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9月3日(金)関西クィア映画祭2010が開幕

今週末から関西でクィア映画祭が開催されます。9月3日〜5日は大阪、10日〜12日は京都です。ここでしか観られない貴重な映画も多いそうです。関西方面の方、気に入った作品があれば、ぜひ足を運んでみてください。

9月3日(金)関西クィア映画祭2010が開幕

 関西クィア映画祭は、「クィア」をキーワードに、「性」とそれに関わる「暮らし・生き方」をテーマにした映像作品を集めて上映する関西で最大規模のお祭りです。
 もともとは1996年、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が関西にやってくる!という形で、初の映画祭(代表:宮田ひろしさん)が大阪&京都で開催されました。以後、5年間「QFF」の名前でコミュニティに親しまれていましたが、2001年、残念ながら中止となりました。
 しばらくの休止期間を経て、2005年7月に第1回関西クィア映画祭(代表:木村真紀さん)が開催されました。堂山への玄関口である梅田駅前の「HEP HALL」(観覧車のあるファッションビルの8階)というたいへんキャッチーな会場で開催されたことで話題となり、オープニングを姉様キングスが飾り、『バディ』がブースを出すなど、華やかに開催されました。
 翌年には日程も5日間に拡大し、1600人以上の方が来場しました。

 第5回目となる今年は、96年と同様、大阪と京都の2都市で開催されることになりました。大阪は梅田「HEP HALL」、京都は京大西部講堂です。繁華街にある「HEP HALL」ではより多くの人に親しんでもらえるようなわかりやすい作品が、これまでアングラ演劇などが上演されてきた西部講堂では、より踏み込んだ内容の作品が上映されるそうです。
 双方合わせると、世界の映画祭での受賞歴もある大作から草の根のインディーズ作品まで、幅広く様々な作品が上映されることになります。国内ではこの映画祭でしか観ることができないような、貴重な作品もたくさんありますので、この機会をお見逃しなく。
 以下にオススメのプログラムをご紹介します。気に入った作品があれば、ぜひ足を運んでみてください。
(後藤純一)

関西クィア映画祭 2010
大阪会場 9月3日(金)〜5日(日)@HEP HALL
京都会場 9月10日(金)〜12日(日)@京大西部講堂

安非他命/アンフェタミン 
9月4日(土)19:00 @HEP HALL 日本プレミア

フィットネスジムのトレーナーをしているストレートのイケメン、カフカは薬物中毒に陥っている。カフカは情熱的なエグゼクティブであるゲイのダニエルに出会い、運命的な恋に落ちる。セクシュアリティの違いや薬物依存も愛によって乗り越えられると信じていたが、カフカの恐ろしい過去の経験がフラッシュバックし、2人の関係は困難になる…
今年のベルリン国際映画祭でも上映され好評を博した、香港からの最新作!

『安非他命/アンフェタミン』
2010/香港/監督:Scud/97分/広東語・英語/日本語・英語字幕



父さんへのポストカード 
9月5日(日)16:30 @HEP HALL 日本プレミア 

日本でも上映された『プリンス・イン・ヘル』の監督であり、ゲイでHIV陽性のミヒャエル・シュトックは、子どもの頃、父親から性的虐待を受けていた。その25年後、彼は家族や友人達との対話を通じて虐待が家族それぞれにとってどういうものであったかを描き出していきます。ミヒャエルは、加害者である父親を非難するためではなく、理解するためにこの映画を作りました。そして最後に、彼はこの映画を父親本人に送ります…。今年のベルリン映画祭でも上映された大作です。

『父さんへのポストカード』Postcard To Daddy
2010/ドイツ監督:ミヒャエル・シュトック/86分/ドイツ語/日本語・英語字幕



おばけのマリコローズ 
9月3日(金)19:00 @HEP HALL

ゲイもビアンもバイセクシュアルもトランスジェンダーも、いろんな要素が盛り込まれつつ、誰もが元気になれるような、底抜けに明るいコメディ作品です。脚本もよくできていて、クィア目線でもストレート目線でも楽しめるような傑作に仕上がっています。
※上映後に監督の小林でびさんの舞台挨拶があります。

おばけのマリコローズ
2009年/日本/監督:小林でび/66分/日本語/英語字幕



アジア特集 
9月5日(日)11:30 @HEP HALL

イケメンが郵便局で出す宛先のない『ポストカード』、その本当の宛先は…? 毎夜パトロールをする警官に恋をした男の子は今日もカフェで彼を待つが…『ポリス・ボックス』 ロマンチックで粋なストーリー展開を得意とする韓国のジョッシュ・キム監督の短編2本。そして、アンダマン海の島々に住み、生活の大半を海上で過ごすとい う少数民族、モーケン族と、島の男たちを目当てにモーケン村へバカンスに訪れたゲイのヴォーとの交流を描いたタイ映画『モーケン、だよね?』など、昨年のアジアンクィア映画祭で上映された作品を中心に、全4作品が上映されます。

『ポリスボックス』The Police Box
2006/香港/ジョッシュ・キム/8分/広東語・英語/英語字幕+日本語字幕
『ポストカード』The Postcard
2007/韓国/ジョッシュ・キム/15分/韓国語/英語字幕+日本語字幕
『モーケン、だよね?』Moken, right?
2006/タイ/タャート・ダットサテェーン、ピサーン・セェーンチャン/40分/タイ語/英語字幕+日本語字幕



よくばり欧米短編 
9月4日(土)11:30 @HEP HALL

東京の映画祭でも上映された『七面鳥(北京ターキー)』は、息子が実家に連れてきた「婚約者」がなんと男性だった、という展開で、中国系の家族が息子のカミングアウトにどんな反応を示すのか?というところが見どころです。そのほか、ウリ専をしている彼が、実は子どもの頃に虐待を受けていた…というストーリーの『壊れしもの』など、全部で7作品が詰め込まれているプログラムです。

『七面鳥』PEKING TURKEY
2006/カナダ/監督:Michael Mew/12分/英語・中国語/日本語字幕
『壊れしもの』Broken
2009/米/監督:Kent Thomas/18分/英語/日本語字幕



ココデナイドコカ 
9月11日(土)17:10 @京大西部講堂 関西プレミア

同棲していた恋人との別れ、ファッションデザイナーを夢見ての卒業制作と就職、母との確執、パレードやゲイイベント。楽しいことも悩むこともある普通の日常生活と、その中で揺れる主人公の様子を、姉である監督のカメラが、1年にわたり、淡々と丁寧に至近距離から撮影しました。ゲイの主人公を持ち上げるのでもなく、かといって同情するでもなく、寄り添いつつ撮影されています。東京に暮らす今どきのゲイの若者の姿がリアルに描かれているドキュメンタリー作品。あなたも、共感すること間違いなし!
※映画上映後、中川あゆみ監督と映画の主人公リョウさんの舞台挨拶を予定しています

『ココデナイドコカ』Drifting
2010/日本/監督:中川あゆみ/64分/日本語



パブの中 
9月11日(土)23:50 @京大西部講堂 関西プレミア

怪しげなパブの中。ママが、男が、女が、ゲイボーイが、おかまが、そしてアツシがそれぞれに証言をはじめる。アツシはどんな人物だったのか? そしてあの日、アツシはなぜ死んだのか? 歌やダンスにも重点が置かれた本作は、映像という媒体で光と影をからめとった美しいPVのような仕上がりにもなっている。芥川龍之介の「薮の中」をヒントにした、松之木天辺の初監督作品。
※映画上映後に、松之木天辺監督の舞台挨拶を予定しています

『パブの中』Pabunonaka(In the Pub)
2010/日本/監督:松之木天辺/59分/日本語/英語字幕



韓国特集 — 二般(イバン)映画 
9月12日(日)12:00 @京大西部講堂

兵役についている恋人ミンスの休暇に、セオクは楽しい夜を期待してミンスを訪ねる。しかしミンスの母親も登場し、一緒に泊まることに。2人の関係を怪しむ母親に、2人は「ただの友達」と答える…。『後悔なんてしない』のプロデューサーを務めたキム=ジョ・グァンスによる監督2作目の映画『ただの友達?』は、韓国の2人の少年の新鮮な愛を描いた、愉快で楽しいゲイ・ドラマ。K-POPが好きな方にもオススメです! 韓国映画全4作品を上映する特集です。

『ただの友達?』Just Friends? 
2009年/韓国/監督:キムジョ・グァンス/30分/韓国語/日本語字幕



アニースプリンクルの「ポルノの歴史」 
9月10日(金)21:20 @京大西部講堂 日本プレミア

ポルノ女優で、アーティストで、性教育者でもあるアニー・スプリンクル。アニー自身がポルノ女優として過去に出演した映像を背景に、それを見ながら、ポルノについて、検閲について、セックスについて、エイズやセイファーセックスについて、FtMのリンダとのセックスについて…など、アニー自身の視点から映画の解説をします。
※映画上映後、海外のセックスワーク事情などについてゲストを招いてのミニトークを予定しています。

『アニー・スプリンクルの「ポルノの歴史」』Annie Sprinkle's Herstory of Porn
1999/米国/監督:アニー・スプリンクル/69分/英語/日本語字幕



刑務所のトランスジェンダー 
9月11日(土)15:10 @京大西部講堂 日本プレミア

米国の刑務所では、外性器で性別を分けるため、手術をしていないトランス女性(MtF)は男性房に収容され、様々な被害を受けています。映画は、彼女たちが直面する困難を率直に描きます。12歳からホルモンをとりつつ貧困とドラッグの中で幼年期を過ごした21歳のヨランダは、収監者仲間にレイプされました。「間違った場所にいた」との理由で投獄されたアンナは、4年間続けたホルモン治療も一人息子も奪われました。当局は、性同一性障害(GID)を医療行為が必要な正当な状態であるとは認めていないのです。トランスジェンダーの約3割が投獄の経験を持つそうで、これは全国平均の約3倍。この数字は、米国でトランスの人たちが耐えている甚だしい差別を示しています。

『刑務所のトランスジェンダー』Cruel and Unusual
2006/米国/監督:Janet Baus, Dan Hunt and Reid Williams/64分/英語/日本語字幕