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秋の映画祭特集(1):関西クィア映画祭2011

芸術の秋にふさわしく、この9月~10月は、東京、関西、香川でセクシュアルマイノリティの映画祭が開催されます。そこで、上映作品を中心に、これらの映画祭をご紹介。第1弾は今週末から開催される関西クィア映画祭です。

秋の映画祭特集(1):関西クィア映画祭2011

(写真は『ママのお見合い大作戦!』より)

 今年は震災の影響などもあり、5月開催予定だった第3回アジアンクィア映画祭が7月に、例年7月に行われている第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が10月に延期されました。一方、地方では、7月に第5回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルが開催されたほか、この9月には関西クィア映画祭2011[大阪]が、10月には関西クィア映画祭2011[京都]や第7回香川レインボー映画祭が開催されます(また、映画祭ではありませんが、現在、レインボーマーチに関連して札幌で『ピュ〜ぴる』が上映されています)。こうして全国的にさまざまなクィア映画が上映されるのはとても意義あることと言えるのではないでしょうか。
 この9月〜10月は、芸術の秋にふさわしく、ぜひ、お友達や彼氏さんといっしょにゲイ映画を楽しみましょう。きっと豊かで実りある時間を過ごせることと思います。というわけで、秋の映画祭特集をお届けします。第1弾は関西クィア映画祭です。

関西クィア映画祭とは

 関西の映画祭は東京に負けないくらいの歴史があります。1996年、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が関西にやってくる!という形で、初の映画祭(代表:宮田ひろしさん)が大阪&京都で開催されました。以後、5年間「QFF」の名前でコミュニティに親しまれていましたが、2001年、残念ながら中止となりました。しばらくの休止期間を経て、2005年7月に第1回関西クィア映画祭(代表:木村真紀さん)が開催されました。堂山への玄関口である梅田駅前の「HEP HALL」(観覧車のあるファッションビルの8階)というたいへんキャッチーな会場で開催されたことで話題となり、オープニングを姉様キングスが飾り、『バディ』がブースを出すなど、華やかに開催されました。翌年には日程も5日間に拡大し、1600人以上の方が来場しました。

 梅田経済新聞でも紹介されたように、今年の関西クィア映画祭は「扉を開けよう」をキャッチフレーズに、日本初上映16作品を含む25プログラムが上映されます。以下に紹介する作品は(『百合子、ダスヴィダーニヤ』をのぞく)、ほとんどすべて日本プレミアで、今後も他の場所で上映されるかどうかわからない…つまり、この関西クィア映画祭でしか観ることができない可能性の高い作品ばかりです。また、今年初めての試みとして、今までクィア映画作品を見たことがないという人たちのために、「クィア映画初体験」という無料上映プログラムが企画されているのも、おもしろいところです。
 
関西クィア映画祭
日程:【大阪】9月17日(土)~19日(祝)【京都】10月21日(金)〜10月23日(日) 
会場:【大阪】HEP HALL(大阪市北区角田町 HEP FIVE8階)【京都】京大西部講堂
チケット:1回券前売1,200円/当日1,600円、3回券・1日パス4,000円、関西フリーパス1,2000円
主催:関西クィア映画祭 実行委員会
共催:HEP FIVE(大阪)
協力:西部講堂連絡協議会(京都)
助成:Goethe-Institut Villa Kamogawa(ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川)
後援:カナダ大使館、アルゼンチン大使館


オススメ上映作品

ママのお見合い大作戦!
[大阪]9月18日(日)14:00
「いつ彼女を連れてくるの?」一人息子の結婚相手を必死に探す母親は、息子のために数々のお見合いをセッティング。しかし、息子には母親に言えない秘密があった…。
母親と息子が繰り広げるハートウォーミングコメディ。お母さんたちがゲイクラブに潜入するシーンは大ウケすること間違いナシ!

『ママのお見合い大作戦!』You should meet my son!
2010/アメリカ/監督:Keith Hartman/日本プレミア


ヤッた相手が多すぎて。
[大阪]9月19日(祝)11:30 [京都]10月23日(日)19:00
セックスライフを楽しんでいたアンジェラは、ある日、自分が妊娠してしまったことに気づく。ところが寝た相手が多過ぎて父親が誰だかわからない。アンジェラはゲイのルームメイト、ガブリエルといっしょに父親探しを始めるが…。
主人公こそゲイではないものの、予告編を見る限り、とてもゲイテイストなコメディ作品のようです。アンジェラがヤッた男たちが妙にゲイ受けしそうな男ばかり…と思ったら、この映画の監督さん、やはりゲイの方でした。

『ヤッた相手が多すぎて。』The People I’ve Slept With
2009/アメリカ/監督:Quentin Lee/日本プレミア


サーシャ
[大阪]9月18日(日)19:30
[京都]10月22日(土)16:10

自身のセクシュアリティを隠す必要がないほどゲイフレンドリーな街、ケルン(ドイツ)。しかし、この街に暮らすゲイのサーシャは、移民の家庭に生まれ、家庭の中で使われる言語さえも一つではないような、全く別の文化を生きている。大人の恋、友情、そして家族の愛の物語。

『サーシャ』SAŠA
2010/ドイツ/監督:Dennis Todorović/日本プレミア


感染の恐怖をこえて
[大阪]9月18日(日)11:30
HIV/AIDSの流行がアメリカのゲイコミュニティに与えた衝撃は計り知れなかった。1980年代から現在までのHIV/AIDSを取り巻く状況をインタビューとメディア資料を通して伝える注目の作品。同じテーマを扱いながら、より痛切に情況をえぐり出した短編『b. 1983』を同時上映。
※上映後に、繁内幸治さん(BASE神戸代表)によるトークを予定

『感染の恐怖をこえて』Sex in an Epidemic
2010/アメリカ/監督:Jean Carlomusto/日本プレミア


踊るメンズ特集
[京都]10月23日(日)11:30

完成度の高い中編ゲイ映画3作品をまとめたプログラム「踊るメンズ特集」。『ゴーゴー・スターになりたい!』ではゲイナイトのGOGO BOY的なダンスが、『スパイス・ラブ』ではインドらしいボリウッド・ダンスが披露されますが、『有料公衆トイレ』ではいったいどんなダンスが繰り広げられるのか…それは観てのお楽しみです。
『有料公衆トイレ』
西インド諸島出身のテオが得た新しい仕事は、大型ショッピングモールでトイレのアテンダントだった…
『ゴーゴー・スターになりたい!』
見た目イマイチなダニエルは、『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールスに憧れ、ゲイナイトのGOGO BOYの門を叩くが、にべもなく断られ…
『スパイス・ラブ』
ロンドンに住むインド系の青年がインドへと旅をする。そこでイケメンと素敵な恋に落ち、人生が一変する…




百合子、ダスヴィダーニヤ
[大阪]9月17日(土)13:10
[京都]10月22日(土)オールナイト5作品目

チェーホフなどロシア文学の名翻訳家として知られる湯浅芳子と、後に戦後民主主義文学の旗手となった宮本百合子との若き日の濃密な青春を描く。異性愛/同性愛といった枠組みを越えた二人の関係は、どんな恋よりも情熱的で、どんな愛よりも深い信頼で結ばれたものだった。類まれな才能を持った二人の女性が魂をスパークさせるようにめぐり会い、7年間の生活を共にした、その初期の日々を描いた最上級の「恋愛映画」。主演を務めるのは『粉雪のシュプール』などで知られる歌姫、一十三十一。
※大阪では、上映後に浜野佐知監督のトークを予定

百合子、ダスヴィダーニヤ』Yoshiko & Yuriko
2011/日本/監督:浜野佐知/関西プレミア