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9月20日、アメリカの同性愛者の「職業選択の自由」が完全なものになります

2011年07月27日

 7月6日、サンフランシスコ連邦高裁はアメリカ政府に対し、同性愛者が軍務に就くことを禁じた米軍規定(「訊かざる、言わざる」政策)をただちに執行停止するよう命じました。すでに昨年12月、連邦議会で同政策の撤廃が決定していましたが、国防総省が制度変更などの準備作業を進めており、早期に新制度へ移行するよう司法が後押しした形です。

 そして22日、オバマ大統領は、同性愛者軍務禁止規定撤廃法を施行する準備が整い、議会に通知したとの声明を発表しました。軍の受け入れ準備完了の認定・通知から60日後に効力を発するという同法の規定に基づき、9月20日以降、晴れてオープンリー・ゲイやレズビアンの従軍が認められることになります。これまで同性愛者には「就くことができない職業」があり、職業選択の自由が完全には認められていませんでした(公に差別されていました)。しかし、9月20日からはそうした不平等が無くなるのです。(映画『ミルク』で描かれていたように、1970年代にはゲイが教師になることを禁止しようとする住民投票も行われました。アメリカのゲイたちはそうした動きと闘い、1つ1つ自由と平等を手に入れてきたのです)
 オバマ大統領は、同性愛者に対するこれまでの対応は「公正と平等という米国の精神に反するものだった」と述べ、同法の施行によって「米兵は自身が何者であるかを隠すことを強要されなくなる」「ゲイやレズビアンであることだけを理由に愛国心のあるアメリカ人が排除されることはなくなる」「米軍はさらに強くなり、世界最強の軍隊でいられる」と語りました。
 しかし、米軍内には未だに同性愛者への差別意識が根強く残っており、スタンレー国防次官は記者会見で「あらゆるいやがらせや暴力、差別は絶対に容認されない」とくぎを刺しました。
 
 オバマ大統領が同性愛者軍務禁止規定撤廃法を施行することを発表したというニュースは、日本でも多くのメディアで取り上げられました(TBS News-iのニュースがこちらで紹介されています)

 オバマ氏は大統領選において、この同性愛者軍務禁止規定を撤廃することを公約に掲げており、任期内に見事、達成したことになります。そして、全米のゲイたちが次に達成を期待する公約は「結婚防衛法の撤廃」でしょう。結婚防衛法(DOMA=Defense Of Marriage Act)は、1996年に成立した「結婚は男性と女性により成立する」と規定する法律で、これがあるおかげで、たとえ同性婚が認められている州で結婚したゲイカップルであっても他の州に行くと同性婚が無効になったり、国レベルでの社会保障においては恩恵が受けられない(差別が残る)のです。(編)


同性愛者米軍規定撤廃を命令 米連邦高裁が米政府に(MSN産経 共同通信)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110707/amr11070714350003-n1.htm

同性愛者の入隊、米軍が規制撤廃(日経新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E1E2E2868DE0E1E2E5E0E2E3E39C9C97E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000

同性愛者規制、9月に撤廃=「米軍さらに強くなる」-オバマ大統領(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201107/2011072300102f

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