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『日経ビジネス』の表紙がレインボーに彩られ、LGBTの文字が躍りました

『日経ビジネス』2015年8月24日号の表紙がレインボーに彩られ、「LGBT」の文字が躍りました。メイン特集のタイトルは「究極のダイバーシティー L G B T あなたの会社も無視できない」。24ページから45ページまで、計22ページにわたる大きな特集です。『日経ビジネス』がLGBTを特集するのは2007年以来、2回目です。

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『日経ビジネス』2015年8月24日号 
特集「究極のダイバーシティー L G B T」
26 あなたが知らない2つの現実
28 LGBTの基礎知識
30 始まった連鎖反応
渋谷発、10月革命「1000万人の苦悩 放置すれば問題企業」
36 LGBT 覆面座談会「制服、トイレ、恋愛話… 痛みが蓄積されていく」
38 すぐにできること
LGBTは隣にいる「寄り添えば 新市場が広がる」

「あなたが知らない2つの現実」では、理解がない企業に苦悩する人たちのこと、LGBT支援に乗り出す世界的企業のことが紹介され、どちらも「知らなかった」では済まなくなっている、と謳われています。
「LGBTの基礎知識」では、人口の7.6%という最新データや世界を牽引するLGBTの人物(ティム・クック(アップルCEO)やクリストファー・ベイリー(バーバリーCEO)など)が紹介されています。
「1000万人の苦悩 放置すれば問題企業」では、渋谷区で同性パートナーシップを承認する新条例が制定され、これを推進した長谷部区議が新区長に当選したことを「性的マイノリティが社会的不利益を被る現状に有権者がNOを突きつけた」として、企業の対応は待ったなしだ、としています。同性カップルが生活上、仕事上でどのように困っているか、企業は職場環境をどのように改善していけばよいか、ということがわかりやすく語られています。
「寄り添えば 新市場が広がる」では、「人材・消費者としてLGBTを取り込むために、企業にも行動が求められている。いきなり市場を狙うのではなく、自ら理解し、支援者となることが近道だ。何より経営者がこの問題を認識し、向き合うことが欠かせない」として、ホテルグランヴィア京都(早くからフレンドリー宣言し、仏式の同性結婚式を企画したり、話題となってきました)をはじめ、いくつかの先進的な企業の取組みを紹介し、経営者へ意識を変えるよう呼びかけています。
 ほかにも「『7.6%』の実像 1~7」と題して、今年同性結婚してニュースになったルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相(スゴい!)やマイクロソフトの役員をしているショーン・チュウさん(TSSAでプロポーズして感動を呼んだ方)、女装の東大教授として有名になった安冨歩さん、増原裕子さんら7人の当事者の方のインタビューが掲載されています。
 それだけでなく、3ページの「編集長の視点」では「今回の特集、「自分には関係ない」と思った読者にこそ、ぜひ読んでいただきたいのです。かつて「女性の社会進出」にそっぽを向いていた企業は今、どうなっているでしょうか。同じようなことが近い将来、起こる可能性があるのです。それが究極のダイバーシティー(多様性)、LGBTなのです。(以下略)」と書かれ、LGBT特集への思いが率直に綴られています。「編集長の視点」のすぐ横の「今週の名言」というコーナーには、ベッテル首相の言葉も掲載されています。

 それだけではありません。日経ビジネスONLINEでは8月24日から、この特集に関連したコラム・シリーズがスタートしました。特集に盛り込まれたさまざまな事柄のなかから、毎回違う記者の方が1つテーマを定めて、補足したり、あらためて大事なポイントを書き起こしたりしています。こちらもものすごい勢いでシェアされ、世の中にいい影響を与えています。
あなたの仕事仲間にもLGBTは必ずいる 「見えないマイノリティー」が見え始める
「男女のリクルートスーツを着分けています」LGBT就活生の悩みと、企業がそれを緩和する方法
東京五輪で試される日本のLGBT対応 我々は五輪憲章に沿った“おもてなし”ができるのか
LGBTに向き合えるかは企業の“選別基準”に あなたの会社は「社会の進化」に貢献できるか
 
 2007年4月16日号の「LGBT 眠れる市場を掘り起こせ」という特集(第2特集)で、日本のビジネス界にインパクトを与えた(コミュニティでも話題を呼んだ)『日経ビジネス』。初めてだったこともあり、「日本のLGBT市場は6兆円!」とか、「性的マイノリティは可処分所得が高い」など、巨大なマーケットが手つかずで残ってるぞ的な論調が目につきました(もちろんそれだけでなく、LGBTの学生の座談会であるとか、IBMなどでLGBTが働きやすい職場づくりが始まっていること、海外の同性婚事情なども紹介されていました)
 8年経って、今度は、企業がオイシイ市場を食い物にする的な話ではなく、まずは経営者自らがLGBTを理解し、職場で起こっている差別を改善し、支援者(アライ)とならなければいけないと、そうでなければ問題企業として置いてけぼりを食うぞと、そういう論調に変わりました。これはものすごく大きな、大切な変化だと思います。日本全国のあらゆる職場で、セクシュアルマイノリティが差別されず、安心して働ける、そういう時代が、夢物語ではなく現実として見えてくるからです。
 言うまでもなく、そうした変化は、淀川区が支援宣言を出し、渋谷区が同性パートナーシップを認め、多くの企業がLGBT支援に乗り出すようになったここ数年の流れを受けてのこと。一般社会(企業や行政)とコミュニティの橋渡しとなるような活動に貢献してきた方たちのおかげと言えるでしょう。
 また10年後くらいに3回目のLGBT特集(その頃にはLGBTではなく、違う呼び方になっているかもしれませんが)が組まれるとしたら、いったいどんな記事になるでしょうか。楽しみですね。
 

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