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レポート:第10回台湾同志遊行(2)

10月27日(土)、台湾で第10回台湾同志遊行(Taiwan LGBT Pride)が開催され、6万5千人(主催者発表)もの人たちが盛大にパレードしました。パレードの夜やゲイシーンのレポート、観光ガイドをお届けいたします。

レポート:第10回台湾同志遊行(2)

台北はパレード後のお楽しみもいっぱい! 西門のゲイバー街や観光ガイドなどをお届けします。合わせて、なぜ台湾ではこんなにパレードが盛り上がるのか?についても考察してみました。(後藤純一)



パレードの後はお食事&西門ゲイバー街へ


コミュニティセンターのスタッフ、
シャオさん(左)とさゆりさん(右)
 パレード後は三々五々、ご飯を食べに行ったり、西門の紅楼劇場裏のゲイバー街(オープンカフェみたいになっているところ)で呑んだり、クラブパーティに行ったりという感じだったと思いますが、僕はある方が個人的に開いてくれた「日台友好交流会」というお食事会におじゃましてみました。
 MRT(地下鉄)西門駅出口で待ち合わせだったのですが、パレード帰りのゲイの人たちが次々にゲイバー街になだれこんでいくのを尻目に見ながら、会場の四川料理店「真川味」まで歩きはじめました。西門は若い方も多く、原宿のような街と言われることもありますが、僕らが向かったのは昔ながらの雰囲気を漂わせつつも活気のある昆明街(彩虹会館=レインボーサウナとかがある辺りです)。この辺を歩いてるだけでもイカニモなゲイの方がたくさんいました(超ひさしぶりな友達とかにも遭遇したり)。みなさんご飯タイムだったんでしょうね。
 お店に着くと、日本人と台湾の方とあわせて80人くらいが参加していました。フロアがほぼ全員ゲイという状態でしたが、おばちゃんたちは慣れた様子でご飯を出してくれてました。ここは観光客がほとんどいない、地元の人たちでにぎわうお店だそう(なので、とても安い!)。最初にご飯がドンと出てきたのはビックリしましたが、次々にこれでもかと料理が出てきて、お腹いっぱい、本格的な四川料理を堪能できました(四川料理というと辛いイメージがあるかもしれませんが、全然大丈夫です。美味しかったですよ)
 僕はたまたま、台北のコミュニティセンターのスタッフの方と同じテーブルになり、また、たまたま「akta」でボランティアをしている台湾人の男の子もいっしょだったので、通訳をしてもらいつつ、いろいろお話を聞くことができました。「akta」と同様、HIVの情報をコミュニティに伝えるためのセンターが新竹市(日本で言うと名古屋みたいな街?)と台北(西門)にあり、新竹市では名古屋のNLGRのような野外フェスティバルを開催しているんだそうです(同性結婚式も行われているそうです)。彼らは各テーブルを回ってコンドームやポーチを配り、歓迎を受けていました。
 楽しいお食事会が終わると、さらに三々五々、西門のゲイバーに飲みに行ったり、クラブパーティに行ったり、川湯温泉(後述)に行ったり、ハッテンサウナに行ったり、それぞれのナイトライフを楽しむツアーにお出かけしていきました。
 僕らは西門のゲイバー街へ。オープンカフェのようになっている紅楼劇場裏の広場はすでに何百人という人たち(ほとんどゲイ)で埋め尽くされ、たいへんなにぎわいでした。広場を取り囲む建物は二階建てで、バーだけでなく、アンダーウェアなどのショップもたくさんありますし、コミュニティセンターもあります。バーは基本的にキャッシュオンデリバリーで、なるべく立ち飲みにならないようにテーブルを用意してくれます。座ってゆったりできてチャージ無しって、とってもリーズナブル!(しかもお酒がとても濃い…笑)。通路沿いのテーブルで呑んでいると、ガチムチな台湾のゲイの集団やら、マッチョな香港(シンガポールかも?)のゲイの人たちやら、ハロウィンを楽しむコスプレした欧米系の人やらが次々に通りかかり、見てるだけでも楽しかったです。そのうえ、日本の人たちも大勢いて、あちこちでご挨拶したりしゃべったりしている様は、まるでレインボー祭りのよう(笑)。そんなお祭り騒ぎは深夜まで続くのでした…。
 あとで聞いた話だと、クラブパーティもスゴかったそうです(裸族多数)。以前から「JUMP」が有名でしたが(「Follow Me」というゲイナイトの会場)、新しくできた「ATT 4 FUN」はもっと広くてキレイなハコだそう。次回は行ってみたいです。

なぜ台湾のパレードはこんなに盛り上がるの?

 台湾在住の方や、毎年このパレードに参加しているという友達や、先述の鈴木さん(台湾人のパートナーの方と同性結婚式を挙げた方)や、いろんな人からヒアリングした結果から、どうして台湾ではパレードがこんなに盛り上がるのか?ということをまとめてみたいと思います。
 まず、そもそも、台湾ではデモが盛んで、毎日どこかでデモをやっているんだそうです。日本では昨年来の脱原発デモの盛り上がりを見るまで、長年、ほとんどの人はデモに無縁だった(敬遠していた)し、政治に無関心な方が多かったと思いますが、台湾は真逆。政府の無策や失策にはすぐに声をあげる、そういう社会なんだそうです(お国柄の違いを言い表した言葉で、「日本人は行動する前に考えるけど、台湾人はまず行動してから考える」というのが面白いと思いました)
 そういうバックボーンがあったうえで、着実にパレードなどの活動を続けてきた結果、台北市政府はかなりゲイフレンドリー(支援的)な姿勢を見せるようになり、パレードにも後援するし(東京と比べるとかなりやりやすくなっています)、LGBTへの理解を促すパンフレットを作って学校に配布したりということもやりました。西門のゲイバー街も、台北市のバックアップでできたとか。
 もちろん、ゲイの人たちのなかには、仕事柄とか、さまざまな事情で、パレードは歩けないという人もいます(僕の台湾在住の友達もそう言ってました)。が、沿道で応援するとか、コスプレ(変装)して歩くとか、何らかの形で参加しようとしていますし、少なくとも反対したりジャマしたりということはないです。行政が応援してくれるとなると、なおさら参加しやすくなりますよね。
 そうやって台湾のパレードが大きくなると、香港や中国本土やタイ、マレーシア、シンガポールなどの人も集まるようになり、アジアのLGBTムーブメントの中心的なイベントという位置づけとして認知されるようになったのです。

 日本から台湾のパレードに出かける人も以前からいましたが、ここ数年でものすごく多くなったと思います。僕の見立てでは、今年台湾に行ってた日本人は500人以上(もしかしたら1000人近いかも)。まるで民族大移動。これだけ一気に大勢が出かけるイベントって他に類をみないと思います。なぜこんなにたくさんの人が台湾に行くのでしょうか?
 第一に、台湾の人たちは本当に日本フレンドリーで、もともと台湾に通う人が多かったということがあると思います(前は日本人がモテるとよく言われてましたが、これだけ多くなると…笑)。2008年には、東京のパレードにたくさん来てくれる台湾のみなさんへのお礼の意味も込めて、台湾のパレードに行こう!という呼びかけがmixi上で行われ、浴衣や甚平を着てたくさん歩きました。夜には大きなクラブパーティも開催されますし、アトラクション(お楽しみ)もいろいろあるので、噂が噂を呼んで、とか、みんなで行こうっていうツアーもあったりして、これほどまでになったんだと思います。
 昨年は多額の義援金を寄付してくれた台湾のみなさんへのお礼の気持ちをこめて、という意味合いもあったと思います。そして今年は10周年おめでとうという気持ちもあったでしょう(また、たまたまですがPerfumeの台湾公演と重なっていたので、それも兼ねて、という方もいらっしゃいましたw)
 台湾に行って楽しんで帰って来た方は、きっとまた行こうと思えるでしょうし、いろんな交流が生まれるのは素敵なことです。(まだ行ったことがないという方はぜひ、来年お出かけください)


西門のコミュニティセンター

 とてもゲイフレンドリーで、パレードもこれだけ盛り上がり、「アジアで最も同性婚に近い」と言われ(2004年頃には同性婚の法制化も国会で審議されかけました)、ゲイの楽園のようなイメージを持たれる台湾ですが、一方で、生きづらい部分もあるといいます。それはHIVに対する嫌悪感や陽性者への差別が厳しいということです。ここ数年で感染者が日本の数倍のペースで増えているそうですが、周囲に陽性であることをカミングアウトできず(「周りに陽性者がいる」と言う人は誰もいない、と聞きました)、苦しんでいる様子。コミュニティセンターの方たちもさまざまに努力してはいると思いますが、日本の「Living Together」のような支援的なムーブメントがもっと広がるといいのかな、と思いました。

【おまけ】同志的台湾観光ガイド

 西門のゲイバー街は先ほどご紹介しましたが、その他の観光的な所をご案内したいと思います(サウナ等の情報はこちら

○ご飯処

 地元の友達がいる方はぜひ、オススメのご飯屋さんに連れて行ってもらってください。「鼎泰豊」なんてメじゃない本当に美味しい小籠包屋とか、いっぱいあると思います。
 基本的に台湾料理はそんなに辛くないですし、だいたい何でも美味しく食べられるのですが、八角がたっぷり入った牛肉麺とかはちょっと苦手…などという方もいらっしゃると思います。そこで、日本人の口に合う、リーズナブルに豪勢な食事を楽しめるお店を一軒、ご紹介します。
 遼寧街にある「鶏肉城」という海鮮料理屋は、店先にいろんな種類の魚が並び、その横に伊勢海老や蟹のいる生け簀もあって、日本語でおばちゃんが「これどうする? 焼く? 煮る?」とか聞いてくれるので、「この魚を焼いてください」とか注文すると、あとでテーブルに料理して持って来てくれるというお店です(那覇の牧志の公設市場のような感じ)。3~4人で行って新鮮な魚介をさんざん堪能して、サービスで皿ものをいただいたり、台湾ビールをたらふく呑んだりして、1人2000円しなかったりします(伊勢海老とか頼んでも3000円とか)。贅沢に美味しいものを味わえるお店です。

○川湯温泉
 台北の街並みはどこか昔の日本を彷彿とさせるものがありますが(そもそも戦時中に日本が街の基礎を作ったとか)、日本のように温泉もたくさんあります。
 MRT(地下鉄)で行ける北投温泉も伊豆辺りの温泉街のような趣があっていいのですが(みんなが行く露天風呂は水着がないと入れないので注意)、日本のゲイの人たちがこぞって行くのが川湯温泉です。MRTの石牌駅からバスまたはタクシーで行きます。山の中にあって、カートに乗って移動したり、ひなびた(昭和な感じの)雰囲気を楽しめるのも素敵なのですが、けっこう地元のゲイの人もたくさん集まるようで、さまざまなハプニングがあるとかないとか(いろんな逸話を聞きます)。夜遅めに行くほど人が多いようです(日本と同じですね)。たとえそういうことがなくても、ゆったりくつろげて「ああ、いいお湯だった」と満足して帰れます。

○マッサージ
 台湾は足つぼマッサージで有名ですが、全身の整体やオイルマッサージにもぜひチャレンジしてください。中国四千年の伝統を受け継ぐ技を日本よりリーズナブルな価格で受けることができます。(70分3000円くらい)
 ゴトウのオススメは、行天宮そばにある「活泉」というお店のリンパマッサージ(抜きナシ)です。ここはゲイフレンドリーなお店として海外にも紹介されていて、オーナーさんが日本人だったりもします。選び抜かれたマッサージ師による確かな技(ボキボキやったりしませんし、体のどこが悪いとかちゃんと見抜いて教えてくれます)、そして丁寧なおもてなしにきっと満足できます。遊び過ぎて疲れたとか、飲み過ぎて具合が悪いとかいうときも、1時間リンパマッサージを受ければすっきりしてまた元気に活動できます(マジで)。だまされたと思って行ってみてください。