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レポート:第14回レインボーマーチ札幌

9月19日(日)、札幌で第14回レインボーマーチが開催され、道内外から集まった大勢の方たちが、前後のパーティや交流会、札幌観光なども合わせ、最高の3連休を過ごしました。今回はパレードをメインとした札幌旅行記(紀行文)をお届けします。

レポート:第14回レインボーマーチ札幌

テレビ塔がレインボーに

 9月18日(土)、4年ぶりのレインボーマーチ札幌に心躍らせながら、羽田から飛行機に乗り込みました。千歳空港に到着し、札幌へ向かう快速電車に乗り換えると、名古屋のお友達(元ピンクレゲイーの辰さん。NLGRで大活躍しています)に会い、いっしょに札幌に向かいました(実は辰さんには神戸パレードに行くときも駅で偶然バッタリ。きっと関パレでも会うことでしょう)

 夜、札幌に到着し、ホテルにチェックイン後、21:00から(19:30~に続き、2回目)のレインボー・ライトアップに間に合うよう、テレビ塔に向かいました。切り替わるタイミングに向けて自然発生的にカウントダウンが起こるという噂も聞いていたので、楽しみにしていたのですが、なんと外は大粒の雨…。当然のように、テレビ塔周囲には誰もいなくてちょっと悲しい気持ちになりましたが、札幌のシンボルが僕らを祝福するかのようにレインボー・カラーにライトアップされていることには変わりありません。しばらく雨に打たれながら、テレビ塔を見上げ、写真を撮りました。

 

前夜祭『HOLE』


ゲストのL'esperanzaさん
とISUZUさん(from名古屋)

長年、札幌のゲイシーンを盛り
上げてきたハイビスカス江さん

マコミッシェルさんとダンサーたち
超カッコよかったです!

映像をうまく使ったパルプさんのショー。
しゃべりも絶品!でした

レインボーのハンカチをみんなで振り回し、
大盛り上がりに!

 雨の中、微妙に迷いながらも、狸小路にある前夜祭『HOLE』の会場「Sound lab mole」に向かいました。
 中に入ると、そこは外の天気とはうってかわったハイボルテージな空間。ステージでは札幌GO-GO BOYSがSEXYなパフォーマンスを披露し、フロアは超満員のにぎわい。ヒートアップも最高潮!というときに、第1部のショータイムが始まりました。
 モデル並みのルックスの男の子がハイレベルなダンスを披露したり、まるで50年代のミュージカルのような素晴らしくオシャレでゲイテイストなダンス・ショーがあったり、定番のレディ・ガガ・ショーやお笑いショーなど、いろんなタイプのエンタテイメント(1つ1つのクオリティが高い)で楽しませてくれつつ、みんなが「明日のパレードの成功」のためにがんばって盛り上げてるというキモチが伝わってきて、感動しました。
 もう1つ感動したのは、ショータイムとショータイムの間のDJタイム(J-POPだったりディスコタイムだったり)にも入れ替わり立ち替わりパフォーマーの方たちが登場し、言わば「常にショータイム状態」でフロアを盛り上げてくれたことです。
 以前から札幌は本当にパフォーマーの層が厚い(時に東京より過激)と思っていましたが、それだけでなく、サービス精神といいますか、とことんお客を楽しませようとするキモチのスゴさに圧倒されました。
 第2部のショータイムでも、1部とはまた違う、本格的なグループでのダンス、映像を駆使したTV番組風のショー、シュールなショーなどが繰り広げられていました。
 あまりにもステージが充実しているので、フロアでうだうだしたりする時間がもったいなく感じてしまうくらいでした。この素晴らしいパーティをもっと全国の方に楽しんでいただきたい!と強く思いながら、帰途につきました。

 

パレード!

 9月19日(日)、前夜の雨がうそのように空が晴れわたり(みんな口々に「今年もゲイパワーで晴れたね〜」「奇跡だね!」と言い合ってました)、テレビ塔下に集まった参加者たちは、楽しそうに友達としゃべったり、記念写真を撮ったり、ブースを見て回ったり、レインボーの風船やプラカードを手に取ったり、みんないい笑顔でした。

 13時、いよいよパレードがスタートしました。
 テレビ塔前広場から、先頭車とレインボーマーチの横断幕に続き、「ピアフレンズ」や「キリストの風」などの団体が歩き、札幌や名古屋のドラァグクイーンの方たちが乗った巨大なフロート(実行委員会フロート)が音楽とマイクパフォーマンスでにぎやかに盛り上げ、その後に続いてたくさんの参加者たちが歩きました。そして、フロート間で音をつなげるためのスピーカー車(実は「g-lad xx(グラァド)」が協賛しています)、女の子の集団、HIVのことをメッセージするレッドリボンフロート、野郎系の集団、そしてまたたくさんの参加者たち…といった感じで、いろいろな方たちが思い思いに、楽しく歩いていました。
 警察の方たちの協力もあり(パレードのためにちゃんと信号も止まり、分断されないようになっていました)、一体感をキープしたまま、楽しく行進できました。
 地下鉄東豊線が走る西1丁目の大通りを南下したパレードの一行は、南3条(ススキノのちょっと手前)で西に曲がり、地下鉄南北線が走る札幌随一の目抜き通りへと入って行きました。狸小路で買い物する人たちが手を振ってくれたり、大勢の人たちが写真を撮ったりする中、パレードの一行は、三越やパルコ、四丁目プラザのある市内で最も高級な(東京で言うと銀座のような?)場所でしばらく止まり、カウントダウンのかけ声とともにレインボーの風船をいっせいに空に放ちました。人々の思いを載せた4000個の風船はゆっくりと青い空に吸い込まれていき、参加者たちは感慨とともにその行方を見守っていました。それからまた晴れやかにパレードが再開され、大通り公園でまた東に曲がり、市役所前を通ってテレビ塔に戻っていきました。

 

プライド集会

 帰着後、参加者たちは飲み物を飲んだり(ブースのドリンクは売り切れ状態に)、ブースを見たり、友達としゃべったり、写真を撮ったり、していましたが、14:30頃、プライド集会がスタートしました。
 札幌のドラァグクイーン、パルプさんと、名古屋から来たドラァグクイーン、緑区カナコさんがMCとして登場しました。
 最初にアズという男女のユニットが歌を披露しました。『Over the Rainbow』がみんなの心に響いたと思います。 
 それから、実行委員長さんの紹介で札幌市長・上田文雄氏が登場し、「札幌はいつでもみなさんを歓迎します。すべてのマイノリティの味方です」と、力強いスピーチをしてくださいました。会場からは大きな拍手がわき起こりました。続いて、公明党の北海道幹事長である佐藤道議、社民党の山口たか元市議が登場し、応援のスピーチを披露しました。また、社民党党首である福島みずほさんから「若いスタッフの努力に敬意を表します。テレビ塔が日本一大きなレインボーフラッグとなる日を祝します」という祝電が寄せられました。関西レインボーパレードからも祝電が寄せられていました。
 続いて、恒例のベストドレッサー賞の発表。バディ賞は19歳で初めてパレードを歩いた男の子と、コスプレをしたお母さん&7歳の男の子が受賞。女の子賞は素敵にドレスアップした2人の女性の方、男の子賞はコスプレ女装の方が受賞していました。
 それから、関係各位の挨拶が行われました。今回、たくさんの団体が協力して実現した「レッドリボンフロート」の方、レッドリボンさっぽろ、世界ワールドAIDSデー実行委員会、アムネスティインターナショナル札幌、Qwe're(札幌のクラブイベントを主催。前夜祭もQwe'reが開催しています)、ソフトバンクLGBTマーケティング担当の方、公式イベント「どっきどきバスツアー」や「Rainbow Family Cafe」「フトメン☆ゲッチュ」など各種イベントの紹介と続きました。
 20代の実行委員の方たちがステージに上がると、参加者たちからあたたかい拍手が贈られました。実行委員長の牧さんが挨拶しながら、胸がつかえてしゃべれなくなり、それを他のスタッフの方が励まし…といった場面もあり、感動的でした。「青春」という言葉が思い浮かびました。
 そして最後に、大勢の参加者の方たちがステージ前に集合し、記念写真を撮りました。みなさん、とてもいい顔をしていました。

 

一人芝居「Gay Spirits」&全国交流会

 17:00からは、テレビ塔の2F(実際は5Fくらいの位置)にある「ライラック」というスペースで、劇団フライングステージの関根信一さんの一人芝居&全国交流会が開催されました。会場はテレビ塔らしい鉄骨が部屋の中をボンと突き抜けているような面白いスペースで、ほぼ満席状態でした。
 一人芝居「Gay Spirits」は、ある意味、関根さんの自伝のような、ゲイとしての生き様、ゲイプライドといったものを感じさせる、約1時間にわたる舞台でした。セリフを淀みなくしゃべるだけでも大変なのに、テンポや間合いを計算しつつ、一人で演じきったのは、本当に見事。しっかり笑いも取っていて(演技に不安がない証拠。さすがです)、素晴らしかったです。
 終了後は、実行委員長の牧さんから花束が贈呈され、大きな拍手が贈られました。
 そして、オードブルやソフトドリンクが用意され、交流会がスタート。パレードの立ち上げに携わったHSA札幌ミーティングの方や、今までにパレードに関わったさまざまな方たちがいらっしゃって、とても貴重なお話を聴くことができたりしました。

 

公式アフターパーティ『Festa!』

 ススキノの「a-life」で開催された公式アフターパーティ『Festa!』。受付にはパレードをやりきった充実感に満ちた表情の実行委員の方たちがいました(バスツアーで女装バスガイドをつとめた男の子が衣装を着たまますっぴんで座っていたり)
 フロアでは男の子も女の子もMIXで音や光を楽しんでいました。パレードの成功を祝福するような、パレードの楽しさの余韻にひたるような、とてもいい雰囲気でした。
 ショータイムでは、さっき歩いたばかりのパレードの映像が流れたりする中、しっとりした感動的なショーが次々に披露されました。そんなショータイムの後は、やはりGO-GO BOYSやドラァグクイーンのみなさんがゴージャス&SEXYにフロアを盛り上げ、朝までヒートアップ!状態が続きました。
 前夜祭からアフターパーティまで、パレードを(セクシュアルマイノリティの祭典を)祝福しようとするコンセプトがしっかり貫かれていて、それでいて参加者を楽しませようという気持ちがみなぎっていて、本当に素晴らしいと思いました。

 

ゲイナイト『フトメン☆ゲッチュ』

 アフターパーティと同時に、ススキノの一角では地元札幌の『MAD』というゲイバーが主催する『フトメン☆ゲッチュ』というゲイナイトが開催されていました。
 レインボーマーチ札幌では、公式アフターパーティのほかに、女の子向けのパーティ、そしてこうした野郎系・ガチムチ系・兄貴系なパーティの開催が恒例になっています(多様性への配慮、素晴らしいです)
 『フトメン☆ゲッチュ』には道内外から訪れた野郎系・ガチムチ系兄貴が大勢駆けつけ、独自のねるとんシステムを楽しんだり、『MAD』チームの「キュートン」ショーや緑区カナコさんのショー(お客さんに赤福を早食いさせるという太め好きにはたまらない)ショーで盛り上がりました。(ちなみに『MAD』チームは「キャッツアイ」などの伝説的なパフォーマンスを生み出してきた愉快な集団。ゲイバーらしいノリで楽しませる「札幌の宝」です)
 来年もきっと、素敵なイベントを開催してくれるハズ、と期待します。

 

奇蹟の虹

 こうして、第14回レインボーマーチ札幌は大成功のうちに幕を下しました。
 20日(祝日)はゆっくりと観光を楽しむ方が多かったと思います。ゴトウも札幌在住の友達が車を出してくれたおかげで「どっきどきバスツアー」の一行が訪れた豊平峡温泉(山に面した広い露天風呂があり、お酒を持ち込むこともできるため、開放感と自由な雰囲気を満喫できる穴場の温泉です)や、北海道の海の幸をはじめとするグルメを堪能することができました。
 夕方、市内南区を走っているとき、雨上がりの空に大きな虹がかかっているのに気づきました。虹を見る機会なんてめったにないと思いますが、それがパレード明けの札幌の空に架かったとき、これは「神様からの祝福」「奇蹟」だと感動せずにはいられませんでした。たくさんの人たちの汗と涙の結晶であるレインボーマーチ、この素晴らしい祝祭のために心を一つにして尽力してきた札幌のコミュニティのみなさんへの贈り物だと思いました。このまさかの天の采配に癒されながら、大好きな札幌の街を後にしました。また来年、15周年のレインボーマーチを楽しみにしながら。

(後藤純一)

 

☆レインボーマーチのフォトアルバム
前夜祭『HOLE』
パレード
集会〜アフターパーティ