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レポート:プレリュード2011

7月18日(祝)、なかのZERO大ホールで「プレリュード2011」が開催されました。たくさんの人たちがゲイらしく楽しいひとときを過ごすとともに、被災地への祈りがこめられた、素晴らしい演奏会でした。

レポート:プレリュード2011

3連休の最終日となる7月18日(祝)、なかのZERO大ホールで「プレリュード2011」が開催されました。たくさんの人たちがゲイらしく楽しいひとときを過ごすとともに、被災地への祈りがこめられた、素晴らしい演奏会でした。その模様をお伝えいたします。(後藤純一)

 
 JR中野駅の改札を抜けると、そこはまるでゲイパレードのようでした。イカニモな方たちが続々となかのZERO大ホールへ向かって行進していたからです。(今回、過去最高の人出を記録したそうです)

 会場に着くと、後藤は撮影班ということで2階席に行きました(本当はステージの近くで観たかったのですが…残念です)が、ロビーでは友達どうし挨拶を交わす光景があちこちで繰り広げられていました。

 14時過ぎ、演奏がスタートしました。前半は合唱の演奏です。
 トップバッターの東京カマさんコーラス『コーロ・エレガンテ』は、懐かしのアニメヒット曲メドレーということで、タイガーマスクや鮎原こずえ、メーテルなど、さまざまなアニメキャラクターのコスプレをした人たちがいて、ちょっとしたパフォーマンスを繰り広げました。その歌とは全く関係なく、「徹子の部屋」に出演したときのレディ・ガガに扮した人もいて(とんでもなく高いヒールが台に固定されていて、舞台上で履く…というか乗るかたちになっていました)、見た目でも本当に楽しませてくれました。

 続いて、ゲイシーンきっての人気者であるブルボンヌさん&エスムラルダさんが司会として登場し(コミュニティのために一肌脱いでくださったお二人に拍手)、地震が起きたときの対処法などについてお知らせしつつ(「今日はカラスが騒いでいたので何かあるかもしれません」とエスムラルダさん。笑)、軽妙なトークで場内を和ませてくれました。
 
 新宿男声合唱団のみなさんは、ルネサンス期の声楽曲と、男声合唱のピアノのための「枕草子の五つの段」披露してくれました。「枕草子—」のほうは、ピアノを弾いていた方が作曲した曲だそうで、スゴイ!と思いました。とても格調高い演奏でした。(それでいて、代表の方のトークはゲイテイストで面白かったです)

 Sing out! Tokyoは、マーラーの声楽曲と、「僕が守る」というやはりオリジナルの歌を披露してくれました。マーラーは没後100周年記念ということで、「僕が守る」のほうは震災にも重ね合わせられる歌詞なので、そういう気持ちをこめて歌ってくれたそうです。ちなみに、Sing out! Tokyoのウリは「ルックス」だそうです。

 休憩時間をはさみ、吹奏楽の演奏がスタートしました。
 トップバッターは神奈川県の方たちを中心とした楽団「音響侍」のみなさん。昨年はブラバン経験者なら誰もがやったことのある懐かしの定番曲を演奏してくれましたが、今年はKARAの「ミスター」を披露。5人の団員さんが前に出てきて、「ミスター」の振りを踊ったり、カラーガード(大きな旗や銃を回すパフォーマンス)で楽しませてくれました。遠目でしたが、若い方が多かったように思いました。

 ここで司会のブルボンヌさん&エスムラルダさんが「音響侍」の代表の方にお話を聞こうとしますが、全員袖から退場してしまうというハプニングがあり、ブルボンヌさんが「どなたか勇気のある侍はおりませぬか」と叫んでいました(その機転が素晴らしい。ゲラゲラ笑ってしまいました)
 それから、名古屋の吹奏楽団WINGさんから祝電(ミッフィー電報)が届くといううれしいサプライズもありました。
 
 続いて、実力派の吹奏楽団、SSK48がホルストの『吹奏楽のための第一組曲』を披露。個人的に高校時代、ブラバンで演奏した曲でしたので、とても懐かしい気持ちになったと同時に、見事な美しい演奏だったと感服しました。ちなみにSSK48とは、ふだん中野で活動している団名の頭文字をとったものだそうですが、ブルボンヌさんが「今日のメンバーは総選挙で選ばれたんですか?」とか絶妙なツッコミを入れてくれて、笑わせていただきました。

 そして、素晴らしく二丁目的なネーミングのBASUE吹奏楽部が、浴衣や甚平という夏らしいスタイルで登場し、「いいじゃないの、幸せだから」というテーマで昭和歌謡メドレーを披露しました。それぞれのパートの方がソロ演奏でスポットを当てられていたのが素敵でしたが、中でも代表の方(とてもユニークなキャラクターの方でした)がトライアングルをチーンと鳴らし、「人生いろいろ」と叫んでいたのが面白かったです。また、「どんだけ〜」を大流行させたことで有名なバー「Pt(プラチナ)」のヤス子ママも参加していました。

 トリを飾った弦楽合奏団「アンサンブル・ディベルティメント」は、被災地への祈りをこめて、バッハの管弦楽組曲第3番『エア』『ガボット』を披露してくれました。繊細なpp(ピアニシモ)が印象的な、とても美しい演奏でした。ディベルティメントにはLGBTのオールジャンルの方が在籍しているそうです。

 そしてフィナーレは、恒例の合同演奏です。合唱と楽団、総勢100名近いみなさんが(今回、一般公募で8名の方が合唱に参加していたそうです。遠くは関西からも参加していたとのこと)ステージに上がり、みなさんがきっと中学や高校で歌ってきたであろう「あの歌」を、思いをこめて歌いあげました。僕らはみんな、この地球の上で生きている(生かされている)、その大自然に感謝を捧げるような歌でした。震災があった年だからこその「祈り」が伝わってくる演奏で、大きな感動を喚び起こし、終わってからもずっと、拍手が鳴り止みませんでした。

 こうして「プレリュード2011」は幕を閉じました。
 胸を打たれるような数々の名演奏がありました。思わず笑顔になるような楽しい演出がたくさんありました。被災地への祈りを捧げつつ、僕らを元気にしてくれるような、本当に素晴らしい演奏会でした。
 この日のためにたくさん汗をかきながら練習に励んできた演奏者のみなさんや(演奏にその練習のあとがにじみ出ていました)、東京プライドのスタッフの方たちに、心からの拍手を贈りたいと思いました。本当にありがとうございました。

 来年は7月7日、同じなかのZERO大ホールで開催されることが決まっているそうです。楽しみです。