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沖縄での男どうしの恋をテーマにした「American Boyfriend」という展覧会が開催されています

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「沖縄という場所において沖縄人男性とアメリカ人男性が恋に落ちることは可能か」をテーマにした「American Boyfriend」という現代アート展が現在、清澄白河の「Ai Kowada Gallery」にて開催中です。これは、自らのゲイ・アイデンティティと世界との関わりをテーマにした写真や立体作品などを多く制作し、東京やニューヨーク等で発表してきたアーティストのミヤギフトシさんの個展です。

「沖縄とホモセクシュアリティ。
 ともすれば声高に扱われそうなテーマだが、ミヤギフトシの視線を介すと詩的で軽やかになる。
 自身のアイデンティティに端を発する”沖縄”と”ホモセクシュアリティ”という存在をミヤギは他者との密接な関係性をも想起させるような、極めて個人的なまなざしで語る。
 本展では、沖縄人男性とアメリカ人男性という、言語も見慣れた風景も異なるふたりが、沖縄で恋に落ちる可能性についての考察を試みている。
 被写体と撮影しているミヤギの関係性を感じさせる、長時間露光による写真作品は、ふたりの情事の後を覗き見しているような淡い罪悪感が青い小さな炎のようにちらちらとまたたき、低温火傷のような痕を残してゆく。
 沖縄の伝統的な紅型のように写真を切り抜くことで、写真の向こう側に新たなレイヤーを生み出す「カットアウトピース」は写真を多面的に見たいというミヤギの発想から生まれた。
 本来写真の表面にいるはずの被写体が切り取られ、存在しないこの作品は、見えなかったはずの向こう側が透けて見え、曖昧ながらも確かに存在する「他者との境界」を想起させる。
 自身と他者の間の見えない境界線は、匿名性が高くなり幾重ものレイヤーに覆われた現代社会において、ますます深く手の届きにくいものになっている。
 ”沖縄”と”ホモセクシュアリティ”というテーマで沖縄における隔たりが示される本展において、ミヤギは個人レベルでの「見えないつながり」に気付くこと、または声をくみとることを試みているのだという。」

ミヤギフトシ個展「American Boyfriend
日程:〜8月25日(土)
会場:Ai Kowada Gallery


 また、この展覧会に関連して、ミヤギフトシさんが「エイズ危機時代のアメリカにおけるクィアの表現とその可能性」というトークイベントを開きます。

「80~90年代にエイズ危機に覆われたアメリカ美術界で、セクシュアルマイノリティのアーティストたちは誰に向けてどのような表現を行っていたのでしょうか。
 デイヴィッド・ヴォイナロヴィッチやフェリックス・ゴンザレス=トレスをはじめとしたセクシュアルマイノリティの作家に顕著な「抗い」や「哀しみ」という時代特有の表現を再考しながら、彼・彼女らの手法は、セクシュアルマイノリティによる表現がいまだ表面化しづらい日本においてどこまで可能か、アーティストのミヤギフトシをホストに各界からゲストを迎え、ともに見てゆきます」

 スピーカーの笠原美智子さんは、東京都写真美術館のキュレーターで、「ラヴズ・ボディ 生と性を巡る表現」展を手がけた方です。

トークイベント「エイズ危機時代のアメリカにおけるクィアの表現とその可能性
日時:8月4日(土)16:30開場 17:00開演
会場:VACANT
料金:¥1,000
スピーカー:笠原美智子(東京都写真美術館チーフ・キュレーター)、千葉雅也(研究者、批評家)、ミヤギフトシ(現代美術家)
聞き手:江口研一(編集者、ライター) 

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