2010/07/14
共同通信ほか
共同通信によると、米政府は7月13日、年間のHIV新規感染者数を25%減少させ、感染から3カ月以内に85%が治療を受けられることなどを目指した新たなエイズ対策戦略を発表しました。
ホワイトハウスによると、米国内のHIV感染者は累計110万人以上(日本の約100倍)で、毎年5万6千人(日本の約50倍)が新たに感染しています。
政府は3千万ドル(約27億円)を投入して総合的な感染予防策を拡充し、特に感染率が高い同性愛者や黒人層などを対象とした対策を強化します。エイズ患者には治療のほか、住居などの支援も行います。
エイズ&ソサエティ研究会議のニュースによると、こうしたエイズ対策戦略は、ホワイトハウスの国家エイズ政策室(ONAP)が全米14カ所でコミュニティとの討論会を開催したり、インターネットによる意見聴取を行い、それをもとにコミュニティ提案報告書をまとめたものがベースとなっています。
ほぼすべての州のHIV陽性者、男性、女性、トランスジェンダーの個人、若者や年配者、さまざまな民族的、人種的なバックグラウンドや性的指向を持つ人たちから、1000件を超える意見を得たそうです。
国家エイズ政策室はこのプロセスによって、ソーシャルマーケティングキャンペーン、および若者や薬物注射使用者、有色人種のコミュニティ、ゲイ・バイセクシャル男性に対する包括的なHIV予防・教育を通じ、HIV/エイズ問題が米国民にとって最前線の関心事項に戻るよう求める人が多いことを認識しました。ケアに対するアクセスも常に取り上げられる課題でした。とりわけ、HIV陽性者に対する支援サービスの拡大、肝炎・薬物使用・メンタルヘルスなどとの同時進行事例にたいする診断・治療の必要性、経済的な不安定要因(住宅確保、失業など)などが指摘されました。
そして、この国家エイズ政策室の室長を務めているのが、昨年2月末、オバマ政権によって任命されたオープンリー・ゲイのジェフリー・S・クローリー氏です。公衆衛生修士のクローリー氏は、ジョージタウン大学の健康政策研究所の主任研究者を務め、全米&国際健康法研究所の主任研究者でもあり、ジョージ・ワシントン大学のHIV/AIDS研究所にも籍を置いていました。HIV陽性者の全米連盟の副専務理事を務めていたこともありました。
(後藤純一)
エイズ感染、25%減少目指す 米国が新戦略(共同)
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100714/bdy1007141022001-n1.htm
米ホワイトハウス国家エイズ政策室(ONAP)がコミュニティ提案報告書(エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト)
http://asajp.at.webry.info/201004/article_2.html