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レポート:gaku-GAY-kai2015

2015年12月29日・30日、「gaku-GAY-kai2015」が開催されました。ゲイの劇団フライングステージとその愉快な仲間たちがお送りする年末恒例のお楽しみイベントは、今年も本当に充実していて、心から楽しめるイベントになりました。

レポート:gaku-GAY-kai2015

2015年12月29日・30日、新宿3丁目(ほぼ二丁目)にある「SPACE 雑遊」で「gaku-GAY-kai2015」が開催されました。ゲイの劇団フライングステージとその愉快な仲間たちがお送りする年末恒例のお楽しみイベントは、今回も超満員でした。第一部の「贋作・ウェスト・サイド物語または贋作・ローマの休日 新宿イーストサイト物語または2丁目の休日」も素晴らしかったですし、第二部も本当に盛りだくさんで、今年も充実した、楽しいイベントになりました。レポートをお届けします。(後藤純一)


 「gaku-GAY-kai 2015」12月29日の夜の部におじゃましました。今年も開場前からたくさんのお客さんがいらして、長蛇の列を作っていました。ゲイの方もノンケさんも、なかにはお子さんを含むご家族でいらしている方などもいらっしゃいました。
 開場すると、座席はほどなく埋まり(今回もほぼソールドアウトだったそうです)、開演時間が迫ると、主宰の関根さんが登場し、ご挨拶。あたたかな雰囲気のなか、「gaku-GAY-kai 2015」がスタートしました。

 第一部はコメディ・ミュージカル劇「贋作・ウェスト・サイド物語または贋作・ローマの休日 新宿イーストサイト物語または2丁目の休日」。長年いがみあっている新宿2丁目のドラァグクィーンたち(いろいろ面白かったです。グレイス・ジョーンズ風の方がいたりとか)と歌舞伎町のホストたち。中立地帯である伊勢丹で両者が遭遇し、一触即発の雰囲気に。そんななか、元ホストのタカヒロ(芳賀隆宏さん)が、敵対関係にあるドラァグクィーン集団の一人・アルピーナと恋に落ちてしまい…(こちらが「新宿イーストサイト物語」)。一方、中東の某国(ゲイが死刑とされるような国)のアン王子(モイラさん)が来日するが、王子は女装が好きなゲイで、こっそりホテルを抜け出して二丁目を目指す。が、ひょんなことから王子のことを追いかけている週刊誌の記者と出会い、恋に落ちてしまい…(こちらが「2丁目の休日」)。そんなとき、石之原慎太朗都知事(女性が演じているのですが、とんでもなく威勢がよくて、ウケました)が企画する「新宿クリーン&フレッシュ祭り」でダンスコンテストが開催されることになり、ドラァグクィーンたちもホストたちも「負けるものか」と意気込むが、当日、クイーンの一人が負傷してしまい、「お客様のなかでPerfumeが踊れる方はいませんか〜」という呼びかけに応えてアン王子が「私、踊れます」(そうして2つの物語が交錯し、入り乱れていきます)。しかし、イベント終了後、会場で大乱闘が起き(クィーンのヅラをホストが剥ぎ取ったり)、アルピーナとタカヒロの恋は、ますます前途多難になっていく…。
 途中、いろんな歌やダンスが盛り込まれ(ホストたちのダンス、今までの「gaku-GAY-kai」にはない男っぽさで、カッコよかったです)、笑いどころもたくさんで、お話もよくできていて、うっかり感動させられそうにもなりました。ラストの、アン王子が目の覚めるような美しいドレスで登場するシーンは、ちょっと鳥肌ものでした(モイラさんの心意気に拍手!)

 休憩をはさんで、第二部がスタート。岸本さんと宇原さんがド派手ないでたちで司会をつとめ、盛り上げてくれました。
 トップバッターは今年もアイハラミホさん。恒例の「アイハラミホ。の驚愕!ダイナマイトパワフル歌謡パフォーマンスしょー」は、相変わらずのダイナマイトでパワフルなパフォーマンスでした。最初に着てたガウンみたいな衣装、よく見ると豚肉の部位が書かれてたりとかして、年々進化しているなあと思いました。今回は松之木天辺さんもゲスト出演してました!
 それから、水月モニカさんによる「ビアチカコラボ官能小説朗読」。書き物をする昔風の台に硯や筆、ろうそくなどの小道具を置き、作家が巻紙に物語を書き綴っているような体で朗読されました。亡くなった彼女の遺言で、彼女の隠し娘(実は娘ではなく愛人)との同居を始めた「私」。その夜、私が寝ていると…。エロティックでありながらも感動的な、レズビアン官能小説でした。
 西山水木さんによる「2015のジェストダンス」。今年は人形を使ったパフォーマンスでした。たぶん、生まれることのなかった子どもに捧げるオマージュ(慟哭)でもあり、母の思いの表現だったのではないかと思います。目が離せない、とても深いパフォーマンスでした。
「佐藤 達のかみしばい ~僕の話をきいてください~」。今年も佐藤達(とおる)さんが、子ども時代のほのぼのとしたエピソードを、テンポのよい、大作な紙芝居で聞かせてくれました。秋田弁が懐かしく、彼の飄々としたキャラも面白く。ほっこりしました。
 関根信一さんの「女優リーディング」。今年は内田百閒の短編を朗読。酒場で呑んでいたとき、以前よくお酒を持ってきてくれたかわいい後輩のことを思い出したが、彼は戦争が激しくなってきて亡くなってしまったのだった…というお話でした。ある意味、男どうしの友愛の話でもありますし、今の時代にとても響く、渋い一篇だったなあと思いました。
 モイラ・ボルデリさんの「sayokoなりきりショウ リヴァイタル・クロカミ」。一貫して小夜子になりきったアーティスティックなパフォーマンスを披露してきたモイラさん。今回も見事に小夜子の世界が再現されていて、繊細な美しさが際立っていました。
 芳賀隆宏さんの「親孝行」。ゲイであるとカミングアウトして音楽活動を行っている芳賀さんは今回、第一部で主演男優をつとめていましたが、二部ではギターの弾き語りを披露。「親孝行」は、親にカミングアウトして「あなたが幸せならそれでいい」と言ってもらえたことの感動を綴った歌だそうで、とてもよかったです。
 東京レインボープライドにも出演していたTomoneさんはレインボーな旗を振りながら「LGBTAI~その壁を越えて~」を熱唱。もともと歌謡曲を歌っていた方だそうですが、自身のカミングアウト後、LGBTについての歌を書こうと思い、ずいぶん時間をかけて考えながら歌詞を書いたそうです。
 ぶー子さんの「ひとりのビッグショー」。ちあきなおみの「朝日楼(朝日のあたる家)」という、二丁目の古いゲイの間ではおなじみの名曲を、生歌と本格的なダンスで魅せました。もう文句なしに拍手喝采!でした。
「中森夏奈子のスパンコール・チャイナイト vol.8」は今回、諸事情により中森さんが来られなくなり、キャンセルに。これを見なきゃ年が越せない!と毎年楽しみにしている方も多かったと思いますが…本当に残念でした。
 エスムラルダさんの「今年もアタシ、第二部で何かやろうかねえ」。永山雄樹さんの津軽三味線の生演奏からのさゆりショー。三味線とのコラボが素晴らしかったです。続いて、最近エスムラルダさんがハマっている「歌詞の朗読ショー」。今回は中山美穂さんの「ツイてるねノッてるね」がネタになっていました。オオトリとして、今年も「エスムラルダdeマンボ」をみんなでかけ声をかけたりしながら楽しみました。
 ボリュームたっぷりで、充実した第二部でした。気づけばびっくりするくらい時間が経っていましたが、それもまた「gaku-GAY-kai」の醍醐味。今年も楽しかったです!
 
 2016年の「gaku-GAY-kai」もすでに日程が決まっていて、12月29日・30日に「SPACE 雑遊」で開催されるそうです。また、劇団フライングステージ第41回公演「新・こころ」は3月30日(水)から上演が始まります。どちらもお楽しみに!

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