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レポート:東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(3)

第21回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭・最終日の模様をレポートいたします。スタッフのみなさんの生き生きとした働きぶりにも感銘を受けた映画祭でした。

レポート:東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(3)
(スタッフのみなさんの集合写真。みなさん白地にピンクの模様のTシャツを着ていますが、実はこれ、アメリカンアパレルの協賛で、書道家MAAYA SHOさんが1枚1枚手書きでピンクトライアングルを書いてくださったんだそうです! )

 

 これまで、だいたい最終日というのは、土日の混雑も落着いて、ゆったり、しっとり…というのがお決まりでした。しかし、今回は最後まで大盛況でした。
 
 14時の「彼の彼女のゲイビー大作戦」は、期待通り、ゲラゲラ笑って観れる抱腹絶倒のコメディでした。子づくりがテーマなのでラブシーンの絵面はほとんど男女のカラミになっており(といってもTVで放送できるレベルです)、いろんなタイプのゲイが登場するところも面白く(さながらNYゲイ図鑑といった趣?)、ゲイもノンケも楽しめる仕様になっていました。特に、主人公マットの親友のネリーという、見た目クマ系なオネエさん(二丁目にもいそうなタイプ)が笑わせてくれました。

 次の「レインボーリール・コンペティション」は観なかったのですが、今回はレベルの高い作品が多かったとTwitterなどで評判になっていました。



クロージング・セレモニーには
オナンさんと代表の宮沢さんが登場。
手話通訳もついていました。

 最後の「ノース・シー 初恋の海辺」も大盛況で、立ち見(前のほうの座布団)も出てました(それもあって、開演が押してました)。最初にドラァグクイーンのオナンさんと代表の宮沢さんが登場し、ご挨拶(クロージング・セレモニー)が行われました。なんでも、今回の映画祭は、昨年より1000人多い(125%アップして)5000人の方が来場されたそうで、また、第1回からの通算でお客さんが10万人を超えたたそうで、会場から拍手が起こっていました。
 映画は、ちょっと前の時代のベルギーの貧しい海辺の村を舞台にした、ゲイの男の子・ピムの恋と成長の物語。子どもの頃のピムがママの鏡台で化粧をするシーンとか、隣の家の年上の男の子・ジーノと(思春期にありがちな)SEXするシーンなども、典型的と言えばそうなのですが、それぞれの家庭での親子関係とか、ピムが隣の家で家族同然に面倒をみてもらってることとか、ピムのママが経営しているバー(に象徴される村社会)での男尊女卑な感じとかが、とても興味深かったです。これがアジアとか南米(「波に流れて」のような)だと、悲劇で終わらずにはいられないと思うのですが、美しい映像とあいまって、希望を感じさせる終わり方になっていた…救いがありました。そこがよかったです。そして、ラスト近く、隣の家のおばさんが、息子とピムの関係をちゃんと知っていて、二人に「いっしょに生きなさい」とメッセージをくれるシーンに感動させられました。

 スタッフの方たちがお客さんをお見送りしたあと、会場の撤収に入りました。今回初めて、その様子を見させていただいたのですが、50人近いボランティアの方が、400人収容のホールのイスやひな壇をテキパキと片付けたり、ゴミをまとめたり、手が空いたら何かできることを見つけて自主的に動く感じで、みなさん、本当によく働くし、モチベーションが高いなあと感心させられました。片付けが終わると、ホワイエに集まり、仕事の都合で先に帰らなければいけなかった宮沢代表のビデオメッセージをみんなで見て(さすがは映画祭)、映像の宮沢さんの音頭でみんなで乾杯をして、わーっと盛り上がっていました。ゲイの方もレズビアンの方もストレートの方も本当に仲良く、まるで文化祭のように、映画祭というイベントづくりを生き生きと楽しんでいる、そういう感じが伝わってきました。
 宮沢さんというほんわかした(でもいざというときは頼りになりそうな)代表がいて、コアスタッフの方がいて、あとはけっこうスタッフの方の自主性に任されているところが大きいのかな?と、見ていて思いました。映画祭が21年も続いてきた秘訣は、そういうところにもありそうです。
 みなさん、本当におつかれさまでした。素晴らしいイベントを、ありがとうございました。

 こうして、4日間(プレパーティも入れると5日間)にわたる映画祭が終わりました。ここでしか観られないようなゲイやレズビアンの映画を楽しむことができただけでも幸せでしたが、会場でいろんな友達(毎年ここだけでお会いする方、地方に住んでいる方、中には海外在住の方も)に会えたことも、喜びでした。
 そして今年は、1FのLGBTアート展(成山画廊さんが出展してくださった、伝説の写真家・矢頭保が三島由紀夫を撮った作品など、ゲイ的にもアート的にもスゴい展覧会でした)やホワイエのjiroさんの作品など、随所にアート作品がちりばめられていたのも素敵でした。
 そのスゴいアート展を実現してくれたアルファロメオをはじめ、Softbankや企業の協賛・協力も目覚ましいものがあったと思います。本編上映前に流れたアメリカンアパレルのCM映像(イケメンなゲイカップルが「胸を張って愛しあおう」とか「きっとこれからスゴいことが起こるよ」と呼びかけ、最後に「HAPPY PRIDE!」と写し出されます)には拍手も湧き起こっていました。
 Twitter上のコメントを見ると、いかに多くの、いろんな人たちが映画祭を楽しみ、作品に感動を覚えたかということがよくわかります。
 また来年、たぶん7月開催に戻ると思いますが、きっと大勢の方たちが映画祭に集い、盛り上がることでしょう。そのときを楽しみにしましょう。