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映画『バーレスク』〜ゲイのために作られたとしか思えない素敵ミュージカル

あのシェールとアギレラが競演した映画『バーレスク』が公開されました。ゲイのために作られたとしか思えない、素敵なバックステージもののミュージカルは、この冬最大の話題作です。

映画『バーレスク』〜ゲイのために作られたとしか思えない素敵ミュージカル

『キャバレー』『シカゴ』『ドリームガールズ』『ショーガール』『ヘアスプレー』『マンマミーア!』『NINE』『RENT』…これまでにたくさんのミュージカル映画がゲイのハートをわしづかみにしてきました。そしてこの「ゲイが愛するミュージカル映画」リストに新たに加わることになったのが、『バーレスク』です。

<ストーリー>
 アイオワの田舎町から歌手になる夢を追いかけて大都会ロサンゼルスにやってきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)は、テス(シェール)が経営するバーレスク・クラブ(ストリップではないが、女性のセクシーなショーでお客を楽しませる店)で働きはじめる。初めはテスに気に入られず、同僚のいやがらせもあり、なかなかステージに上がらせてもらえなかったアリ。しかし、持ち前の人柄のよさとバーテンのジャックの協力もあり、次第にその才能を開花させ、テスにも認められる。やがて、抜群の歌唱力が話題になり、クラブは活況を呈する。だが、クラブは多額の借金を抱え、経営の危機に瀕していた——

 『バーレスク』は『ドリームガールズ』や『ショーガール』の系譜に属する、華やかなステージと、ドロドロしたバックステージの両方が描かれたミュージカル(つまり、ゲイ的「鉄板」です)。歌とダンスの実力では世界の頂点に位置するアギレラが主演ですから、ステージの素晴らしさは言うまでもありません(本当にスゴイです)。そして、あのシェールの存在感ときたら…『ガラスの仮面』の月影先生を彷彿とさせるものがあります。キレイすぎるアギレラに対してシェールを持ってきた監督のセンスの絶妙さに拍手!です。
 舞台裏で繰り広げられる女のドロドロした戦いと、そこから芽生える女の友情…『バーレスク』はそんなバックステージもののお約束を踏まえたうえで、さらにもう一歩踏み込んで、なんと『SEX AND THE CITY』同様、ゲイのサブキャラクターを登場させ、ベッドシーンまで描いてしまいました。正直、結末(終わらせ方)に物足りなさを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、それを補って余りあると思います。

 そして、特筆すべきは、男性キャストの選び方。アラン・カミングのようなリアルなバイセクシュアル男優もそうですし、『プラダを着た悪魔』でナイジェル(アン・ハサウェイに絶妙なアドバイスをくれるゲイのチーフ)役を演じていたスタンリー・トゥッチもそうですし、『バレンタインデー』でカミングアウトするアメフト選手役を演じていたエリック・デインもそうですが、なんだか妙に男っぽい…ゲイ受けする男優が揃っているのです。これは間違いなく、ゲイである監督の好みでしょう(笑)

 今月6日にはアギレラらとともにスティーブ・アンティン監督がプロモーションのために来日し、記者会見を行いました。(詳しくはこちら
 映画『グーニーズ』『告発の行方』などに出演し、俳優として活躍していたスティーブ・アンティンは、『グロリア』(1999)で脚本家として、『GLASS HOUSE: THE GOOD MOTHER』(2006)で監督としてデビューを果たしました。今回の『バーレスク』が監督2作目となるのですが、2作目にしてこの豪華キャストを実現したということはちょっとスゴいと思います。今後、『シカゴ』のロブ・マーシャル監督のような存在になっていくのでは?と期待します。(ちなみにスティーブ・アンティンは以前、ドリームワークス社長のデビッド・ゲフィンとつきあっていたそう。セレブなゲイ・カップルですね!)
 監督へのインタビュー記事では、シェールとの出演交渉に難航したものの最終的に「やりましょう!」と言ってもらえて大喜びしたこと、シェールの家に直接話しに行った際は「キャー! シェールの家にいるんだ!!」と思わずテンションが上がったこと、などのエピソードが紹介されています。(詳しくはこちら

 12月14日にはゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、『バーレスク』が作品賞、主題歌賞の2部門にノミネートされました。またブロードキャス映画批評家協会賞、サテライト賞などでも主題歌賞にノミネートされています。(詳しくはこちら

 そして、日本でも、おすぎさん、ピーコさん、マツコ・デラックスさん(詳しくはこちら)、ナジャさん(詳しくはこちら)といった錚々たるゲイの有名人の方々がこぞって絶賛し、世間でも話題になっています。
 
 映画を観た方はきっとサントラがほしくなるでしょうし、ナイトとかで「『バーレスク』ショーやりたい!」と思う方も多いハズ。
 
 ゲイ的「殿堂入り」間違いなしな、この冬最大の話題作をぜひ、年末やお正月にご覧ください!(後藤純一)


バーレスク
2010年/アメリカ/配給:SPE/監督:スティーブン・アンティン/出演:クリスティーナ・アギレラ、シェール、エリック・デイン、スタンリー・トゥッチほか/新宿バルト9ほか全国にて公開中