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アメリカの終身刑囚が性別適合手術を受けることを認められました

女の子の服を着たがる息子のために父親がとった行動を世界が絶賛」というニュースが話題になっていますね。本当に素晴らしいお父さん。拍手!です。

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ミシェル・コシレク受刑者

 一方、アメリカでは、性同一性障害の終身刑囚が性別適合手術を受けることを認めるという画期的な判決が出ました。
 ボストンの連邦地裁は4日、マサチューセッツ州に対し、殺人罪で有罪となった受刑者が求めていた性別適合手術を認める(費用の支払いも命じる)判決を言い渡しました。
 判決などによると、ミシェル(元ロバート)・コシレク受刑者は子どもの頃から性同一性障害でしたが、薬物更生施設で出会った女性カウンセラーと結婚。しかし、1990年に女性の服を着ているところを妻に見つかったために殺害し、仮出所のない終身刑を受けていました。男性刑務所に収監されていた間に2度の自殺未遂を起こしたり、自分の男性性器を切除しようとしたこともありました。ホルモン治療は受けているものの、なお重度の性同一性障害を持ち、精神的な苦痛が続いているとして、2000年、性別再指定手術を認めるよう求め、マサチューセッツ州を相手に提訴していました。連邦裁の判事は、医療関係者が手術を勧めていたにもかかわらず、矯正局の幹部がさまざまな口実で拒否してきたと指摘し、受刑者の精神的な苦痛は、残虐で異常な刑罰を禁止した合衆国憲法の修正第8条に違反すると判断したのでした。
 性同一性障害の受刑者の性別適合手術が認められたのは初めてのことだそうで、コシレク受刑者の弁護人は判決を受けて「判決に従って治療を受けられるよう、州刑務局が直ちに対応してくれることを期待する」と語りました。
 なお、カリフォルニア大学が同州の受刑者を対象に実施した2009年の調査では、トランスジェンダーの受刑者が性的暴行を受ける確率は、受刑者平均の13倍に上ることが明らかになっています。
 さまざまな自由が制限される塀の中であっても、性同一性障害の受刑者が抱える問題と向き合い、その苦痛を「我慢しろ」と無視することがある意味「残虐で異常」であると宣言したこの判決は、本当に画期的なものと言えます。

 翻って、日本はどうかというと、たとえ男性から女性への性別適合手術を終えた(戸籍はまだ未変更)受刑者であろうと、男性として収監されるという、ひどい状況です。そんな中でも、「受刑者の性自認に反した処遇で精神的苦痛を生じさせている」としてMTF(男性→女性)の受刑者を女性用の刑事収容施設に移送するよう、県の弁護士会が勧告したというニュースもありました(詳しくはこちら)。そうした待遇改善を求める運動が行われた結果、法務省が新しい指針をまとめ、個室への入居や単独での入浴、長髪(日本では男性の受刑者は全員、丸刈りです)や女性用の下着、シャンプーなどの所持が認められるようになったほか、精神科医の診察や臨床心理士によるカウンセリング、刑務官の理解を向上させる教育も行われることになりました(詳しくはこちら
 しかし、すでに性別適合手術を終えていたり、現在治療中の人であっても、ホルモン治療を受けることが依然として禁止されているという現状があります。法務省が「原則として認めてしまうと『胸を大きくしたいから女性ホルモンが必要』というわがままのような要求まで通ることになる」として、ホルモン療法を行う必要はないとする処遇指針を全国の施設に通知しているからです。これに対し、医師などからも「治療をやめると性ホルモン欠落状態になる。1週間ほどで更年期症状が表れ、数ヵ月で重い骨粗しょう症になる」「女性の体であることを強く自覚させる月経が嫌で、自殺を考える患者も少なくない。ホルモン療法を止めれば月経が再開してしまう」といった批判の声が上がっています(詳しくはこちら
 今後さらに待遇が改善されていくことを願うものです。
 

「終身刑囚の性転換費用支払いを」、米連邦裁が州に命じる(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE88402320120905

性転換症の受刑者に性別適合手術を提供、米判決で州に命令(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/35021366.html

 

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