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秋の映画祭特集(3):香川レインボー映画祭&愛媛LGBT映画祭

映画祭は東京や関西だけではありません。10月7日には香川で、12月1日からは愛媛でもレインボーな映画祭が開催されます。中四国にお住まいの方、ぜひお出かけください。

秋の映画祭特集(3):香川レインボー映画祭&愛媛LGBT映画祭
(トップ画像は、香川レインボー映画祭で上映される『あしたのパスタはアルデンテ』より)

第8回香川レインボー映画祭

 10月7日(日)、四国で最高層を誇る高松シンボルタワーの中の「e-とぴあ・かがわ BBスクエア」という会場で、香川レインボー映画祭が開催されます。2005年、東京や大阪の映画祭に続き、香川在住の藤田博美さんという方がスタートさせたイベントで、毎年秋に開催され続け、今年で第8回を迎えました。

 この香川レインボー映画祭、実はスゴいイベントです。

 まず、プログラムがかなり充実しています。
 これまでにも『ウェディング・バンケット』『トランスアメリカ』『ヨコヅナ・マドンナ』『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』『Tattoo ―刺青』『僕の恋、彼の秘密』など、良質な海外のセクシュアルマイノリティ作品、そして日本のインディーズ作品などを上映してきています。今年も東京の映画祭で観客を湧かせた『夕立ちのみち』、そして、2011年最高のゲイ映画『あしたのパスタはアルデンテ』をはじめ、どれもが観てソンはないラインナップとなっています。プログラム選びの目の確かさを感じさせます。

 それから、行政や一般企業とのタイアップの規模が、想像を絶するスゴさです。
 香川は今、直島をはじめハイクラスな美術館が次々に建設され、アート王国として注目を集めていますが、そうした流れで開催されている「かがわ文化芸術祭2012」に、この香川レインボー映画祭も公式に参加し、香川県と共催という形になっています。
 それだけでなく、高松市が後援につき、地元のTV局・新聞社もこぞって後援に名を連ねています(詳しくは公式サイトをご覧ください)

 高松は地理的にも人口的にも決して主要都市というわけではありませんし、コミュニティも小規模(ゲイバーは5軒くらい)ですが、そんな地方の都市でもこんなにスゴいことができる!というモデルケースになっていると言えます。(現に、お隣りの愛媛でも映画祭が始まりました)
 きっと一般の方も大勢来場することでしょう。世間の人たちにセクシュアルマイノリティのことを認知してもらえるような素晴らしい機会になるはずです。
 運営に携わっている方たちに拍手を贈りたいと思います。

第8回香川レインボー映画祭
日時:10月7日(日)
会場:e-とぴあ・かがわ BBスクエア(高松シンボルタワー タワー棟4・5階)
料金:通し券(3プログラム)前売3,000円 当日3,300円、1プログラム券 前売1,100円 当日1,300円
主催:香川レインボー映画祭実行委員会(PROUD)
共催:かがわ文化芸術祭実行委員会、公益財団法人置県百年記念香川県文化芸術振興財団、香川県【かがわ文化芸術祭2012参加行事】
後援:RSK山陽放送、RNC西日本放送、朝日新聞高松総局、e-とぴあ・かがわ、FM香川、FM815、OHK岡山放送、香川こまち、KSB瀬戸内海放送、KBN香川テレビ放送網株式会社、産経新聞高松支局、山陽新聞社、四国新聞社、高松ケーブルテレビ、高松市、高松リビング新聞社、中讃テレビ、TSCテレビせとうち、ナイスタウン出版、毎日新聞高松支局、読売新聞高松総局

<プログラム>
Aプログラム●13:00~14:35
『夕立ちのみち』
 31年間連れ添ったレズビアン・カップル、ステラとドッティーのロード・ムービー。現在70代でステラは耳が遠くなっていて、ドッティーはほとんど目が見えない状態だ。ドッティーが孫娘に療養所に入れられそうになった時、二人は故郷を出て同性婚の可能なカナダへ行くことを決意する。それは一緒に添い遂げるための最後の試みだ。カナダへの途中、ヒッチハイクをしていたダンサーの青年プレンティスを拾う。三人の珍道中が行きつく結末とは――あなたも、見届けてください。
『夕立ちのみち』Cloudburst
2011年/カナダ・アメリカ合衆国/監督:トム・フィッツジェラルド/出演:オリンピア・デュカキス、ブレンダ・フリッカー、クリスティン・ブース、ライアン・ドゥーセット
 
Bプログラム●15:00~16:40
『ごくごくふつーのっ!』
 「好きなヒトと両想いになりたいぞ!」という、ふつーのシアワセについて描いた作品。ごくごくふつーのシアワセだから、手にいれるのはとっても簡単!なわけもなく、シアワセになるのは、維持するのは、ケッコー難しいよね?というお話。
 非モテのゲイ韮崎保。高校教師をしている彼は、ある日、教え子の四方津優もまたゲイだと知る。自分にもついにシアワセが?と淡い期待を抱く韮崎だが、四方津が好きなのは学年一の優等生初狩。はなから勝負にならないと落ち込む韮崎は、四方津を炊きつけ告白させ、そのキズにつけ込もうとする。
『ごくごくふつーのっ!』Quite Ordinary
2011年/日本/監督:高橋雅紀/出演:保田泰志、真辺幸星、祁答院雄貴、インガ・ペルセフォネー

『SRS ♂ありきたりなふたり♀』
 彼女が「元男」だったら…愛し続けられますか?
「私ね…昔、男だったの。性転換したんだ」ミュージシャンのツヅケンは、恋人ユイに意外な過去を告げられる。その過去を思うと、どうしても“一歩”を踏み出せないツヅケン。そんな折、ツヅケンは謎めいた中性的な男・ミチルと知り合い“性的マイノリティ”が集まる不思議なバー「ライト」に入る。SRS=性別適合手術の存在や性同一性障害を抱える人々に触れ、少しずつ性と愛について考え、自分に真剣に向き合っていくツヅケン。そしてライブの日を迎え、ユイにある“答え”を出すべくステージに立つ…。
『SRS ♂ありきたりなふたり♀』SRS ♂no reason to love♀
2011年/日本/監督:犬童一利/出演:続城健太郎、辻恵美

Cプログラム●17:00~18:55
『あしたのパスタはアルデンテ』
 トンマーゾはローマに住む作家志望の青年。実家は南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社。兄アントニオの新社長就任となり、共同経営者一族の晩餐会が開かれる。帰郷したトンマーゾはそこで家族に言えない3つの秘密を告白すべく、兄に予告する。1つ目は経営学部と偽って文学部を卒業したこと。2つ目は家業を継がずに小説家になること。そして最大の秘密はゲイであること。だが、ディナーの席でトンマーゾが告白しようとした矢先、兄が「僕はゲイです」とカミングアウトしてしまう。一同は驚愕、父は憤怒のあまり、兄に勘当宣告してそのまま卒倒、家族は大騒ぎ。トンマーゾは告白どころかローマに戻れず、共同経営者の美しい娘アルバとパスタ工場を任される羽目に。果たして、トンマーゾの未来は?老舗パスタ会社の将来は?そして、一家に再び平和な日々は訪れるのか?
『あしたのパスタはアルデンテ』Mine Vaganti
2010年/イタリア/監督:フェルザン・オルペテク/出演:リッカルド・スカマルチョ、アレッサンドロ・プレツィオージ、ニコール・グリマウド


第2回愛媛LGBT映画祭2012

 愛媛では昨年からLGBT映画祭がスタートし、今年で2回目を迎えます。香川レインボー映画祭が1日限りのイベントであるのに対し、愛媛LGBT映画祭は市内の映画館を1週間にわたって借り切って開催されます。
 主催するのは、講演会や学習会、行政への訴え(県や市の人権施策など)、IDAHOなどの活動を行ってきたレインボープライド愛媛。以前から映画『ハーヴェイミルク』の上映会などを行ってきたことや、香川での成功が、この映画祭につながったようです。愛媛県、松山市、愛媛県教育委員会、松山市教育委員会、松山市男女共同参画推進センター、松山市人権教育推進協議会など行政の後援を受け、地元のテレビ局や新聞社なども後援についているところは、香川と同様です。
 今年の上映作品は『キッズ・オールライト』『花蓮の夏』『ココデナイドコカ』『Coming Out Story ~カミング・アウト・ストーリー』『百合子、ダスヴィダーニヤ』。『キッズ・オールライト』は、「幸せに暮らすレズビアンカップル」を描いたたぶん初めてのメジャー作品。ベルリン国際映画祭で絶賛させ(テディ賞も受賞)たほか、アネットベニングがアカデミー主演女優賞の本命と言われて話題になりました。台湾映画『花蓮の夏』も、2007年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の目玉作品で、大勢の観客を胸キュンさせた名作です(張孝全が本当に素敵♡)。そして、あの『モーリス』と並び称される英国美青年映画の金字塔『アナザー・カントリー』の特別上映も行われます!
 
第2回愛媛LGBT映画祭2012
日時:2012年12月1日(土)〜7日(金)
会場:シネマルナティック
料金:1作品1500円、3作品3800円、5作品5400円、6作品5900円
主催:レインボープライド愛媛 
助成:松山市市民活動推進補助金
後援:愛媛県、松山市、愛媛県教育委員会、松山市教育委員会、松山市男女共同参画推進センター、松山市人権教育推進協議会、愛媛新聞社、朝日新聞松山総局、毎日新聞松山支局、読売新聞松山支局、南海放送、テレビ愛媛、愛媛朝日テレビ、あいテレビ、FM愛媛、愛媛CATV、駐大阪・神戸米国総領事館

<プログラム>

『キッズ・オールライト』
 レズビアンカップルの二人のママと姉と弟…ちょっと変わってるけど幸せに暮らしてきた家族に突然現れた遺伝子上の父親。様々な感情が入り混じる姿をやさしい視線で描きだした感動作。ママふたりはアネット・ベニングとジュリアン・ムーアという豪華俳優陣による本格派ムービー。
『キッズ・オールライト』The Kids Are All Right
2010年/アメリカ/監督:リサ・チョロデンコ/出演:アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア 、マーク・ラファロ

『花蓮の夏』
 優等生のジェンシンとは対照的にお調子者でクラス一番の厄介者ショウヘン。担任の指示で面倒をみるジェンシンであったが、次第にショウヘンへの想いを心に秘めるように。やがて高校生になった彼らに転校生の女子が現れてから二人の間に波風が立ち始めるのだった。甘いルックスと鍛えられた身体の台湾若手俳優たちが切ない心情を見事に演じ切った話題作
『花蓮の夏』盛夏光年
2006年/台湾/監督:レスト・チェン(陳正道)/出演:ブライアン・チャン(張睿家)、ジョセフ・チャン(張孝全)、ケイト・ヤン(楊淇)

『ココデナイドコカ』
 ファッションデザイナーを夢見ての卒業制作と就職、母親との確執、同棲していた恋人との別れ、ここでない職場、ここでない住処…ここでないどこかを探してさまようリョウ27歳。ごく普通のゲイ青年を、実の姉である監督が一年に渡って追ったドキュメンタリー作品。今の社会を生きるひとりの青年としての生きづらさが浮かび上がります。
『ココデナイドコカ』
2010年/日本/監督:中川あゆみ

『Coming Out Story 〜カミング・アウト・ストーリー〜』
 「自分にとって根源的な欲望は女性の身体を獲得することだった」とおだやかに語る土肥いつきは、長年の夢だった性別適合手術へと向かう。京都の公立高校で教師を続けながらこの十数年来、すこしずつ女性化してきた彼女(彼?)の身体的な終着地点。2011年に劇場公開され、各新聞メディアに取上げられるなど多くの反響をよんだ話題のドキュメンタリー映画。
『Coming Out Story 〜カミング・アウト・ストーリー〜』
2011年/日本/監督:梅沢圭/出演:土肥いつき、米沢泉美、阿久澤麻理子

『百合子、ダスヴィダーニヤ』
 まだレズビアンという言葉もない大正時代に、自らに忠実に生きた実在する女性二人の魂と愛の物語。湯浅芳子は「女を愛する女」であることを隠さずに生きている(ロシア文学者)、天才少女作家としてデビューした百合子(後に日本共産党を率いた宮本顕治と再婚)ふたりは出会って直ぐに惹かれあう。見捨てられる夫の大杉漣は必見!
『百合子、ダスヴィダーニヤ』
2011年/日本/監督:浜野佐知/出演:一十三十一、菜葉菜、吉行和子、洞口依子、大杉漣

『アナザー・カントリー』
 英国パブリック・スクールを舞台に、美しい青年たちの同性愛を描き、元祖ボーイズラブ映画の金字塔とされてきた歴史的作品が約30年ぶりに銀幕に復活します! この作品で、ルパート・エヴェレットがブレイク、耽美好きのファンを熱狂させました。若きコリン・ファースも熱演。
『アナザー・カントリー』Another Country
1983年/イギリス/監督:マレク・カニエフスカ/出演:ルパート・エヴェレット、コリン・ファース