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東京フィルメックスで『酔生夢死』上映、ツァイ・ミンリャン特集も

 アジアを中心に世界の映画作家の個性あふれる作品を上映する「第16回東京フィルメックス」が11月21日〜29日に東京・有楽町の朝日ホールなどで開催されます。世界の映画祭で話題を呼んだ新作がいち早く紹介されるほか、デザイナーとしても知られるフランスの異才ピエール・エテックス、台湾の巨匠・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、同じく蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)の3人の監督の作品が特集上映されます。
 

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 なかでも、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門出品作で台北映画祭ではグランプリを受賞した『酔生夢死』が注目を集めています。『最愛の夏』『きらめきの季節/美麗時光』といった作品でカンヌ、ヴェネチアにも進出しているチャン・ツォーチ監督の最新作です。
 アメリカ帰国りのゲイ・シャンホと、市場で野菜を売って生計を立てる弟のラット。この兄弟を中心に、台北の裏社会に生きる人たちが登場する群像劇。すべて重要な人物に思えてくるほどの見事なストーリー・テリング。社会の周縁でもがく若者たちを、時にバイオレントに、時にリリカルに描いた作品です。
 ベルリンでも高い評価を獲得し、地元のゲイ雑誌『ジーゲスゾイレ』の読者が『酔生夢死』を2015年の最優秀映画に選んでいます。
 また、アジアのアカデミー賞と呼ばれる台湾の金馬獎(Golden Horse Awards)でも10部門でノミネートされており、昨日の授賞式で最優秀助演女優賞(呂雪鳳)、最優秀新人賞(李鴻其)、最優秀オリジナル映画音楽賞、最優秀編集賞に輝いています。
 11月26日(木)12:00@有楽町朝日ホール、11月28日(土)21:15@TOHOシネマズ日劇3の2回、上映されますので、興味のある方はぜひ、ご覧ください。(詳細はこちら

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 もう1作、ぜひ観ていただきたいのが、ツァイ・ミンリャンの『河』(1997)です。ツァイ・ミンリャンは、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンなどと並び、台湾映画界の第2次ニューウェーブ世代を代表する存在で、『愛情萬歳』(1995)でベネチア国際映画祭の金獅子賞(グランプリ)を受賞し、世界的な巨匠の仲間入りを果たしました。『愛情萬歳』でも抑圧されたゲイ・エロティシズムが描かれているのですが、『河』ではもっと直接的にゲイセックスが描かれています。しかも実の父親と息子がゲイサウナの暗がりでお互いそうと知らずにセックスしてしまうという、たいへん衝撃的なものです。台湾ゲイ映画というと、『僕の恋、彼の秘密』『Go Go G-Boys』のような超前向きでポップな作品をイメージする方も多いかと思いますが、『河』は、同性愛がまだ後ろめたい秘め事だった(パレードも行われていなかった)時代の台湾のゲイのリアリティを伝えてくれます。ちなみに『河』はベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)を受賞しています。
 ツァイ・ミンリャンはデビュー作の『青春神話』以来、一貫して、リー・カンションという俳優を主演に起用しています(しかも、ずっと「シャオカン(カンちゃんという意味)」という役名で出演しています)。リー・カンションはもともと役者志望とかではなく、ツァイ・ミンリャンが西門(台北の原宿みたいな街。今はゲイバー街があることで有名ですね)でスカウトしたんだそうです。ある意味、監督が彼に一目惚れし、約20年もの間、彼の映画を撮り続けたわけですから、類まれな「純愛」です。ツァイ・ミンリャンは『郊遊 ピクニック』(2014)で監督業から引退しましたが、その際にゲイであることをカミングアウトしています(リー・カンションはストレートで結婚もしているし、二人の間に肉体関係はなかった、とも語っています)
 東京フィルメックスのツァイ・ミンリャン特集については、こちらをご覧ください。

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