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中国や韓国で外国人や帰国者へのHIV検査の強制措置が撤廃されつつあります

2010年12月02日

 中国では今年4月末、HIV陽性者やハンセン病患者の入国禁止措置を撤廃しました。国際社会から差別的だとの非難が高まっていたこと、上海万博を控えていたこともあって実施されたものと見られています。
 しかし、1年以上海外に在住した中国国民に対しては、帰国の際、エイズ検査が義務づけられており、在外華人への差別的待遇が続いていました。
 11月25日、国家品質監督検験検疫総局は「出入国エイズ予防管理弁法改訂に関する決定」(パブリックコメント稿)を発表し、上記の規定を削除しました。
 米国在住の中国人から、帰国手続きが複雑化する、検査に費用も時間もかかる、検査で逆に健康被害が起きる不安もあるなどの反発があったこともあり、廃止に至ったようです。
 これにより、中国でのHIV陽性者の入国規制は完全に撤廃されることになりました。

 また、お隣りの韓国でも、今年1月からHIV陽性者の入国規制が撤廃されることになりました。が、実態は、外国人に対するHIV検査の強制という措置は温存されており、国際社会から批判を浴びていました。
 それを受けて、この1O月、政府はようやく、12月末から外国人へのHIV検査の強制を廃止することを決定しました。ただし、教育科学技術省や学校保護者団体などの反発に押され、英語などを教える外国人講師に限り、現在もHIV検査が義務付けられています。
 11月10日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議へ出席するために韓国入りした国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、金滉植(キム・ファンシク)首相と会談し、「人権国家として、またG20議長国として、恥ずべきことではないか」と話し、規定の完全撤廃を要請したそうです。

 ちなみに、The Global Database on HIV related travel restrictionsのデータによると、今現在、世界でHIV陽性者の入国を禁止している国は、バハマ、ブルネイ、赤道ギニア、イラク、パプアニューギニア、カタール、ロシア、シンガポール、ソロモン諸島、スーダン、アラブ首長国連邦、イエメンの12カ国だそうです。
 また、外国人の90日以上の滞在に際してHIV検査が義務づけられている国・地域として、上記のほかに台湾やエジプトなど数カ国が加わります。さらに、HIVを持っていることがわかった外国人を国外退去させる国はもっと多く、上記の15カ国のほかにサウジアラビア、モンゴル、インド、バングラデシュ、ハンガリーなど、全部で27カ国に上ります。
 


海外滞在者に対する帰国後のエイズ検査撤廃へ—中国(Record China)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101128-00000007-rcdc-cn

外国人の「エイズ強制検査」年末から廃止(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=134201&servcode=400&sectcode=400

潘国連事務総長「外国人エイズ患者差別は恥ずべきこと」(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/news/20101116000016

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