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「コンピュータの父」アラン・チューリングが没後59年目にして恩赦を受けました 

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 12月24日、第二次大戦の英雄でありながら同性愛で有罪判決を受け、41歳で非業の死を遂げた数学者、アラン・チューリングに対し、イギリスのエリザベス女王が死後恩赦を与えました。

 アラン・チューリングは「チューリングテスト」「チューリングマシン」で知られるように「現代計算機科学の父」と称される天才数学者でした。第二次大戦中、ドイツ軍の暗号システム「エニグマ」の解読で中心的な役割を果たした英雄でもありました(この解読が第二次大戦の早期終結につながったと評価する歴史家もいます)
 しかし、1952年、チューリングは知り合ったばかりの19歳の青年を自宅に招いた後、その青年の知り合いから窃盗被害を受けて通報したことから、裁判の過程で同性愛のことが公になり、有罪判決を受けます。当時、同性愛行為が「gross indecency(重大なわいせつ行為)」という窃盗や殺人と同格の犯罪とみなされていたのです。チューリングは約1年間、薬物「治療」すなわちホルモン療法による化学的去勢を受けました。非人道的な処罰を受け、失意のどん底にあったチューリングは、2年後、シアン化物(青酸)が付着したリンゴを食べて死亡し、検視により自殺と断定されました(好きだった白雪姫の物語になぞらえて林檎に毒を含ませ就寝前に口にしたとか、母親や親族を思って事故だと解釈できる状況を作ってからの周到な自殺だとか、単なる事故だとも言われており、真相は未だ解明されていません)

 宇宙物理学者のスティーブン・ホーキングをはじめとする著名科学者など、多くの人たちがチューリングの名誉回復を求め、活動を続けてきました。
 2009年には政府から正式な謝罪があり、当時のブラウン首相は、チューリングが受けた「恐ろしい扱い」は「全くの不正義」であり、英国政府およびチューリングのおかげで生き延びたすべての人々を代表して謝罪する、と述べています。が、有罪とした判決そのものは当時は合法であり時間は巻き戻せないとしました。
 生誕100周年を迎えた昨年は、チューリングの死後恩赦を求めるオンライン嘆願書に3万7000人以上が署名しました。
 そしてこのたび、チューリングに下された判決は「不当かつ差別的なものだった」としてエリザベス女王から恩赦が出されました。 
 デヴィッド・キャメロン首相は、チューリングの暗号解読によって「数えきれないほどの命が救われた」と述べ、第二次大戦中の暗号解読により「この国を救う中心的役割を果たした素晴らしい人物だ」と称えました。

 イギリスで恩赦が認められるのは通常、対象者が無実であり恩赦申請が家族などから出された場合に限られています。チューリングの死後恩赦はいずれにも該当せず、極めてまれなケースとなりました。

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 なお、現在、アラン・チューリングの伝記映画『The Imitation Game』が制作されています。主演は『スター・トレック イントゥ・ダークネス』に悪役で出演するなど、キャリア絶好調のベネディクト・カンバーバッチです。右の写真が、数日前に到着した『The Imitation Game』の第1弾スチール(イメージフォト)です。公開が楽しみですね。


同性愛の英数学者チューリングに死後恩赦、「現代計算機科学の父」(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3005561

同性愛で有罪、「計算機科学の父」チューリングにイギリス政府が没後59年目の恩赦(HuffingtonPost)
http://www.huffingtonpost.jp/engadget-japan/59_b_4500094.html

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