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ガガ、日米の紅白で『Born This Way』を熱唱

 


世界一有名なニューヨークの
カウントダウンイベントで
大役をつとめたレディ・ガガ

 みなさん、あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。

 大晦日は実家や自宅、あるいはお店で紅白をご覧になっていた方も多いことと思います。
 今回の紅白は、オープニングの浜崎あゆみさんの衣装(デザインはあの丸山敬太さんだそうです)のサプライズをはじめ、松田聖子さん親子やユーミンなど、見どころが多かったと思います。
 中でもスペシャルだったのは、やはりレディ・ガガの登場でしょう。中継ではなく収録(紅白史上初)という形ではありましたが、2011年、日本を大いに勇気づけてくれたガガは、『You And I』の歌詞の「ネブラスカ」を「ジャパニーズ」に、「ウィスキー」を「サケ」に替えて歌い、日本への応援の気持ち(愛)をあらためて伝えてくれました。と同時に、『Born This Way』を歌うことで、LGBTをはじめとする社会的マイノリティの人たちへの応援の気持ち(愛)を伝えてくれました。

 ガガが紅白に中継ではなく収録という形で出演したのは、同日の夜、アメリカの紅白とも言われるニューヨーク・タイムズスクエアでのカウントダウン・イベントへの出演がすでに決まっており、時間調整が難しかったからです。数十万人が新年を祝う世界一有名なカウントダウンで(視聴者は10億人とも言われています)、今年はガガがブルームバーグ市長とともにカウントダウンのボールを落とすという大役をつとめました。(※このイベントは別名「ボールドロップ」と呼ばれ、ボールを落とすスイッチを押すのがテープカットのようなセレモニーになっているのです)
 ガガのパフォーマンスはというと、こちらの動画でもご覧いただけますが、期待に違わないインパクト大な衣装(かぶりもの?)で『Heavy Metal Lover』『Marry The Night』、そして『Born This Way』を熱唱、というもので、新年の歓びに沸く観客たちを大いに楽しませていました。(同時に、あえて新曲ではない『Born This Way』を最後に持ってきたあたりに、LGBTを祝福する気持ちが窺えます。ニューヨークと言えば、昨年6月に同性婚が認められたばかりだからです)

 当サイトでもたびたびお伝えしてきたように、『Born This Way』は、最も感情を込めて力強く歌うクライマックス的な部分で「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー」が歌詞に歌い込まれています。メジャーなポップソング(しかも世界的に大ヒットした曲)でこのように歌われるのは本当に歴史的なことで、そこにこそ『Born This Way』の真髄があります(ガガはLGBTへの応援の気持ちでこの曲を書いたのです)。エルトン・ジョンも「新時代のゲイアンセム」と絶賛しています。

No matter gay, straight or bi
lesbian, transgendered life
I'm on the right track, baby 
I was born to survive

たとえゲイだろうとストレートだろうとバイセクシュアルだろうと
レズビアンだろうとトランスジェンダーだろうと(問題じゃない)
私は正しい道を歩んでいる
私は生き抜くために 生まれてきた
 
 そういう意味で、ガガが日米の「紅白」で『Born This Way』を最後に歌い、2011年の総決算(および2012年の幕開け)としたことは、やはり、彼女のLGBT支援の気持ちの表れだと言えるでしょう。

 ところが、そんなガガの気持ちとは裏腹に、NHK紅白でガガのパフォーマンスを観ていた全国のLGBTをがっかりさせる、たいへん悲しい出来事がありました。
 ガガは、ピアノ弾き語りで『You And I』を披露した後、『Born This Way』をダンサーたちとともにパフォーマンスしました。
 ガガが6月に来日し、「SMAP×SMAP」(フジテレビ)に出演した際なども、『Born This Way』の字幕は上記のように放送されていました(ちなみに「MTV VIDEO MUSIC AID JAPAN」は字幕なし、6月の「MUSIC LOVERS」や12月23日の「ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ2011」は英語字幕でした)。ところが、NHKの紅白では「No matter gay, straight or bi…」の部分の字幕が以下のようになっていました。

性的好みなんてどうでもいい
私は正しい道を進んでいる 
どんな困難も乗り越える

 ガガのパフォーマンスを楽しみにしていた人も多かっただけに、Twitterやmixi voiceには「字幕にがっかりした」「本当にショック」というつぶやきがたくさん上がりました。

 「性的好みなんてどうでもいい」という字幕は数秒間出ており、「たとえゲイ、ストレート、バイセクシュアル、レズビアン、トランスジェンダーであっても」とか、せめて「同性愛者、両性愛者、性同一性障害者※であっても」といった字幕を流す時間的余裕もありました。(※本当はトランスジェンダーとイコールではありませんが、世間一般に知られる日本語として代替的に言うならば)
 しかし、NHKはそれをせず、わざわざLGBTの意味を誤解させるような(もっと言えば、貶めるような)「性的好みなんてどうでもいい」という言葉で放送したのです(セクシュアリティは「嗜好(好み)」ではなく生まれつきの「指向」です。そして、トランスジェンダーにとっては性的指向ではなく性自認が問題です)
 昨年、マレーシアのラジオ局で「No matter gay, straight or bi…」の部分がカットされて放送されるという事件が起きましたが、今回の件は、こうした「検閲」にも近いものがあると言えるのではないでしょうか。
 こちらのblogでは、NHKが全国の視聴者から「隠したい」ものが何であるか、どういう人たちを「いないことにしようとしているのか」を強く感じたと述べられています。

 民放でもガガの歌詞(意図)を尊重して字幕をつけていたのに、NHKはどうして…? 『ハートをつなごう』などで何度となくLGBTを取り上げ、LGBTに寄り添い、素晴らしい番組を放送してくれていたというのに…。いったいどういう経緯でこのようなことになったのでしょうか。
 そして、このような曲解された字幕に対していちばん傷つけられるのは、レディ・ガガ本人ではないかと思います。ガガがこの件を聞いたら、どんなにか悲しむことでしょう…

 新年早々、このようなニュースをお伝えしなければならないことを、残念に思います。しかし、我らがレディ・ガガがこうして紅白に登場し、日本へ(そして日本のLGBTヘ)アツいメッセージを届けてくれた、そのことをまずは歓びましょう。
 そして、2012年という年が少しでもよい年になるよう、祈りましょう。

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