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レポート:乱雄會 presents 六尺ナイト

9月1日(土)、「乱雄會 presents 六尺ナイト」が開催されました。二丁目のAiSOTOPE LOUNGEがお祭り会場のようになり、若細系からGMPD系兄貴まで数百人の日本男児が、最高に旨い酒と音と男たちに酔いしれ、心ゆくまでイベントを堪能しました。

レポート:乱雄會 presents 六尺ナイト

 六尺とは、古来より(庶民に普及したのは江戸時代から)用いられていた褌の代表であり、現在でも神社の祭事などで用いられます。昔は「褌祝い」などと言って一定の年齢に達した男子が六尺の締め方を年長の男性に教わるという通過儀礼もあったそうです。いわば、六尺とは日本男児の象徴です。
 そして、下着としての六尺は、戦後、急速にブリーフやトランクスに取って代わられましたが、ゲイの間では連綿と愛され続けてきました。
 六尺には年配の方や恰幅のいい方に似合うアイテムというイメージがあり、主に上野・浅草、新橋などで人気を博し、二丁目にはあまり普及していませんでした。それを二丁目で流行らせ、(たぶん日本一の)人気イベントにしたのが、「乱雄會 presents 六尺ナイト」です。
「乱雄會」は二丁目のいくつかのゲイバーのマスターが集まって結成した会で、若い方やスリムな方にも六尺の魅力を知ってもらおうということで、イベントが開催されるようになりました。伝統的な日本酒の振る舞い酒の儀式を行うなど、祭りの雰囲気を醸し出しつつ、ゲイらしくさまざまな趣向が凝らされた、誰にでも楽しんでもらえるような二丁目ならではのナイトです。


 9月1日(土)、午後にザーッと雨が降ったせいもあり、にわかに涼しくなった1日でした。が、ひとたびAiSOTOPEに入ると、そこは熱帯夜。ものすごい熱気に包まれていました。

 たとえ六尺を持っていない人も受付で購入できますし、締め方がわからない方は着替え部屋でイケメンな世話人が締めてくれて(指名はできないようです)、荷物もクロークで預かってもらえ、そして、(なにぶん六尺一丁という姿なので)財布を持たなくてもいいように専用の白いリストバンドにお酒を買ったときに金額を書き、帰りに清算するという、実に至れり尽くせりなシステムになっていました。よく考えられてるなあと感心することしきりでした。

 メインフロアに入ると「ここが本当にAiSOなの?」と目を疑うほど、驚きの様変わりを遂げていました。ステージ上には(よくショッピングモールにあるような感じの)水が流れるパネルが設置され、フロアの真ん中にも水が滝のように落ちてくる櫓が組まれていました。そして、壁にはお店の名前が書かれた提灯が掛けられ、時間差で点灯するようになっています(スゴい!)。ほかにも、すのこや竹、酒樽など、和の素材が随所に用いられ、稀に見る力の入った舞台装置(大道具?)だと思いました。おそらくほとんどが手作りだと思うのですが、その心意気に感銘を受けました。
 
 フロアは六尺を締めたいなせな日本男児たちで埋め尽くされ、まるでサウナのように汗が噴き出すほど、すごい熱気に包まれていました。マッチョな兄貴、20代のスジ筋くん、GMPD系な野郎たちを中心に、あのお店のマスターやミセコさん、ドラァグクイーンの方、あんな人やこんな人もご来場されていました。法被や鯉口、前掛けなどを羽織っている方もいましたが、ほとんどの方は六尺一丁。それはそれは壮観でした。
 さて、J.R.さんのプレイに続き、23時にスタートしたショータイムでは、女装した高松塚墳子さんが登場、ステージからフロアの櫓に移動したかと思うと、まさかの水浴びショーを披露(「フラッシュダンス」状態)。会場は拍手喝采の渦。続くOd-Cも、ノリノリのダンスの後、櫓に移動し、法被に着替えると、水を浴びながらのお祭り的なダンスで、大いに観客を湧かせました。第二部のショータイムでは、GOGOからの鉢洗いが行われました。フロアの真ん中に花道が設けられ、世話人や衛士の方が横で見守る中、お客さんが次々と、一升枡に注がれた酒を飲み干すという恒例の儀式です。独特のかけ声は、神輿などで実際に行われているものだそうです。
 Shangri-Laのレジデントである豪華ゲスト・SAWAさんのプレイで宴もたけなわとなり、お酒も回ってきて、友達どうしハグしたり(Shangri-Laのアリーナのように)、じゃれあったり、出会いに心ときめかせたり(メアド交換とか)、ちょっと色っぽい雰囲気になってきた頃、ドラァグクイーンのピロがネーゼさんやGOGOの方が水濡れショーを披露し、最後はステージにOd-Cの方や世話人の方がGOGOとして登場し、会場を盛り上げました。
 
 この夜は、本当にたくさん友達に会えて、乾杯したり、旧交をあたためたり、の連続でした(まるでレインボー祭りのようでした)。それだけでなく、初めてお会いした方も気さくに話しかけてくれたりして(残念ながら僕の場合、ナンパとかではないのですが…)。ハレの祝祭的な雰囲気の中、心も体も解放して、みなさん本当にオープンマインドに楽しんでいました(個人的には、その解放感はゲイクルーズに通じるものがあると思いました。極めてトラディショナルに見えながら、実は真にグローバルな境地に達しているパーティなのでは?とすら思いました)
 それから、ある年上のお友達が、若い人たちも屈託なく六尺姿で楽しんでいる光景を見ながら「昔はな、六尺してるだけで変態って言われることもあったんだよ」と、感慨深げに語っていたのが印象的でした。
 ハッテン禁止であるにもかかわらず、本当にSEXYで、まるで銭湯での「裸のつきあい」のように「みんなで裸で呑んで仲良くなればこんなに幸せなことはないよね♪」という圧倒的な肯定感・ハッピーな空気に満ちていた六尺ナイト。「性的なことは隠しておくべき(見えないようにフタをすべき)」という時代遅れな観念を痛快に塗り替え、コミュニティにとても大切なプラスな何かをプレゼントしてくれていたような気がします。あらゆる意味で「極上」の、夢のような一夜。掛け値なしに素晴らしいパーティでした。
 
 そういうわけで、次回、来年のGW頃に開催される六尺ナイト、まだ未体験な方はぜひ、一度は足を運んでみてください。体型とか年齢とか国籍とか関係なく(性別だけは限定されておりますが)、どなたでも楽しめます。もしかしたら、人生観が変わるかもしれませんよ。


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