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アップルのCEOに就任したティム・クック氏がゲイのロールモデルとして期待されています

 8月24日、iPhoneやiPadなどを生み出したアップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が退任を発表し、世界のアップル・ファンに衝撃を与えました。ジョブズ氏は、今年1月から病気治療に専念するため休養していましたが、おそらく病状が思わしくないのでしょう、とうとう辞任を決意し、職務を代行していたティム・クックCOO(最高執行責任者)にCEOを引き継ぐこととなったのです。
 
 天下のアップルのCEOが交代するわけですから、当然、世界中のメディアが次期社長のティム・クック氏に注目しています。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、「クック氏はジョブズ氏のような演出上手ではないが、クック氏を知る人たちは同氏を『業務の天才』と呼ぶ。アップルの現在のサプライチェーン(流通網)システムを作り上げ、同社を今日最も効率的な電子機器メーカーの1つに変ぼうさせる上で、クック氏は大きな責任を果たしてきた」と評しています。
 
 一方、ティム・クック氏のCEO就任は、多くのゲイたちを勇気づけるだろうと目されています。
 今年4月、『OUT』誌が選ぶ「最も影響力を持つゲイ」のナンバー1に選ばれたクック氏は、未だセクシュアリティについては何も語っていませんが、世界で最も価値ある企業のトップに立ったことで、すでに、企業内ダイバーシティ(多様性)に取り組む活動家などから、ゲイのロールモデルとして歓迎されています。

 オーストラリアのダイバーシティ協議会の代表、ナリーン・ヤング氏は「それは素晴らしい進歩だと思います」と語りました。「今やゲイ&レズビアンの人々はどこにでもいるし、彼らはビジネスの世界の上層部でも活躍していますが、そういう事実を、さらに後押しすることになるでしょう」。さらにヤング氏は「世界最大の企業の一つで実権を握るゲイが現れたことによって、よりいっそう職場でゲイが働きやすくなるでしょう」とつけ加えました。
 同性婚を求める団体のロドニー・クルーム氏は「ゲイやレズビアンがカミングアウトを恐れるような企業は、世界中にたくさんあります。クック氏がの就任は、企業のクローゼットを開くのに役立つと思います」と語っています。

 これまでMacintoshはゲイの間で絶大な支持を得てきた(ゲイに買い支えられてきた)こともあり、アップルは、ゲイの社員に対していち早くドメスティック・パートナー制度(男女の夫婦と同様の扱い)を認めるなど、ゲイフレンドリーな企業として認知されてきました。2008年にはカリフォルニア州の同性婚禁止投票(提案8号)に「NO」の意志を表明し、反対派(同性婚支持者)に10万ドルの資金提供も行っています。その一方、スティーブ・ジョブズ氏がiPadなどのゲイコンテンツに対して検閲を加えたと見られる出来事(こちらこちら)も報じられていました。今後、そういうこともなくなり、ゲイの支持をより強固なものにするのでは?と思われます。

 ちなみに、大勢のゲイ&レズビアンの社員たちが真摯に、時には涙を浮かべながらゲイの若者への応援メッセージを語っているこちらの映像を見ると、CEOが誰であろうと、アップルは本当にいい会社だな…と思えるのです。(後藤純一)


Tim Cook has become world's most powerful gay man(Herald Sun)
http://www.heraldsun.com.au/business/the-worlds-most-powerful-gay-man-tim-cook/story-fn7j19iv-1226122000908

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