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韓国でも同性愛者の従軍について議論されています

2010年10月29日

 アメリカで同性愛者の従軍を認めるかどうかという問題は今や世界的な関心を集めていますが、韓国ではもっと厳しい処罰が行われており、人権侵害だという論議を呼んでいるそうです。

 韓国の国家人権委員会の最高意思決定機関である全員委員会は25日、軍隊での同性愛者に対する処罰を定める軍刑法第92条が同性愛者の平等権と性的自己決定権、私生活の秘密と自由を侵害し、罪刑法定主義などに反するという趣旨の意見書を憲法裁判所に提出することを議決しました。

 今回の人権委員会の決定は、軍の性的少数者を支援する市民団体から5月に要請があったことを受けたものだそうです。人権委は同案件を検討した結果、同性愛が戦闘力や軍の規律、結束力の低下とは直接的な関連性がなく、軍刑法による刑事処罰は性的指向を理由にした平等権の侵害であり、時代の流れにも逆行すると判断したそうです。

 人権委によると、2004~2007年に同法が適用されたケースは計176件で、このうち、双方の合意に基づく同性同士の性行為4件のうち3件は刑事処罰され、1件は起訴猶予処分となったそうです。

 人権委は、外国でも軍の同性愛者が刑事処罰を受けたケースはなく、カナダ、オーストラリア、イスラエルなどでは自ら同性愛者と公言しても入隊が認められると説明しました。

 一方、国防部関係者は人権委の判断に対して直ちに反発し、「軍刑法の第92条は、個人の性的自由を保護するものではなく、『共同社会の健全な生活と軍綱紀』という社会的な法益を保護する条項だ」とし、「上下関係が厳しい軍組織において、同性同士の性行為が強制される場合はどうするつもりなのか」と否定的な考えを示しました。

 市民団体も、同委員会の判断をめぐって意見が分かれているそうです。軍人権センターのイム・テフン所長は、「米国でも軍隊内の同性愛を処罰する法律はないと聞いている。憲法裁は人権委員会の判断を尊重するべきだ」と話した。これに対して「正しい性文化のための国民連合」の関係者は、「北朝鮮と対峙している状況下で、人権委員会の判断は納得し難い」とコメントしました。

 今後、国内でこの問題をめぐる議論が激化すると見られています。

 
人権委「軍隊の同性愛処罰は違憲の可能性」 国防部は反発(東亜日報)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010102892378

同性愛者に対する軍の処罰は人権侵害?論争再燃(YONHAP NEWS)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2010/10/27/0200000000AJP20101027001200882.HTML

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