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名古屋のコミュニティイベント「NLGR2010」熱々レポート

6月4日~5日の2日間、名古屋のコミュニティイベントNLGR2010が開催されました。天気にも恵まれ、全国からたくさんの人たちが集まって、あたたかく、楽しく、盛り上がりました。その感動をレポートいたします。

名古屋のコミュニティイベント「NLGR2010」熱々レポート

 NLGRNagoya Lesbian & Gay Revolution)は、名古屋のゲイコミュニティが総力を挙げて取り組むコミュニティのお祭り。ゲイタウンのすぐ近くにある池田公園で2日間にわたって野外フェスティバルを開催し、同時に無料のHIV検査も実施するというものです。
 もともとは2001年にAngel Life NagoyaというゲイのHIV予防啓発団体が始めたもので、年々、広がりを見せるようになってきました。
 様々な苦難も乗り越えながら、今年でめでたく10年目を迎えたNLGR2010。6月4日~5日の2日間、好天にも恵まれ、盛大にあたたかに開催されました。その楽しさと感動をレポートいたします。
(後藤純一)

1日目のステージ

 12時のオープニングはNLGRには欠かせない存在となっている屋良朝友さんがライブを披露。「ゲイ心を歌って23年」の貫禄を見せました。

 続いて各ブースの紹介タイム。NUDE JAPANやバディ・ブースはセクシーなモデルさんを用意し、NLGRへの熱意を感じさせました。

 HIV勉強会」では、市川誠一さん(名古屋市立大学教授。全国にゲイのコミュニティセンターができたり、NLGRのようなイベントができているのは、市川先生のおかげです)らが登壇し、今どのくらい感染が広がっているのか、なぜ検査を受ける必要があるのか、といったお話をしてくださいました。

 それから、男の子2人のDANCE TEAM Bea[s]tによるダンス・パフォーマンスが行われました。雲一つない(暑いくらいの)日差しの下、一服の清涼剤のようにさわやかな時間をプレゼントしてくれました。

  続く「SMチック運動会」は、ドラえもんの着ぐるみを着て亀甲縛りされた男性のほか、スクール水着を着た女性たちやパンツ一丁のゲイ男性の方たちが登場し、ローション入りのプールでレースしたりというものでした。写真ではお見せできない(撮影NGだった)のが残念です。

 トーク「陽性者から思う HIV/エイズって?」では、この前の週に放送された『ハートをつなごう』にも出演されていたHIV陽性者支援団体「LIFE東海」のシンヤさん(陽性者としてメディアに登場されたその勇気に心から拍手を贈りたいと思います)と、かつて世間でも注目を集めたOKAMANOKENさんの2人が登場。陽性者の経験を通じて見えてくるHIV/エイズのことを伝えてくれました。

 みなさんおまちかね!のドラァグクイーン企画。司会の緑区カナコさん(本当にウマい名司会者です。何度となく大笑いさせていただきました)、クラブパーティ「PIERROT」のL'espelanzaさんが進行役をつとめ、新人の方からベテランの方まで、様々なクイーンがショーを披露。それから、それぞれのクイーンが会場からイケる男の子を引っ張ってきて壇上に上げ、いっしょに「名古屋でオススメの食べ物」などのお題に答えるというトークショーが行われ、ゆるーく盛り上がりました。

 続いて、名古屋で活躍するバンド「OVER FLOW」、元「Lush/Rush」の飛鷹祥さん、屋良朝友さんら、ゲイインディーズミュージシャンによるライブ演奏が繰り広げられました。ライブ目当てで集まってきた方たちも多く、音楽の力は偉大だな、と再確認させられました。

 そして、昨年ピンクレゲイー解散コンサートで惜しまれつつシーンを去った聾者の辰さんが、山口百恵をカバーする「桃辰聾」としてパフォーマンスを披露し、大きな拍手を浴びていました。
 最後に、今回のNLGRの総合司会としても活躍してくださった(まる2日間も…本当におつかれさまでした)トランスジェンダーの歌姫hijiri-hajimeさんが、ジュディオングばりの(それ以上の)ゴージャスな衣装で観客を魅了し、1日目を締めくくってくれました。「Wind is blowing from…」と歌っているところで本当に風が吹いてきたりして、神々しささえ感じさせるステージでした。

 その後、『Lの世界』で話題になった「ドキッ!女だらけのオイルレスリング」が初開催され、夜の池田公園をひときわエロティックに彩りました。

 

魅惑のブース

 様々なブースが会場を彩り、来場客を楽しませてくれていました。その中のほんの一部をご紹介いたします。(顔出しが難しい方も多いため、画像はギャラリーページに掲載しております)


NLGRの初期の頃からにぎやかなブースを出店して会場を盛り上げてくれた『バディ』。今回も雑誌『バディ』やアンダーウェアなどを販売。ビデオが当たる宝くじなども好評でした。

STUDIO STAGも毎年NLGRに協賛してくれています。系列のNUDE JAPANはこんなイケメンモデルを用意して会場をSEXYに彩ってくれました。
 
名古屋市・愛知県もNLGRを応援してくれています。HIV検査は現在、名古屋市が中心となって運営されているそうです。素晴らしい!

 その他、ぷれいす東京、健康チェック企画を行っていたAGP東海、手話サークルのブース、冷たいドリンクでおもてなししてくれたBEAR CLUB JAPAN(ありがとうございます!)、LGBTのクリスチャンの方たちが集う「東海キリストの心の会」、わざわざ台湾から来てくれた台湾レッドリボン基金、いろんなサークルが集まったCBOブースなどがたくさん出店されていました。

 

名古屋の夜を熱く盛り上げたゲイナイト

 夜には栄で3つのゲイナイト(とレズビアンナイト)が開催されました。
 本当は3つとも回りたかったのですが、体力の限界もあり…ここでは名古屋を代表するゲイナイト「Pierrot」をレポートいたします。

 名古屋が誇るビッグ・パーティ「PIERROT」。若いゲイたちでごった返し、身動きもとれないほど。総勢60名ものDRAG QUEENGO-GO BOYSDJが出演したそうで、ものすごいパワーを感じさせました。第1部ショータイムでは、名古屋の新人・骨味(こつみ)さん、名古屋のベテラン・ジャジャイラさん、「歌って~踊って~」でおなじみのフーチ葉よもぎさん、大御所・マルガリータwith AKI&HOHさん、ご存じCampy!ガールズ with 緑区カナコさん、名古屋の宝・釜口ホモ恵さんらが登場し、目くるめく(抱腹絶倒の)パフォーマンスでクラウドを魅了。そして、GO-GOショーでは、1人ずつ花道を進んできてアンダーウェアを客席に投げるという趣向で、異様な盛り上がりを見せていました。
こちらのギャラリーでご覧いただくことができます)

 

2日目のステージ

 名古屋のゲイの吹奏楽団「WING」が、東京の「みんなでブラス!」や福岡、岡山、神戸、大阪など各地の吹奏楽団と合同でブラス演奏を繰り広げました。合唱サークルや着物姿のhijiri-hajimeさんがいっしょに歌ったり、手話サークルの方たちがいっしょに手話で「翼をください」をパフォーマンスしたりと、とても感動的な時間でした。が、写真でお見せできない(撮影NGだった)のが残念です。

 毎月コミュニティセンター「rise」で行われている「僕らのゲイライフプロジェクト」の拡大版トークイベント「虹色スタイル~人生いろいろ」では、ゲイだけでなくレズビアンやトランスジェンダーの方なども参加し、恋愛やライフスタイルについて語っていました。

 そして、昨年に続き、ゲイのアイドルグループ「虹組ファイツ!」が登場。かつてミルフィーユや博多あややなどに楽曲を提供していた田中守さん(現・岡本忍さん)がプロデュースする総勢30名のゲイ・アイドルグループなのですが、アイドルと言ってもジャニ系とはかぎらず、ふつうっぽい方も40代の方もガチムチ野郎系な方もいるような(「みんな誰かはイケる」的な)幅の広さが魅力的で、まるでおニャン子かハロプロのように、様々なユニットで次々に持ち歌を披露していました。歌やダンスもなかなかでしたが、なにより、全員心から楽しそうに「アイドル」になりきっている様が素敵でした。

 2日間にわたって繰り広げられたNLGRもいよいよ大詰め、というところで「アニソンカラオケ大会」がスタート(そう言えば前夜にはhijiri-hajimeさんも「宇宙戦艦ヤマト」を熱唱していました。名古屋ではアニソンが熱いのでしょうか?)。ドラゴンボールやガンダム、ジョジョの奇妙な冒険などの定番アニメの主題歌を熱唱するノンケさんたちを押さえて優勝したのは、「ONE PIECE」のテーマソングを歌ったゲイの方と、ビアンの2人組の方たちでした。最後には「エヴァンゲリオン」の綾波とアスカのコスプレをした女性の方たちがデュエットしていました。

 客席の真ん中からステージまで白いバージンロードが敷かれ、客席のいちばん前に親族席が設けられ、同性結婚式がスタートしました。今年はたじきちさん&熊姫さん、ひろしさん&よしたかさん、がんたつさん&くまひろさんの3組のゲイカップルと、マサさん&スーザンさんのレズビアンカップルが式を挙げました。

 たくさんの観客(ゲイやレズビアンだけでなく、近所の家族連れの方たちなども)が見守る中、愛する人と手をつなぎ、一歩一歩バージンロードを歩いてゆく二人。ステージに上がると、女性の牧師さんが男女の結婚式と全く同じように、式を執り行ってくれました。「病めるときも健やかなるときも愛することを誓いますか?」という本式の宣誓を行い、指輪や誓いのキスを交わすと、会場からは大きな拍手が起こります。そして、牧師さんが「神が結ばれたこの二人を、なんぴとも引き離すことはできない」という言葉を述べて(感動です)、二人がまたライスシャワーを浴びながらバージンロードを歩いて戻り、ブーケを投げ(観客、大盛り上がり)、式が終了しました。

 ゲイカップルの3組はそれぞれおそろいの、かわいらしかったりオシャレだったりなコスチュームで参加していました。一方、レズビアンカップルのお二人は、スーザンさんがウェディングドレス、マサさんがタキシードというスタイルでした。

 親族席では、マサさんのお母様と妹さんが「いろいろ大変だったけど、本当によかったね」と手を取り合って泣いていましたその姿を見て、今までの苦労を想像し、こちらも思わず、もらい泣きしてしまいました。

 結婚式が終わると、いよいよ本当にNLGRもエンディングを迎えました。

 実行委員をつとめた方たち(エンジェルライフ名古屋のチャオさん、LIFE東海のシンジさん、T's barの菊さん、高倉唯さん、「gid.jp」東海支局長の安間優希さん)がステージに上がり、ご挨拶しました。女子代表で今回初めてNLGRの実行委員をつとめた唯さん(名古屋で活躍するタレントさんだそうです)は感極まって号泣再びもらい泣きしてしまいました。

 最後に、スタッフや出演者の方などもステージに上がり、「世界にひとつだけの花」を手話付きで合唱し、あたたかで感動的だった2日間のイベントは幕を閉じました。

 

10年を振り返って

 後藤は2001年のNGR(第1回目だけはNGRという名称でした)の頃から2007年までずっとこのイベントに参加し、(私事ですが)2006年には結婚式も挙げさせていただきました。個人的に思い入れの深いイベントになっているのです。

 今回、3年ぶりにNLGRに参加したのですが、あらためて、いろんな意味でスゴいイベントだと感銘を覚えました。

 10年目を迎えた今年のNLGRのテーマは「十人十色~みんなちがって、みんないい」だったそうですが、ゲイだけじゃなく、レズビアン、トランスジェンダー、SM好きな人たち、アニソン好きな人たちなど、まさに多種多様な人たちが参加する、真にクィアなコミュニティイベントだったと思います。やれそうでなかなかやれない、ゆるくてあったかくて自由なお祭りでした。

 何でもそうですが、10年続けるというのは本当に大変なことです。

 NLGR10年の間にいろんなことがありました数々の伝説が生まれ、壮大な歴史を描いてきました。本が1冊書けるくらいです。

 初期の頃は、『四角い夏』や『ひまわり』というゲイ史に残る名作映画が名古屋からコミュニティから生み出され、後藤は何度となく号泣させられました。

 2003年~2005年には、名古屋ゲイコミュニティの立役者であるオーバーワークプロダクションのめいちゃんがNLGRと同時開催で大きなお祭りを行い、「愛・地球博」のモリゾーとキッコロが来たりして、とんでもない盛り上がりを見せました。が、2006年の3月に急逝し、多くの人たちがその死を悼みました。

 2007年には参議院選に立候補する尾辻かな子さんがパートナーの方と結婚式を挙げ、マスコミも詰めかけ、当時民主党党首だった小沢一郎氏や当時同党幹事長だった鳩山由紀夫氏などからの祝電が読み上げられるという、歴史的なイベントになりました。

 今も、名古屋のゲイコミュニティのいろんな人たちが、NLGRだけでなく、ナイトを盛り上げたり、いろんな形で参加し、6月の名古屋ウィーケンドを全国に印象づけています。

 この先、どんなふうにこのイベントが進化していくのか、とても楽しみです。
 そして、これからも応援していきたいと思っています。

 

☆NLGRのステージイベントや会場の様子を伝えるフォトアルバムもご覧ください