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韓国政府が、同性愛を処罰する軍刑法の改定を検討しはじめました

 HuffPost Koreaによると、韓国政府が「合意による同性愛」まで処罰するようになっている軍刑法の改正の必要性について検討中、とのことです。

 韓国の軍刑法は「すべての軍人は、アナルセックスやその他の醜行をした場合、2年以下の懲役を課される」(第92条6)と定めており、合意の下で性的関係をもった同性愛者を捜索し、処罰するのに悪用されてきました。今年5月には、陸軍普通軍事法院(軍事裁判所)が、私的空間で業務上関連のない、合意された相手と性的関係をもった同性愛者の軍人A大尉に禁錮6ヶ月の「有罪」を宣告しました(判決を聞いてA大尉は倒れ、病院に運ばれたそうです)。また、6月には韓国軍が同性愛者の一斉摘発を行ったと報道されました。韓国では徴兵制が実施されており、同性愛だろうと異性愛だろうと関係なく一定期間軍務に就くことが義務づけられていますが、軍隊内ではなく、プライベートな時に同性と関係を持っただけで摘発され、有罪判決を受けるという不条理に対して、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが「同性愛嫌悪の魔女狩り」に等しいと非難するなど、内外から批判の声が上がっています。今年のソウルクィアパレードではA大尉への支援を表明するキャンペーンが展開されたほか、軍人権センターが兵役による軍入隊を控えた若者らを対象に相談会を開いたそうです。
 
 同性愛者弾圧に悪用される軍刑法の問題点については、国連からも改善の勧告が出ていました。
 国連人権理事会が主導して4年6ヶ月に1回ずつ、国連加盟国全体が人権状況を互いに点検し、改善策を相互勧告する国家別普遍的・定期的レビュー(UPR)という制度があります。韓国は2008年5月と2012年10月に審査を受けましたが、2012年(2回目)のUPRで「性的指向を理由に刑事処罰する法律の廃止の可能性を再検討すること」と勧告されていました。
 8月1日、法務部(法務省)が3回目となるUPRを受けて、これを市民社会に公開し、意見収集を始めました。韓国政府は、2回目の審査で勧告を受けた事項を中心に改善の報告を起草しましたが、今回の草案では軍刑法第92条6に対する立場が少し異なっています。これまでと同様、「性的指向を理由に刑事処罰を規定したのではなく、軍という共同生活の特殊性を勘案し、軍綱紀の確立を目的として規定されたこととして、憲法裁判所も複数回にわたって、同様の理由で違憲ではないと判断した」と説明されているのに加え、今回は「ただ、その立法目的に照らして、規定をより明確に定め、処罰対象の範囲を制限する方向で改定が必要かどうかについて検討中」という説明が付け加えられています。

 もし「処罰対象の範囲を制限する方向で改定が必要」と判断され、軍務に就いていない私的な時間については軍刑法第92条6の適用外とする、ということになれば、ただ同性愛者だからという理由で懲役が課されることもなくなり、同性愛者に対する非人道的な摘発が行われることもなくなるでしょう。軍法が改定され、状況が改善するよう期待します。



同性愛を処罰する軍刑法、韓国政府が改定を検討(HuffPost Korea)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/04/korea-minority_n_17673930.html

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