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レディ・ガガ、MTVアワード史上最高の13部門ノミネート

レディ・ガガがまたまた快挙を成し遂げました。MTVアワード史上最高の13部門にノミネートされたのです。その他にも「世界のベストドレッサー」に選ばれたり、数々のファッション誌に登場したり(中には男装も!)、ますます華々しい活躍ぶりを見せています。そんなガガの最近のトピックを特集したいと思います。

レディ・ガガ、MTVアワード史上最高の13部門ノミネート
素晴らしくゲイテイストなパフォーマンスで僕らを魅了し、自身もバイセクシュアルであることをカミングアウトし、昨年の全米プライドマーチにも参加し、まちがいなく今最もゲイを勇気づけてくれる(あるいは史上最高の)ゲイ・イコンと言えるレディ・ガガ。最近、世界一のユーザー数を誇る米SNSFacebook」でフレンド数が1,000万人の大台を越え、オバマ大統領を抜いて世界一となったほか(ちなみにTwitterのフォロワーは約481万人)、『フォーブス』誌の長者番付では「30歳以下の最も稼いだスター」ランキングでビヨンセ、ブリトニーに次いで3位に、全体でも7位にランクインしたりと、ゴージャスなニュースが相次いでいます。ここで、ゲイ的に素敵!と思える最近のトピックをいろいろご紹介していきたいと思います。(後藤純一)

 

MTVアワード史上最高の13部門ノミネート


昨年のMTVアワードでの「七変化」。
今回はどんな衣装を見せてくれるのか、
楽しみですね!
 83日、MTVビデオ・ミュージック・アワード2010のノミネートが発表され、断トツでレディ・ガガが最多となりました。2009年の9部門を大幅に上回っただけでなく、1984年にスタートした同アワードの史上新記録となる13部門でノミネートされました。全16部門の中で13部門っていうのもスゴいことですが(ガガが入っていないのは「男性アーティストビデオ」「ヒップホップ部門」「新人賞」くらいです)、特に最も重要な賞である「ビデオ・オブ・ザ・イヤー(最優秀ビデオ賞)」で5曲中2曲(『Bad Romance』と『Telephone』)を占めたことは驚異的です(アカデミー賞にしてもグラミー賞にしても、5作品中2作品が同じアーティストなんて見たことありませんよね?)
 この1年がいかにガガ・イヤーだったかを象徴するような快挙だと思います。

 昨年のMTVアワードでは真っ赤なレースが顔を覆う衣装でステージに上がり、「この賞を神とゲイに捧げるわ」と言ったガガ。今年はいったいどんなスピーチをしてくれるのか、今からワクワクしますが、まずはこの13部門ノミネートに関してのインタビュー・コメントが出ていましたので、ご紹介します。
「とても光栄よ。13というアンラッキーな数字はもっと光栄」「神が私をこの世につかわした理由は3つあります。1:うるさい音楽を作ること。2:ゲイのビデオを作ること。3:いまいましい騒動を巻き起こすこと」
 キリスト教社会では最も忌み嫌われる13という数字を逆手に取り、自虐ネタをまじえつつ(自分をオトしつつ)、これからも『Bad Romance』や『Telephone』や『Alejandro』のようなゲイテイストなPVを作るわよ!と宣言してくれました。さすがはガガ様。素晴らしいコメントです。

 授賞式は912日だそうです。楽しみにしましょう!

☆ノミネートの全容はこちら


「世界のベストドレッサー」に選ばれました

 8月3日発売のファッション誌『VANITY FAIR』9月号で発表された「世界のベストドレッサー45」。その中に、ミシェル・オバマ大統領夫人やカーラ・ブルーニ仏大統領夫人らとともにレディ・ガガも選ばれています。

 ランク入りは当然と言えば当然ですが、この「世界のベストドレッサー」は、大統領夫人や王族の名前がたくさん並ぶ、あからさまにコンサバな(保守的なおばさまたちへの「媚び」が透けて見える)セレクトです。どちらかというと破壊的なテイストであるガガは、その並びの中でどうにも座りが悪く、浮いている印象がぬぐえません。「ここにレディ・ガガを入れないわけにはいかない」的なある種の配慮が働いたのでは…という気もします。

 その答えはこの『VANITY FAIR』9月号自体にありました。表紙を飾っているのが何を隠そう、ガガ様だったのです。(ピースって…ファッション誌としてはありえないと思いますが、ガガ様だからこそ、なのでしょう)

 表紙の撮影を手がけたのはアレキサンダー・マックイーンの盟友であったニック・ナイト。今年、ファッションショーや撮影に使われた小道具を販売するショップ「SHOWstudio Shop」をロンドンにオープンしましたが、そのイベントにレディ・ガガがサプライズゲストとして登場したほど、ガガとも仲がいいようです。

 「SHOWstudio」でのニック・ナイトによるフォトセッションの様子がYoutubeにアップされていたので、ご紹介します。常に躍動的に動いてみせるガガ様、素敵です。ダイヤモンドのチョーカーをつけただけのヌード姿なども披露しています。


 同誌のインタビューでガガは、「セックスをするとアソコから創造性が吸い取られてしまう」とか、「昔クスリをやっててひどい目に遭った。みんなは絶対マネしないで」など、セックスやドラッグ、名声についてオープンに語り、センセーショナルに取り上げられています。 

 また、『VANITY FAIR』だけでなく、『VOGUE NIPPON』9月号の特集「秋のモードはアメリカン・ビューティ」でも、レディ・ガガのインタビューが掲載され、NYのモードな邸宅が紹介されているそうです。

 

ガガ、ついに男装!

 『VANITY FAIR』『VOGUE NIPPON』に続き、910日発売の『VOGUE HOMMES JAPAN』では、ガガの男装姿の写真が掲載されるそうで、こちらも注目を集めそうです。

 レディ・ガガのスタイリストであるニコラ・フォーミシェッティTwitter上で発表したJo Calderone(ジョー・カルデロン)という男性モデルのポートレイト。これが実はガガということがわかり、話題になっています。

 昨年、ガガは実はインターセックスだ(男だ)という根も葉もない噂がネット上で流れましたが、それを逆手に取って『Telephone』のPVでパロディにして笑いとばしたり(ガガとキスする女性が股間をさぐるシーン)、本人は余裕たっぷりでした。そして今度は、ドラァグ・キング(ドラァグクイーンの逆バージョン。女性の男装)として登場し、男イメージを遊んでいるというわけです。

 この『VOGUE HOMMES JAPAN』のフォト・セッション、やはりフォトグラファーはニック・ナイトだったのですが、もう1つ話題になっていたことがありました。それは、撮影に使われた小道具でした。


ガガの右に置かれた「作品」が
『アーミテージ・シャンクス』です

 ガガが撮影会場に持ち込んだ「作品」が、男性用小便器にガガの自筆のコメントが書かれただけのものだったのです。『アーミテージ・シャンクス』というタイトルのこの作品は、明らかにマルセル・デュシャンの『泉』※へのオマージュです。実際、『アーミテージ・シャンクス』には、デュシャンの名前を引用したメッセージが記されているんだそうです。

※デュシャンの『泉』:1910年代、ニューヨーク・アンデパンダン展に、何の変哲もない男子用小便器にリチャード・マットという署名をしただけの「作品」が出品されました。後に「レディメイド」と呼ばれることになるこの芸術批評的なスタイルは、現代美術に革命的な影響力を与えました。

 

ガガの衣装トップ10

 米ケーブルTV局VH1が、レディ・ガガの「クレイジーな衣装トップ10」を発表しました。

 第1位に輝いたのは、火花が噴き出すとんがりブラ(『Bad RomancePVのラストシーンのイメージ)。毎回人々の度肝を抜くガガのファッションをランキングするには、10位まででは到底足りないという声もありますが、トップ10は以下の通りでした。 

1.火花が噴き出すとんがりブラ/20096月・マッチミュージック・ビデオ・アワード 

2.顔面を覆った赤の総レースワンピース/20099月・MTVビデオ・ミュージック・アワー 

3カエルのカーミットジャケット/20097月・ドイツのTV番組インタビュー 

4.ティアード(ケーキ)ドレス/20102月・ブリット・アワード 

5.リビングドレス/20102月・「モンスター・ボール」ツアー 

6.赤いラテックスのエリザベス朝風ドレス/200912月・エリザベス女王謁見 

7.コウモリ型の黒い衣装/200912月・英TV番組「X Factor 

8.(顔面やボディに真珠を施した)パールフェイス/20102月・米国エイズ研究財団パーティ 

9.バブルドレス/「ローリング・ストーン」誌表紙ほか 

10.ロブスターのヘッドアクセサリー/20103月・ロンドンのレストランで食事

 そんなガガの「奇抜な」衣装の数々が、単に奇をてらっているのではなく、ファッションへの深い造詣に基づくものであり、ファッション界や権威ある筋からも認められていることは、多くのファッション誌が証明している通りです。

 でも、そうやって認められつつも、どこか「変(クィア)」だからこそイイ。そう思う方は多いハズです。既成の「男らしさ/女らしさ」にとらわれないところがガガの魅力なのです。

 

「パパラッチ少年」を舞台裏に招待

 昨年11月、ウェスト・ハリウッド(LA郊外のゲイタウン)のCDショップで『The Fame Monster』リリース記念サイン会に徹夜で行列を作ったファンに感謝し、1000ドル(約8.9万円)を払って80枚のピザをプレゼントしたというガガ(詳しくはこちら

 同じ頃、米人気番組「エレン・デジェネレス・ショー」に出演し、「私は高校になじめなくて、変人のように感じていたわ。だから、ファンが私の中に一緒に遊べる変人を見出して、孤独を感じることのないような雰囲気を創りたいの」と語っていました。(詳しくはこちら

 ガガのこうした行動には、自分を支持してくれるファンを大事にするというだけでなく、白い目で見られたり、後ろ指をさされたり、いじめられたりしがちな「変人(クィア)」たちへのエールの気持ちが込められていると思います。売れるために「男らしさ」「女らしさ」を強調した無難なコースに乗っかろうとするアーティストがほとんどであるのに対し、ガガは自らの「変さ(クィアネス)」をむしろ全開にすることで、僕らを勇気づけてくれてもいるのです。

 そんなガガは最近、YouTubeでガガのヒット曲『Paparazzi』の弾き語りを投稿して一躍人気者となった12歳のグレイソン・マイケル・チャンスくんをニューヨークのライブ会場の舞台裏に招待したそうです。

 グレイソンくんは学校の行事で披露した『Paparazzi』の弾き語りをYouTubeに投稿し、小学生とは思えない歌唱力と表現力、美しいルックスで一気に注目を集め、3000万ヒットを記録しました。ガガも「曲をカバーしてくれてうれしいわ。あなたはとても才能がある」と絶賛しているそうです。グレイソンくんは舞台裏で会ったガガの印象について「彼女はとても優しくて、アドバイスもくれたんだ」と興奮気味で語ったそうです。

 グレイソンくんはおそらく、ジャスティン・ビーバーのような男子アイドル(ポップスター)というよりもむしろ、ドラマ『Glee』に描かれているように、学校ではいじめられるようなキャラだと思われます(彼がゲイかどうかはともかく)。だからこそ、ガガは彼を舞台裏に招待するという特別な歓迎をしたのだし、エレン・デジェネレス(オープンリー・レズビアン)も彼のCDデビューをサポートしたのでしょう。

 か弱そうなグレイソンくんが今後、恐ろしいショービズの世界でやっていけるかどうかとても心配ですが、ガガやエレンの応援のもと、才能を開花させていってくれることを期待します。