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中国の全人代に同性婚法案が提出されました

 チベット仏教最高指導者であり、ノーベル平和賞受賞者でもあるダライ・ラマ14世が(同性愛嫌悪を非難するとともに)同性婚について「2人の人間──カップルが、その方が現実的だと感じ、満足が得られ、両者が完全に合意しているのであれば問題ない」と語ったことがニュースになっています(詳しくはこちら
 一方、チベットを侵略しつづけ(詳しくはこちら)、権威主義体制の下、同性愛者をも抑圧してきた中国(映画祭など多くのイベントが当局によって中止に追い込まれてきました)ですが、近年、同性愛者の権利を求める声が上がるようになってきました。そして、この3月5日に開幕した全国人民代表大会(全人代=国会)では、初めて同性婚法案が提出されました。

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上海で開かれた「親の会」
 中国では同性愛者は1997年まで「流氓罪」という「ならず者」同様の罪に問われる存在でした。刑法が改正された後も、2001年まで「精神疾患」として扱われました。そして、ようやく衛生省が同性愛者を「精神疾患」のリストから外した後も、「同性愛は治療すれば治る」とかたり、「性適合治療」と称して入院させ、頭や局部に電気ショックを与えるなど悪質な「医療行為」を行う病院が中国各地で後を絶たないそうです。同性愛者であるという事実を告げられた両親が、子どもに泣いて頼んだり殴りつけたりして、そうした病院に連れて行くケースもあれば、同性しか愛せない自分を「病気だ」と考えて自ら治療を求める人もいるそうです。
 親子のつながりが強い中国では、結婚して子どもを持つことこそが親孝行と見なされています。社会保障や年金制度が行き届いていない農村部では、子孫が絶えれば誰に老後を養ってもらうかも切実な問題になります(一人っ子政策が30年以上続いてきたことも、輪をかけています)
 今年の2月、上海市内で開かれた同性愛者の子をもつ母親の会「同性恋親友会」では、参加したゲイの方が「何度も親に打ち明けようとしたが、悲しませると思うとどうしても切り出せない」と涙声で訴える場面もあったといいます。 

 しかし、近年、都市部を中心に同性愛者に対する見方が急速に変わってきており、現状を変えようとする動きも起こってきています。
 2011年、中国のジェンダー研究の第一人者として知られる社会学者の李銀河教授は、自身のブログに「同性婚を認可すれば中国の国際的イメージを大きく向上させられる」とする記事を掲載し、ニュースになりました。
 2012年には、ネットの掲示板に「同性愛って合法化すべきだと思う?」と質問するスレッドが立ち、「古代中国では同性愛は全然フツーのことだったんだよ。現代人の方が封建的」「確かに。文化大カクメイでもあるまいし」といったレスがあったそうです。(詳しくはこちら
 2013年には、北京や広州で、レズビアンカップルが民政局に結婚届を提出する(受理されませんでしたが)という出来事がありました。また、同性愛者の子をもつ親たち100人余りが全人代に「私たちの子どもは同性愛者の相手と10年弱生活しています。彼らは互いに思いやり、愛し合っていますが、どちらかが病気になり手術が必要な場合に、署名をすることができません」という手紙を送り、婚姻法を改正して同性婚を認めるよう呼びかけました。(詳しくはこちら
 今年も、ゲイの学生らが中心となり、「法律の保障がないため、同性愛のカップルは医療や社会福祉、子どもの扶養、遺産相続などで大きな問題を抱えている」「同性婚の合法化は同性愛者が求める権利があるだけでなく、国が負うべき義務でもある」「9割の同性愛者はさまざまな圧力により異性と結婚し、こうした無数の家庭で悲劇が生まれている」と訴え、同性婚の合法化を求める手紙を、全人代の代表(国会議員)2516人と、全国の政協委員484人に送りました。(詳しくはこちら

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林濤さんと周楊梅さん
 そして、先頃、政府系シンクタンク「中国社会科学院」のメンバーでもある李銀河教授が、同性婚法案を全人代に提出したことを明らかにしました。「同性婚を合法化するよう社会科学院の代表団を通じ、全人代に法案を提出済みです」。実は、李教授らによる法案提出は今年で14回目なんだそうです。立法化までにはまだ時間がかかりそうですが、こうした過程で、社会における同性愛者への理解が広がる可能性は高いとみています。
 
 今年6月には、上海で6回目となるプライドフェスティバルが開催され、ゲイ&レズビアン映画の上映や座談会などが予定されています。
 msn産経ニュースによると、上海の親の会に参加していたゲイの林濤さんは、「プライドなどのイベントやボランティア活動を通じて、つらい思いをしている中国の同性愛者に手をさしのべたい」と語り、パートナーの周楊梅さんの手を強く握ったそうです。
 彼らのような志をもった方たちの活躍によって、中国の状況が少しでもいい方向に変わっていくといいですね。
 

中国4000万人の同性愛者 伝統観念や偏見、差別に苦悩(msn産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140308/chn14030801270001-n4.htm

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