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HIV感染は依然として増加傾向。短期間で発症に至るウィルスも

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 世界エイズデーを前に、厚生労働省のエイズ動向委員会は11月29日、7~9月の自治体によるHIV抗体検査の件数は3万4184件で、4~6月(3万1691件)と前年同期(3万2898件)をいずれも上回ったと発表しました。
 新型インフルエンザが流行した昨年3~6月以降、検査件数が前年同期より下回る状態が続いていましたが、ようやく持ち直した形です。ただし、一昨年同期(4万3741件)には及びませんでした。
 今年7~9月に新たに報告された感染者は257人、感染に気づかないままエイズを発症した患者は111人でした。いずれも4~6月よりは減りましたが、前年同期よりは多く、増加傾向は変わらないそうです。

 エイズ動向委員会委員長の岩本愛吉東大医科研教授は「新規報告の3割が、症状が出て初めて感染がわかった患者という点が一番気になる。発症前に治療すれば何十年も普通の生活ができるだけに、早期発見してほしい」と強調しました。

 国連合同エイズ計画の発表によると、過去10年間で世界のHIV新規感染者数は約20%減少しました。しかし、日本を含めた東アジアでは増加しています。「関心の低さが一因」と言われています。(右上のグラフを見ると、HIV予防対策費の減少と感染者数の増加が見事に一致していることがわかります)

 また、朝日新聞の記事では、数年という短期間で発症する新しいタイプのウィルスへの注意が呼びかけられています。
 国際医療研究センター戸山病院エイズ治療・研究開発センターの岡慎一所長は、急性感染が確認された83人を調べると、3年後に治療が必要になった人が8割以上いたことを明らかにし、「免疫から逃れるウィルスが増え、間違いなく発症がどんどん早くなっている」と延べました。(ゲイシーンではすでに「できる!」キャンペーンの中でこのことが語られています)
 12月にHIV感染症「治療の手引き」改訂版をとりまとめる木村哲・東京逓信病院長は「今回の一番大きな変更点は、早期発見、早期治療の重要性がより強調されるところだ」と語ります。早く治療を始めれば、それだけ長く生きられるのです。

 現在までに治療薬は20種類を超え、複数の薬を組み合わせて飲む多剤併用療法(HAART)により、発症前に治療を始めれば約40年もの間、発症を防げると考えられています。ただし、どの薬にも、効かない耐性ウィルスが必ず登場するといいます。
 そこで注目されているのは、2007年に発売が始まった「ダルナビル(一般名)」です。従来の薬は標的が1つでしたが、ダルナビルは2つ。標的の片方が変異を起こして薬の攻撃を逃れても、もう1つ標的が残り、耐性が起きにくいのです。開発した満屋裕明・熊本大教授は「いわば二刀流の薬」と語っています。(日本でこんな画期的な治療薬が開発されたのは素晴らしいことです)

 エイズ動向委員会報告を見ると、7〜9月の新規HIV感染者257人のうち、同性間性的接触によるものが180人(約70%)、異性間性的接触によるものが37人(約14%)、新規エイズ患者では、111人のうち50人(約45%)が同性間性的接触、29人(約26%)が異性間性的接触によるものでした。(2009年度に比べると、新規HIV感染者で割合が微増、新規エイズ患者で微減しています。戦略研究の成果の表れと言えないでしょうか)
 このデータからもゲイまたはバイセクシュアル男性のための重点的な予防施策が必要だということは明らかですが、50億円超の対策費のうち、いったいどれくらいが割当てられているのでしょうか…現在は研究費でまかなわれている予防の継続的な事業化が望まれます。(後藤純一)
 
 

HIV検査減少に歯止め 感染は増加傾向続く(47NEWS 共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010112901000729.html

エイズ新規感染、10年で2割近く減少(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101124-OYT1T00280.htm

HIV感染者、国内は増加傾向 短期で発症のウィルスも(朝日新聞)
http://www.asahi.com/health/news/TKY201011290401.html

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