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テキサスなど南部の州で次々と「同性婚禁止は違憲」との裁決が下されています

2014年03月12日
ダラス・バイヤーズ・クラブ』の舞台だったテキサス州はじめ、アメリカ南部の「バイブルベルト」に位置する保守的な州では、同性愛者があからさまに抑圧されてきました。2004年、ミズーリ州が結婚を1人の男性と1人の女性の間のものであると規定し、同性結婚を否定する最初の州になったのを初めとして、この地域にある州ではすべて、州憲法で同性婚が禁止されることになりました。

 
 しかし、今年に入り、こうした地域でも、同性婚に向けての動きがありました。
 まず、1月、オクラホマ州で、連邦地方判事が同性婚を禁止した州憲法は合衆国憲法に違反するという判決を下しました。「平等の保護は、我々の法制度のまさに核心にあり、政治についての我々の合意の中心である」と、カーン判事は述べました。2004年、結婚を男女間のものに限るとする州憲法改正が承認され、その年に2組のレズビアンカップルによって裁判が起こされ、今回の判決につながりました。メアリー・フォーリン州知事は、州民は同性婚を排除する憲法を採択して意志を表したと述べ、連邦高裁への控訴を表明しました。
 バージニア州で、同性カップル2組が州当局に結婚を認めるよう求めていた裁判について、今年1月、州司法長官が同性婚を禁じた州法を支持しないと表明し、裁判で弁護を放棄。そして、2月には、連邦地裁が同性婚を禁じた同州の法体系は違憲だとする判決を下しました。しかし、州は連邦高裁に控訴し、判決は保留とされました。
 2月にはケンタッキー州で、連邦判事が、他州で同性婚したカップルの同性婚を認めなくてはいけないという判決を下しました。これを受けて同州のジャック・コンウェイ司法長官は「判事は正しい。控訴によって、彼は差別を温存したくないし、そうはならないだろう(同性婚を禁止する州法は変えるべきだ)」と語りました。州知事は、司法長官ではなく、他州の弁護士を雇って控訴を考えているそうです。ちなみにケンタッキー州では、同じ頃、元ミス・ケンタッキーのDjuan Trentさんが「私はクィア」とカミングアウトしています(詳しくはこちら

 そして2月26日、テキサス州の連邦裁判所は、同性婚を禁じた現行州法が違憲であると認定しました。
 この裁判は、同性婚できる他の州で結婚した3組のゲイ&レズビアン・カップルが、テキサスでも結婚が認められるようにすべきだとする訴えによって起こされました。オーランド・ガルシア連邦判事は、昨年6月の連邦最高裁の(結婚防衛法を撤廃する)裁決を参照しました。ガルシア判事は、「今日の裁判所判断は、テキサス州民やテキサス州法に対する挑戦などではなく、合衆国憲法と連邦最高裁の判断に従ったまでのことだ。ただし、裁判所決定は最終的なものでなく、州は連邦高裁に控訴することができる」と述べました。州は控訴するものと見られています。

 このように、これまで最も保守的と言われてきた南部の州で、同性婚への一歩を踏み出す動きが出てきました。『TIME』誌は「今後、もっと出てくるだろう」としています。

 今月に入り、ABCと『ワシントン・ポスト』紙が共同実施した同性婚についての電話アンケートで、賛成と答えた人が昨年から2ポイントアップし、過去最高の59%に上ったと報じられました。逆に、反対した人は34%で、6ポイント減りました。
 

 
同性婚禁止は違憲=米南部州(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402/2014021400554

KENTUCKY ATTORNEY GENERAL WON'T DEFEND STATE'S GAY MARRIAGE BAN; GOV. WILL APPEAL WITH OUTSIDE COUNSEL(Towleroad)
http://www.towleroad.com/2014/03/kentucky-attorney-general-wont-defend-states-gay-marriage-ban-gov-will-appeal-with-outside-counsel.html

Federal Judge Overturns Texas Same-Sex Marriage Ban(TIME)
http://time.com/9932/federal-judge-overturns-texas-same-sex-marriage-ban/

同性婚合法化の支持率、過去最高の59% 米世論調査(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/35044886.html

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