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性同一性障害をテーマにした朝日新聞の「ニッポン人脈記」がスタート

 朝日新聞の夕刊に連載されている「ニッポン人脈記」は、日本を支え、動かしているような様々な人たちの生き様を取材し、「女がはたらく」「魂の中小企業」「感染症ウォーズ」「イラク 深き淵より」といった社会問題(時には「愛 タカラヅカ」といったエンターテイメントも)を掘り下げ、日本の未来を探るようなインタビュー連載です。文庫本として出版もされており、朝日新聞の目玉記事と言ってもよい、注目度の高い連載です。

 そんな「ニッポン人脈記」の新シリーズは「男と女の間には」。性同一性障害(GID)をテーマとしており、当事者の上川あやさん(世田谷区議)や、野宮亜紀さん(プロフィールはこちら)が登場しています。

 記事は、上川あやさんが2003年、世田谷区議選に立候補し、街行く人に演説しているところから始まります。

 中学の頃、のど仏が出て男の体になっていく自分がいやでたまらなかったあやさん。就職した先で職場の男性を好きになるも、思いは叶わず。二丁目で出会ったゲイの人には「男が男を好きでもいいじゃないか。女になる必要はない」と言われ、自分は違うと感じました。体の性を心の性の不一致に悩む人たちの仲間を見つけ、やっと合点がいったあやさんは、ホルモン療法を始め、会社を辞めました。見た目の性別と保険証の性別が異なるために病院にも行けない人がいる、自殺未遂を繰り返す人もいる、そんな現状に対し、会の仲間から「上川さん、区議選に出てよ」と声が上がりました。迷うあやさんの背中を押してくれたのが、親友の野宮亜紀さんでした。「動かなければ世の中は変わらない。それでも女性として生きてはいける。ただ、つらい人生だよね。あっちゃん自身、それでいいのかな――」。彼女は決意します。高校時代、告白を真っ先に受け入れてくれた母親だけでなく、反対すると思っていた父親までが応援してくれました。

 街頭で演説する上川あやさんは世間の冷たさに直面します。「おかまか」「どういう性器なんだ」と言う人もいたそうです。しかし、応援してくれる人もたくさんいました(ゲイの方もたくさん応援に駆けつけました)。結果は、72人中6位で当選。翌朝、年配の見知らぬ女性が上川に「世の中、捨てたもんじゃないわね」と声をかけてくれたそうです。

 僕らが読んでも、世間の人たちが読んでも、感動を覚え、共感できる、そういう物語になっていると思います。
 この先、どんな記事が続いていくのか、とても楽しみです。(後藤純一)

 

見えない壁 突き破った ―ニッポン人脈記(朝日新聞)
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY201009060210.html

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