレビューもぜひお読みください。

<あらすじ>
1990年代初頭のパリ。エイズの治療はまだ発展途上で誤った知識や偏見が横行する中、ACT UP Parisのメンバーたちはエイズ患者やHIV感染者への差別に対してさまざまな抗議活動を行っていた。行動派のメンバーであるショーンは、HIV陰性でありながら活動に参加しはじめたナタンと恋に落ちる。しかしショーンのエイズの症状は次第に顕在化していき、ACT UP執行部に対して批判的な態度を取るように。そんな彼を献身的に介護するナタンだったが…。 

BPM ビート・パー・ミニット 120 battements par minute
2017年/フランス/監督:ロバン・カンピヨ/出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アーノード・バロワ、アデル・エネルほか/ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかで公開



4月公開
君の名前で僕を呼んで

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 米作家アンドレ・アシマンが2007年に発表した同名小説を、「日の名残り」「眺めのいい部屋」の巨匠ジェームズ・アイボリー(オープンリー・ゲイの方です)が脚色。「ミラノ、愛に生きる」「胸騒ぎのシチリア」で知られるイタリア出身のルカ・グァダニーノ監督(オープンリー・ゲイの方です)がメガホンを取り、初恋の輝きや切なさをすくいあげています。
 米『ハリウッド・レポーター』誌が選ぶ2017年のLGBT映画ベスト10で堂々1位に輝くなど、海外ですでに高い評価を受けており、主演のティモシー・シャラメは米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞のブレイクスルー演技賞、ニューヨーク映画批評家協会やロサンゼルス映画批評家協会賞などで主演男優賞を次々と受賞し、第75回ゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)、助演男優賞にノミネートされ、第90回アカデミー賞でも受賞が有力視されている作品です。

<あらすじ>
1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳の少年エリオは、大学教授の父親が招いた24歳の男子大学院生オリヴァーと出会う。一緒の時間を過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの思いは、初めて知る恋へと変わっていく…。

君の名前で僕を呼んで Call Me By Your Name
2017年/イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作/監督:ルカ・グァダニーノ/出演:アーミー・ハマー、ティモシー・シャラメ、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール、エステール・ガレルほか/2018年4月から東京・TOHOシネマズシャンテほか全国で公開


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