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「至高のゲイ体験」Atlantisクルーズ(7)涙と感動のラストダンス

Atlantisゲイクルーズ7日目のレポートです。事実上の最終日には、フェアウェル・パーティ、スタッフの方たちの挨拶、ラウンジでの素敵なライブ、ラストダンスと、夢のような日々に感謝し、このクルーズで出会った素晴らしい仲間たちに別れを告げ、涙を誘うような感動の瞬間がたくさんありました。

「至高のゲイ体験」Atlantisクルーズ(7)涙と感動のラストダンス

フェアウェル・パーティ

 夢のAtlantisクルーズ7日目のレポートです。
 いよいよ今日が本当の最終日(正確には、ロサンゼルスに着くのは明朝ですが、実質的に最終日)です。夢のようだった日々ももう終わり、そしてここで出会ったたくさんの人たちとも今日でお別れ…そう思うと、本当にさびしい気持ちになりました。
 ディナーホールで朝食(ブランチ)をいただきました。ボランティア・スタッフをしているヒスパニック系のイケメンたちがなぜかパンツ一丁のSEXYな姿でやってきて、いっしょに食べてました。(一同、口元をほころばせながら二人を眺めていました)
 それからシガー・バーに寄って休憩し、カジノで少し遊びました(ルーレットとかじゃなく、スロットみたいなカワイイやつです)
 幸いにも晴れ間が見えてきたので、デッキに出てみました。船がもうだいぶ北上したのでしょう、外はすっかり涼しくなっていて、つかの間の夏から秋へと逆戻りした気がしました。

 午後5時からの「Final Rinse」というフェアウェル・パーティも、本当は屋上のデッキで行われる予定でしたが、「Studio B」に変更されました。
 夜の間は気づかなかったのですが、「Studio B」のバーカウンターやテーブルがあるフロアは、ちょうど海面の高さにあり、まるい窓から船がかきわける波が見えるのでした。
 「Final Rinse」は昨夜のホワイト・パーティほどじゃないにしても、フロアはいっぱいで、みんな今日は気楽な格好で踊っていました。
 ステージには、大きなフラッグを振り回す人や、エキセントリックな格好の人たちもいて、ました。また、途中2回、Drag Queenのショーがありました(予告なしに突然始まるのです)。最初のショーはレディ・ガガの『Alejandro』『Bad Romance』メドレー。ちょっと親近感が湧く、素敵なショーでした。その次に登場したクイーンの方は、驚きの身体能力を持つ方で、そのダンスのカッコよさにすっかり圧倒され、魅了されました。
 このクルーズで知り合ったいろんな人たちに会い、ハグしたり、キスしたりしながら別れを惜しみました。一方で、このパーティで初めて話しかけて知り合った人(アジア系のかわいい人)とかもいました。

 

感動、そして涙のラストダンス

 パーティが終わったのが8時頃になってしまったので、ディナーは11階で軽くすませ、大急ぎで「Savoy Theater」に向かいました。Miss RichfieldというDrag Queenのステージがあったのです。特大のウィッグと大きなメガネがトレードマークのコミカルなクイーンで、主にトーク、途中で歌、という感じのエンターテイメントでした。周りの観客たちはゲラゲラ笑っていたのに、僕は半分くらいしか意味がわからず、悔しい思いをしました(今度来る時は必ずもっと英語を勉強するぞ、と心に決めました)
 最後にキャプテンはじめスタッフがステージに登場すると、お客さんたちから本当に大きな、心からの拍手が贈られました。商業イベントで、お客さん全員がスタンディング・オベーションしながら心からの「ありがとう!」を伝えるイベントって、そうそう無いと思います。思わず感涙するようなシーンでした。
 乗った人はきっと誰もが同じ気持ちを抱くと思いますが、このクルーズは「えっ、こんなにサービスしてもらっていいの?」という驚きの連続です(しかも、いちばん安い部屋なら1人800ドル=6万5千円くらいです)。「ゴージャスな旅をこんなに安く」という「お得感」もありますが、その底にあるゲイへの「愛」(みんな大好きだよ!という気持ち)が伝わってるからこその拍手なんだと思いました。こんな素晴らしいクルーズに僕らが参加できるのは、Atlantis社の心意気であり、そして、ここに並んだボランティア・スタッフの尽力のおかげ、本当にありがとう!という感謝の気持ちだったのです。

 午後11時までに荷物を部屋の外に出さなくてはいけなかったので(夜中の間に入国管理局の荷物検査が行われるのです)、部屋に戻り、パッキングをしました。
 それが終わって、そのまま朝まで寝てもよいのですが(明朝は7時起きです)、「Last Dance」という本当のラストのパーティが行われているので、「みんなで最後に乾杯しようよ」と提案しました。
 社長とコウくんは部屋にいたのですが、セイタさんが見当たらず…たぶん、14階の高級ラウンジじゃない?という話になり、コウくんと呼びに行くことにしました。(なにしろ携帯が使えないので、部屋にいない時は船内を探すしかないのです)
 14階のラウンジに行ってみると、ラウンジでは、黒人の女の人がしっとりしたライブをやっていました。最高にソウルフルで素敵なバラード…最後の夜にこのオシャレなラウンジで彼女の歌をずっと聴いてたら、絶対号泣する…と思い、ほんのちょっとでも聴けてよかっと思いました。セイタさん、ありがとう。
 結局見つからなかったので、エスカレータに乗って下ったところ、5階で奇跡的にセイタさんが乗ってきて(10台以上あるエスカレータに同じタイミングで乗り合わせるなんて…)、会場の前で偶然、社長に会いました。ちょっと人知を超えた何かを感じつつ、4人でピナコラーダ(ここに来て最初に頼んだのがピナコラーダでした)を注文して、乾杯しました。フロアに降りる前に椅子席でしゃべっていると、あのオースティンの一団がやってきました(それもスゴい偶然です)。いっしょに写真を撮ったり、抱き合いながら別れを惜しんだりしているうちに、なんだか言いようのない感情がこみあげてきて、僕は、誰もいないシガーバーに行き、一人でボロボロ泣いてしまいました(バカですね)
 夢のような日々は、こうして終わりを迎えました。

 

さよなら、Atlantisクルーズ

 8日目の朝。船はすでにロサンゼルスの港に着いています。
 意外にも7時にすっきり目が覚めて、イミグレーション(入国審査)の手続きのために3階のディナーホールへ向かいました。ここにはアメリカ在住じゃない人たちが集まっているのですが、数百人が長蛇の列を作っていて、いかにいろんな国から来ていたかがわかりました。並んで待っている時間は、みんなが一緒なので、それほど苦になりませんでした(こういう時、一人じゃないって本当にありがたいと思います)
 終わってすぐ、まだ11階のビュッフェがやってるというので、朝食をサクっと食べて(何度お世話になったことか…パーティの後でスゴい格好の人たちがご飯を食べてる光景を思い出しました)、最後にデッキでタバコを吸って(ここでもたくさんの人が声をかけてくれたっけ…)、部屋に戻り、手荷物を持って、思い出がたくさん詰まった部屋に別れを告げました。長い廊下を歩き、下の階に行って、デッキを降りたら、この船とも本当にお別れです。

 日本に帰ったらみんなに何と言ってこのクルーズの素晴らしさを伝えようか、と考えていました。
 何かのパーティで、誰かが「本当に世界中からゲイの人たちが集まってるんだね」「そしてみんなとてもいい人たちばかりだね」と言っていたのを思い出しました。本当にそうなのです。
「もし、あなたの周りで、ゲイであることに悩んでいる人や自分を愛せない人、希望を見出せず自暴自棄になっている人、死にたいと思っている人がいたら、ぜひこのクルーズに来るよう、勧めてください」と言いたいと思いました。
 ここには、ゲイであることの喜び、「ゲイでよかった」という思い、そしてゲイへの「愛」があふれています。
 世界中のゲイが一堂に会していっしょに楽しい時間を過ごし、おたがいを祝福し、「僕らの夢」を紡ぎ上げる、素晴らしいイベント。国や人種や体型や年齢に関わらず、誰もがオープンに、気さくに言葉を交わし合い、リスペクトし合い、祝福しあい、愛しあうのです。本当に、かけがえのない経験でした。
 しかも、このクルーズは、決して裕福ではない人たちや遠い国の人たちにも開かれているのです(だからこそ、僕らも参加できたのです)。船全体としては驚くほどの贅沢をしていますが、決して手が届かないようなものではありません。
 ですから、ぜひ、一生に一度はこのクルーズに乗ってみてください、そう伝えようと心に誓いながら、デッキを下りました。
 そして、心の中でこう叫んでいました。
「さよなら、Atlantisクルーズ。さよなら、みんな。夢のような日々をありがとう!」

 

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