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アメフト部出身でGAYかつHIV+とカミングアウトしているコリー・ジョンソン議員が、NY市議会の議長に選ばれました

 2018年1月3日、ニューヨーク市議会は、マンハッタン区選出のコリー・ジョンソン市議会議員(35歳、民主党)を、48対1の圧倒的多数で新しい市議会議長に選出しました。コリー・ジョンソン議員はゲイでありHIV陽性であることを公表しているニューヨークで唯一の政治家です。
 

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高校時代、ゲイのアメフト部員として
TVに出演したコリー・ジョンソン
 コリー・ジョンソンは1982年、マサチューセッツ州のビバリーという小さな町の労働者階級の家に生まれました。彼の父親(アメリカ人と韓国人の間に生まれた人なので、コリーは1/4アジア系ということになります)はアル中で、コリーが大きくなる前にいなくなり、母親が女手一つで彼と姉を育てました。コリーは高校時代、アメフト部のキャプテンをしていたのですが、チーム内にカミングアウトしていて、2000年4月、オープンリー・ゲイのアメフト部員として『ニューヨークタイムズ』などの全国紙に掲載され、一躍有名になりました。新聞を読んだ人々の多くは、マッチョなスポーツの代名詞であるフットボールの選手の中にゲイがいるという事実に驚愕したそうです(当時としては、センセーショナルなことだったのです)
 『Bay Windows』にはコリーが語ったこんなエピソードが紹介されました。「99年のシーズン第2試合で、フィールドに出ている時に、相手チームの1人がぼくに向かって『やい、おかま、殺してやるぞ、クソホモ野郎』と脅してきたんだ。思わず笑ってしまった。だって、ぼくはチーム全員にカミングアウトしていたし、両親も理解してくれていたから。チームメイトにこんなことを言われたよ、と話すと、もう1人のキャプテンが『安心しろ、コリー。俺たちが守ってやる』と言ってくれたんだ。そして試合は25対0でぼくらが勝ったんだ」
 記事が掲載された後、コリーのもとには全国のゲイたちから何万通というメールが届いたそうです。そのほとんどは、コリーの勇気を讃えつつ、自身の置かれている苦境についての悩み相談のメールだったといいます。この時の経験が、のちに彼を政治の道へと向かわせるきっかけとなりました。
 
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NYプライドを歩くコリー
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TV番組で語るコリー
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集会でスピーチするコリー
 高校卒業後、ジョージワシントン大学に通って1ヵ月も経たないうちに学校をやめ、コリーはカバン2つで行くあてもなくニューヨークに向かいました。やがてLGBTの活動に携わるようになり、その人間的な魅力や政治的センスを買われ、有名なGAY BLOG「Towleroad」のポリティカルディレクターになり、GLAADのディレクターを務めるようにもなりました。また、ニューヨーク・ゲイ・フットボール・リーグの創設者の一人でもあります。
 2005年にはニューヨークのコミュニティ・ボード(各地区を代表する市民によるボランティアベースの諮問委員会)に参加するようになり、2011年には最年少でマンハッタン4地区(ゲイタウンのチェルシー等が含まれる地区)の代表に就任しました。そして、2013年、オープンリー・レズビアンの市議会議員クリスティン・クイン(NY第3区)が市長戦に出馬することになり、彼女が抜けたNY第3区の市議に立候補し、86%を得票して当選しました。なお、この選挙に際して彼は、2004年にHIV陽性の診断を受けていたことを公にしました。
 コリー・ジョンソンはニューヨークで唯一のHIV陽性であることをオープンにしている政治家として、健康やメンタルヘルス、依存症、障がい等の委員会で活躍するとともに、ニューヨーク市議会のLGBT議員ミーティングの代表も務めました。そして、2014年には、トランスジェンダーが性別適合手術を受けることなしにIDの性別を変更できるようにする条例を議会に提出し、採択されました。

 ニューヨークでは2014年にビル・デブラシオ市長が誕生し、同年に市のナンバー2となったメリッサ・マーク=ビベリト議長は、上記のトランスジェンダーの条例や、非正規移民でも市のIDカードを取得できるようにする条例など、社会的弱者・マイノリティを支援するような課題推進を助け、「ニューヨーク市の歴史上最も進歩的だった市議会」と評されるほどでした。彼女が任期満了で辞任し、コリー・ジョンソン新議長に受け継がれることになりましたが、同様に進歩的(マイノリティに優しい)議会運営が行われることが期待されます。ビル・デブラシオ市長はTwitterで「おめでとう! 今後4年間のタッグがグレイトなものになると期待しているよ」とコメントしています。
 当選後の記者会見でコリー・ジョンソンは「市長が拒否権を行使した条例案でも、強引に通過させることを辞さない」と強気の発言もしていたそうで、前議長とは異なるタイプのナンバー2となることが予想されています。
 また、コリーは「この町を19歳の若者がやって来て生き残れる場所にしたい」とも語っていたそうです。コリー自身が身一つでニューヨークに出てきたゲイの若者だったわけですが、おそらく彼の生活も最初は相当にタフなものだったと想像します(22歳でHIV感染がわかったということが、様々なことを物語っていると思います)
 そんな彼は、本当の意味で政治家の資質を持った人物と言えるのではないでしょうか。メディアも「トランプ政権という逆境に直面するアメリカを少しでもよくする優れた政治家の一人」として、期待を寄せています。
 まだ35歳の若さでニューヨーク市議会議長となったわけですから、いつかニューヨーク市長になることも十分ありえると思います(そうなると、姉妹都市である東京にも、きっといい影響を及ぼすことでしょう)。もしかしたら将来、アメリカ大統領に選ばれる可能性だってありますよね…そんな夢を持ちながら、コリー・ジョンソンの活躍に注目し、応援していきましょう。
 
 


コリー新市議会議長を選出 進歩主義の同性愛者、35歳(Daily Sun)
https://www.dailysunny.com/2018/01/05/news0105-2/

Moment #6: Corey Johnson's story is told by Bay Windows and the New York Times(OUTSPORTS)
https://www.outsports.com/2011/9/28/4051916/moment-6-corey-johnsons-story-is-told-by-bay-windows-and-the-new-york

Sober and H.I.V. Positive, New Council Speaker Has Weathered Adversity(The New York Times)
https://www.nytimes.com/2018/01/03/nyregion/council-speaker-corey-johnson.html

Corey Johnson Becomes New York City’s First Openly HIV Positive Politician(INTO)
https://intomore.com/impact/Corey-Johnson-Becomes-New-York-Citys-First-Openly-HIV-Positive-Politician/d07de3445b3d41cc

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