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秋の映画祭特集(3):第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

芸術の秋にふさわしく、この9月~10月は、東京、関西、香川でセクシュアルマイノリティの映画祭が開催されます。そこで、上映作品を中心に、これらの映画祭をご紹介。第3弾は第20回記念となる東京国際レズビアン&ゲイ映画祭です。

秋の映画祭特集(3):第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

(写真は『ボクらのはっちゃけウィークエンド—Eating Outシリーズ』より)

 1992年より毎年、劇場公開される機会の少ないセクシュアリティやジェンダーをテーマにした映画を上映してきた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。回を重ねるごとに観客動員数においてアジア最大規模を誇るまでに成長し、現在ではセクシュアルマイノリティの「お祭り」であると同時に、ストレートの方たちがセクシュアルマイノリティの豊かな文化に触れることのできる「カルチャーイベント」としても定着してきました。上映作品のクオリティも向上し、海外の映画祭で話題を呼んだ作品をいち早く紹介してきました。

 今年は、東日本大震災の影響を受け、夏の電力事情などを考慮し、開催時期が例年の7月から10月へと変更されました。が、第20回目となる記念すべき年にあたり、さまざまな催しが企画されています。

 ゲイだらけな会場で、ゲイ映画ならではのシーンを楽しんだり(笑ったり、興奮したり)、上映後に拍手が起こったりするところも、この映画祭ならではです。10月の3連休は、自由で開放的な雰囲気の中で、お友達や彼氏といっしょにゲイ映画を楽しんでみませんか?(後藤純一)

第20回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
期間:10月7日(金)〜10月10日(月祝)全4日間
会場:スパイラルホール
主催:東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会(TEL:070-6475-0388、FAX:020-4666-6983)

 

第20回を記念して


パンフレットが素敵!
 パンフレットを入手された方はお気づきだと思いますが、表紙がこれまでの映画祭のパンフレットの表紙をすべて並べたメモリアルなものになっています(第1回目などは、探すのが大変だったようです)。以前の表紙を見て、ああ、こんな年もあったなあ…と懐かしく思う方も多いのでは?と思います。
 そして、中味もまたスゴいのです。
 毎年恒例となっている著名人たちからのメッセージコーナーでは、美輪明宏さん、辛酸なめ子さん、ソニンさん、SILVAさんといったが素敵な方たちのコメントが紹介されています。美輪さんは不朽の名曲『愛する権利』の歌詞を寄せてくださいました。これ以上の贈り物はないですよね。その他、セクシュアルマイノリティ議員の上川あやさん、石坂わたるさん、石川大我さん、各映画祭の代表の方からもメッセージが届いています。(公式サイトでも見ることができます)
 ソフトバンク、グーグル、アルファロメオなど、一般企業からの広告が過去最高に多いことも、今年のプレミアムなところ。時代は変わったなあ…と感じさせられます。



会場も華やかに
 ホワイエ(ロビー)では、オープニングの前にアルファロメオの提供によるレセプションパーティが開催され、ビッグなゲストが登場する予定だそうです。また、各社のブースも華やかになりそうです。
 まだ詳細は未定ですが、キースへリング美術館の協賛による作品展示も実現するかもしれません。(詳しくは代表の宮沢英樹さんのインタビューでお伝えいたします)
 また、例年通り、フリードリンクコーナーも設けられます。
 いつもの年以上に、ホワイエを楽しむことができ、映画上映の合間にも充実したひとときを過ごすことができそうです。

 

クオリティの高い上映作品

 今年は開催時期が10月となったこともあり、1月のサンダンス映画祭、2月のベルリン国際映画祭、5月のカンヌ国際映画祭などで話題を呼んだ作品が勢ぞろい! 全体のプログラム数は少なめですが、どれもがクオリティの高い、観て損はない作品ばかりです。
 また、監督さんや主演男優が来場するゲスト・トークも多数、用意されています。映画だけでなくトークライブもぜひ、お楽しみください。

ロミオ 
10月7日(金)20:00/9日(日)11:30 オープニング作品

 20歳のルーカスは、田舎から大都会ケルンに出てきたが、手配された部屋は、なんと女子のナース寮。ルーカスは実はFTM(女性の体に生まれ、男性にトランスした人)だった。ノンケ男子なら夢のような毎日も、ルーカスにとっては苦痛とストレスの日々だった。しかしある日、自分とは対照的に、セクシーで明るくて男性の魅力にあふれるゲイのファビオと出会い、恋心を抱く。ゲイにとっては天国なケルンの街だが、ルーカスは果たして自分の「秘密」をファビオに打ち明け、本当の姿を受け入れてもらうことができるのか…
 新時代のクィアムービーがドイツから上陸!
※10月7日はオープニングイベントとして、本編上映前と上映後にスペシャルゲストをお招きします。
『ロミオ』Romeos
2011/ドイツ/監督:サビーネ・ベルナルディ/ASIAN PREMIER
後援:東京ドイツ文化センター 

カブーン 
10月10日(祝)19:20 クロージング作品

 ごく普通の大学生スミスは、繰り返し見る奇妙な夢に悩まされていた。その夢に出てきた見知らぬ女性と現実に出会ったことから、彼の生活は激変する。女性は動物のマスクを被った集団に誘拐され、スミスまでもが狙われるはめに…。この集団は何者なのか? そして夢は何を意味するのか? 親友のステラやセックスフレンドのロンドンと共に謎の解明に乗り出した彼は、自らの出生にまつわる驚愕の事実を知ることになる。
 インディーズ界の巨匠が作り上げた新時代の『ツインピークス』。ワイルドでセクシーでユーモアに富んだコメディ・スリラー。「『カブーン』でアラキは新たな境地に到達した」と評されているように、初期のモノトーンでザラザラした感触の(『途方に暮れる三人の夜』とか)グレッグ・アラキからは想像できない、ハイテクで色鮮やかな映像が繰り広げられます。主人公と(ロン毛だけど)素晴らしいボディの持ち主な青年とのセクシーシーンもお楽しみください。
※本編上映前にクロージングイベントを開催します。
『カブーン』Kaboom
2010/アメリカ、フランス/監督:グレッグ・アラキ/JAPAN PREMIER

LAに恋して
10月8日(土)13:25/9日(日)20:20

 映画スターを目指してLAにやってきた若くてハンサムなアダム。親友キャンディの世話になりながらオーディションを受け続けるも、なかなか彼にチャンスはめぐってこない。退屈なバイト生活に嫌気がさしたアダムは、お金の誘惑に負けてゲイポルノの世界へ足を踏み入れてしまう。そんな時、彼は有名スターと出会い、瞬く間に恋に落ちるが…
 『ハッテン☆サマー』のキャスパー・アンドレアス監督が描く、映画業界の夢と現実。自分探しのラブストーリー!
※両日とも、主演のマシュー・ラドウィンスキーさんによるトークイベントを開催予定です。
『LAに恋して』Going Down in LA-LA LAND
2011/アメリカ/監督:キャスパー・アンドレアス/ASIAN PREMIER

ボクらのはっちゃけウィークエンド—Eating Outシリーズ
10月8日(土)20:25/10日(祝)16:25

 ゲイリゾートに招待されたザックとベンジーのカップル。このチャンスをめいっぱい楽しみたいベンジーは、ザックに「リゾートにいる間だけは2人の関係を“オープン”にしよう」と、驚きの提案をする。ザックは渋々ながらも同意するが、滞在先のホテルでイケメンとアツアツの元彼ケイシーに遭遇してしまい…
 AfterElton.comの「ゲイ映画50」にもランクインしているアメリカの大人気ロマコメゲイ映画『Eating Out』。シリーズ5作目となる最新作を最速プレミア上映! 恋の炎がメラメラの痛快ドタバタコメディをお楽しみあれ!
『ボクらのはっちゃけウィークエンド—Eating Outシリーズ』Eating Out: The Open Weekend
2011/アメリカ/監督:Q・アラン・ブロッカ/ASIAN PREMIER

あの頃、僕らは——いま語られるエイズの記憶
10月9日(日)15:45

 30年前のサンフランシスコで、ゲイ男性の間に奇妙な病気が拡がり始めた。原因も、感染ルートも、治療法も不明。この病気にかかった者は確実に死に向かっていく…。当時をよく知る住民の貴重な証言と記録映像を交えながら、エイズの到来がコミュニティに与えた衝撃を深く掘り下げる、迫真のドキュメンタリー。ベルリン国際映画祭やサンダンス映画祭でも高く評価された本作は、観る者の心を強く揺さぶる。
※本編上映後にトークイベントを開催予定です(協力:非営利団体akta)
『あの頃、僕らは——いま語られるエイズの記憶』We Were Here
2011/アメリカ/監督:デヴィッド・ワイスマン/JAPAN PREMIER
協力:非営利団体akta
 

Coming Out Story
10月9日(日)13:40

  京都の公立高校で数学教師をする土肥いつきは、10年以上待ちわびたSRS(性別適合手術)へと向かう。生まれながらの性別を越境して生きるトランスジェンダーとして自己を特別視することなく、ひとつひとつ「女性の身体を獲得する夢」を実現してきたいつき。繰り返される出会いと、生徒や友人との関係を通して、「男とは何か」「女とは何か」など、様々な自己の根源への問いが浮かび上がってくる。そして、いつしか撮影スタッフもそうした問いの渦中へと引き込まれて…
 トランスジェンダーの心の葛藤と解放を追った日本の秀作ドキュメンタリー
※本編上映後にトークイベントを開催予定です。
『Coming Out Story』
2011/日本/監督:梅沢圭/WORLD PREMIER

シェリー・ライト——カントリーシンガーの告白
10月8日(土)18:20/10月10日(祝)12:05

 2010年5月に『People』誌でアメリカ人カントリー歌手として初めて同性愛者であることを告白し、時の人となったシェリー・ライト。彼女が暮らすのは保守的なテネシー州ナッシュビル。同性愛への偏見が根強く残るこの土地で、なぜシェリーはカミングアウトを決意したのか? そして彼女のカミングアウトに対する地元の人々とLGBTコミュニティの反応は? シェリーの奮闘を彼女自身が撮影したプライベートビデオと共に追いかける。
『シェリー・ライト——カントリーシンガーの告白』Wish Me Away
2011/アメリカ/監督:ボビー・バーレッフィ、べヴァリー・コップ/ASIAN PREMIER
協賛:東京LGBTインターバンク・フォーラム

トムボーイ
10月8日(土)16:25

 10歳のロールはボーイッシュなおてんば娘。家族と田舎に引っ越してきたロールはミカエルと名乗り、あの手この手で近所の子供たちに自分を男の子だと思い込ませる。同年代のリザはロールに好意を抱き始めるが、ロールはリザの気持ちをどう受け止めるべきか葛藤する。さらに男の子のように振る舞うロールの態度は、家族との間にも波紋を巻き起こし…。
 ベルリン国際映画祭テディ賞審査員賞。夏の美しい田園風景の中で展開される成長物語。子どもたちの瑞々しい演技は必見!
『トムボーイ』Tomboy
2011/フランス/監督:セリーヌ・シアマ
後援:フランス大使館
上映協力:東京国際女性映画祭、ユニフランス・フィルム

 

関連イベント

 今年はひさしぶりに公式パーティ『Le Grand Bal』がスパイラルに帰って来るほか、オープニングには20周年記念のイベントなども企画されているそうです。


映画祭公式パーティ『Le Grand Bal』

 映画の後はパーティタイム! お楽しみはまだまだ続きます! 映画祭公式パーティ『Le Grand Bal(ル・グランバル)』では、ゴージャスなパフォーマーたちをお迎えして、20周年特別企画「ベストクィアムービー 総選挙」の結果発表を行います! 果たしてトップ10入りする作品は何でしょうか? みんなでいっしょに飲んで踊って、映画祭の20歳のお誕生日を祝いましょう! 

公式パーティ『Le Grand Bal』
日時:10月9日(日)21:00〜 
会場:Cay(スパイラルB1)
料金:¥3500、¥3000(with flyer/映画祭の半券)、今年20歳になったばかりのアナタは¥2000
※入場された全ての方にグランマルニエからのスペシャルウェルカムドリンクが付きます!
ゴージャスパフォーマー:アイハラミホ。、chiharu、Babie-no-bitch!、星野晃代、劇団フライングステージ、MAAYA SHO
MC:マーガレット
DJ:中村直、Rachel D'Amour、DJ Peli、Tamra(HELLO KL!TTY)


東京レインボープライド2012カウントダウンパーティ

 9月25日に開催される東京レインボープライド2012カウントダウンパーティは、「この秋、LGBT映画を観まくろう!」と題し、映画祭とのコラボ企画になっています。
 第1部が「LGBT映画史を、振り返る」。『ベニスに死す』『モーリス』『バウンド』『トランス・アメリカ』など、古今東西のLGBT映画の名作を振り返るコーナーです。
 第2部がスゴイです。あの橋口亮輔監督をお招きし、デビュー作『二十才の微熱』から『ぐるりのこと。』まで、橋口監督が自作について語ってくれるというものです。聞き手はエスムラルダさんです。
 第3部では、浜野佐知監督が最新作『百合子、ダスヴィダーニヤ』について語ります。
 そして第4部は、「第20回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」ガイド。今年の上映作品をご案内するほか、
「ベストクィアムービー総選挙」の中間発表をご紹介します。

第3回『カウントダウン8!』東京レインボーアカデミー【特別編】
『この秋、LGBT映画を観まくろう!』collaborated with 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

日時:9月25日(日)
会場:新宿二丁目「GEISHA」
料金:1500円(1d)
主催:東京レインボープライド