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ニューヨークのHIV予防CMにゲイ団体が反発

 TOKYO MXで放送されたニュースによると、ニューヨーク市の衛生局がゲイ(またはバイセクシュアル男性)に向けて流したHIV予防のCMに対し、ゲイの議員や団体らが「逆効果」「侮辱している」と反発しているそうです。

 ニューヨーク市の衛生局が新たに作ったCMには、白人、ヒスパニック系、黒人、アジア人の(おそらくゲイまたはバイセクシュアルなイメージの)男性たちが出演しています。そして「ANAL CANCER(肛門がん)」などの文字や、ただれた肛門の映像、頭を抱える男性の脳が萎縮していく映像、病院のベッドに横たわる男性の映像、「毎年NYでは同性愛者の44%が新たに感染している」「感染者数は減少していても、30代以下の男性同性愛者の感染は増加している」「HIVにかからないでいて」「コンドームを使って」という文字が映し出されます。

 市の衛生局が伝えたいことは、「HIVは感染だけで終わらない」ということ。「HIV感染は死の病ではなくなったが、脳の萎縮や認知症、肛門ガンの原因となると警告」したかったのです。

 しかし、これに対し、ゲイの議員や団体からは「感染者を悪者扱いする誤ったメッセージを伝える」と批判の声が上がっています。
 同性愛者協会のS・ジェイン氏は、こう語ります。
「最初から終わりまで 感染の危険者に烙印を押そうとしているようです。感染者に汚名を着せるCMなら別ですが」
 ジェイン氏は、当局がCMを放送する前に相談してほしかったと述べます。
「もし検査結果が陽性と出て、あのCMで骨粗鬆症や認知症、肛門がんの可能性があると言われたら、治療をやめますよ」

 HIV防止制圧局の副本部長であるスウィニー医師は、CMは事前に同性愛グループに見せ、彼らの意見を取り入れたと述べています。さらに映像の内容は、禁煙キャンペーンと同様、効果的と評価されたそうです。

 ゲイであることを公表した最初のニューヨーク市議であるダニエル・ドロム氏は、「HIVの恐怖をあるのは逆効果だ」と批判します。
「感染してるかどうか知りたくない人も多いし、家族にも言えず、不安感が増すのです。あのCMは脱落者を作るだけです」

 ドロム議員とジェイン氏は放送の中止を要求しました。
 衛生局は年内あと1週間と年明け2週間、放送する予定だそうです。

 
 アメリカでは以前から多くのHIV陽性者がカミングアウトし、顔を出して自らのことを語ってきました。MTVなどでもそうした特番が放送されていましたし、人々が陽性者へのシンパシーとともにHIVを身近でリアルに感じることができるような機会がたくさんある、そういうイメージでした。が、お役所はまだ恐怖心をあおる(失敗に終わるとさんざん言われている)政策をとっているのかと驚かされました。
 アメリカのHIV予防の現状の一端が窺える、たいへん貴重なニュースでした。(編)


HIV防止テレビCMに批判(TOKYO MX NEWS)
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news_ny1/201012136.html

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