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レポート:虹色札幌Days

日本のパレードをほぼ制覇してきたツワモノ・VENさんが、三連休の札幌のゲイシーンをレポートしてくれました。今年はレインボーマーチは行われなかったのですが、VENさんは、これまでのパレードの数々の思い出を胸に、一人でパレードコースを歩いたそうです。大好きな札幌への思いが伝わってくるレポートです。ご覧ください。

レポート:虹色札幌Days


■VENさんとは?


2010年の
神戸ふれんどりーマーチ

今年の東京レインボープライド

2010年の
関西レインボープライド
 VENさん(東海地方在住の40代のゲイの方)は、1994年に日本で初めて開催された東京レズビアン・ゲイパレード以来、全国で開催されるパレードのほとんどすべてに参加しているツワモノ(いわば、パレードフリーク)です。札幌や大阪はもちろん、神戸や博多、はたまたキャンディ・ミルキィさんが有志と歩くというウォーキング(東京のパレードが中止になり、急遽呼びかけられたもの)を含め、ありとあらゆるパレードに、VENさんの姿があります。VENさんが参加してきたパレードの歴史はそのまま日本のパレード史であり、彼は時代の生き証人(語り部)なのです。

 以前、なぜそんなにパレードを愛しているの?とインタビューをしたことがありました。
 1994年、初開催の時はみんな歩くのを怖がっていたそうですが、VENさんは前日の全国交流会に参加していて、お友達がウェディングドレスで歩くことになり、裾を持って手伝うという役目をおおせつかったこともあって参加を決意したそうです(そのお友達とは今でもいっしょに歩いています)。それ以来、パレードの楽しさに魅了され、今に至るのです。
 いちばん印象に残っているエピソードは?と聞くと、「ずっと『勇気がない』とか『よく出るよね~』と言ってた友達がいて、しばらく連絡がとれなかったんですが、第1回の関西レインボーパレードで再会できたんです。すごくうれしかった」と語ってくれました。
 それから、今後の夢みたいなことがあれば教えてください、とお願いすると、こう答えてくれました。「セクシャルマイノリティの存在のアピールってことと、同じセクシャルマイノリティの人たちへのアピール。いくらネットが普及してても、孤立してる人とかはいると思う。みんなに行きわたるのは無理にしても、ちょっと見にきた人とか、ネットとかテレビで知った人が、元気になってくれたら、と思います。自分がクローゼットだったときに、前向きに生きてる人に出会って、本当によかったなって実感したこともあって。なかなか生きづらい、窮屈な思いをしてる人に、いい意味で刺激を与えられたらと思います、これからも」
 

■今年の札幌の三連休は

 毎年、9月の三連休(シルバーウィーク)は、札幌でレインボーマーチが開催されてきました。
 VENさんにとって札幌のパレードは、2回目(1997)のときにプロのカメラマンの方が彼とお友達の写真を撮って映画祭で展示してくれたり、3回目(1998)のときに初めて浴衣を着て歩いて『バディ』に載ったり、第10回(2006)では、パレード後のアフターイベントで皆勤賞としてステージで表彰されたりと、思い入れの深いものがあるそうです。
 今年は、札幌では残念ながらパレードは開催されませんでした(もし開催されていたら、VENさんの通算45回目のパレードになっていたはずでした)。でも、いつもの年のようにいろんなイベントが予定されていたこともあり、VENさんは、愛する札幌の地に出かけ、一人でパレードコースを歩くとともに、ゲイシーンの楽しさを満喫してきました。
 そんなVENさんのレポートを、お届けします。

「毎年、9月中旬に開催されるレインボーマーチ札幌。
 今年は残念ながら開催されませんでした。
 パレード開催することは、とても大変なことで、たくさんの人の力が必要です。
 実行委員会が、開催しないと言う結論を出すまでには、たくさんの話し合いがあったのではないでしょうか。
 開催しないということも一つの選択肢です。
 過去15回のレインボーマーチ札幌に関わったスタッフのみなさんには頭が下がる思いです。
 ありがとうございました。
 そして今、来年のレインボーマーチ札幌ファイナル(2013年9月15日開催予定)に向け、準備が進んでいます。
 来年の16回でレインボーマーチ札幌としてのパレードはファイナルとなります。

 そんな今年の札幌の9月、パレードはなくても、「HOLE」15周年パーティやフトメン☆ゲッチュといった、恒例のナイトイベントは開催されていました。そして、レインボーマーチ札幌ファイナルの関連イベントとして劇団フライングステージ「ワンダフル・ワールド」の公演上映会&トークも行われました。
 毎年、この時期は札幌で過ごしています。パレードはないけど、今年も大好きな札幌へ行きました。

9月15日(土)
 例年に比べ、暑さが残る札幌。
 千歳空港で、夜のナイトでGOGOをされる方やドラァグクィーンの方をお見かけしました。素敵なスタートでした。
 札幌に着くと、ホテルにチェックインして、まずは、4回目になる「さっぽろゲイイラスト展」に。絵がかけない私は、イラストを見るのが大好きで、前から行きたかったのです。念願がかないました。
 それから、味噌ラーメンを食べて、ゲイバーへ。のんびりお酒を呑みながら、お話をしました。
 「フトメン☆ゲッチュ」の会場は、外が暑いからというよりも、ガチムチ兄貴たちの熱気でムンムンでした。レインボーマーチでおなじみのドラァグクイーン、全国でご活躍のGOGOやDJの方々など、ゲストも豪華で、ショータイムもとても充実した内容でした。
 曲もバラエティ豊かでノリノリな時間が過ぎてゆきました。

9月16日(日)

空に昇っていくレインボーの
風船(昨年の写真)
 前日と比べ、少し涼しい札幌。
 今年はパレードはないけど、一人でも歩こう!そんなことをふと思いたち、レインボーグッズを身につけ、来年のレインボーマーチ札幌ファイナルの成功を祈りながら、テレビ塔前から出発し、いつものコースを歩きました。途中、バルーンリリースが恒例となっているタワーレコード前で、空を見上げ、今までのパレードのことを思い出しました。テレビ塔前に帰ってきて「一人パレード」を終えると、少し休んで、フライングステージのイベント会場まで歩きました。

フライングステージの
関根信一さん
 15日(土)から始まった劇団フライングステージ「ワンダフル・ワールド」の公演上映会&トーク。「考えてみる?家族のこと。」というテーマで、7月に東京で上演されたお芝居のビデオ映像を上映し、上映後には劇団代表の関根信一さんのトークショーが行われました。ふだん考えているようで考えていなかった家族について、改めて考えることができました。関根さんのこの作品への思いや、過去の作品のエピソード、今後の予定なども聞くことができました。フライングステージは過去に地方公演は札幌でしか行なっていないとか。次の公演も楽しみです。
 夜になり、古い友人がママをしているバーへ。懐かしい話に花を咲かせ、楽しい時間を過ごしました。
 それから、今年めでたく15周年を迎えたナイトイベント「HOLE」へ。ゲストに星屑スキャットをはじめ、たくさんのドラァグクィーンやDJなどが参戦! 5年ぶりに星屑スキャットの生歌を聴けてうれしかったです。たくさんの人が集まり、シルバーウィーク中日の札幌は熱い夜になりました。レインボーマーチファイナルのブースもあり、来年に向けPRをされていました。
 こんな今年の札幌虹色Daysでした。」
 
 VENさんに限らず、きっと札幌でものすごく感動したり、楽しかったり、美味しかったりという経験をした方は多いと思います。来年、残念ながらパレードはファイナルとなってしまいますが、シルバーウィークはぜひ、札幌に行きましょう。そして、たくさんの感動をくれた札幌のみなさんに感謝しながら、笑顔でパレードを歩きましょう。