g-lad xx

NEWS

大阪市で同性パートナーシップ証明制度がスタート、カード型の証明書も発行

2018年07月09日

 大阪市は6月27日から「パートナーシップ宣誓証明制度」の受付けを開始しました。吉村洋文市長は記者会見で「行政が同性カップルを公的に認めることで、当事者の自己肯定感につながる。社会の理解が深まるようにしていきたい」と語りました。
 併せて、市は今後、原則として親族だけが入居できる市営住宅の入居ルールを変更し、同性カップルも入居できるようにすることや、性的少数者に配慮した取組みを広げるため、民間企業向けにガイドラインを策定することなども検討します。

 そして7月9日、パートナーシップ宣誓証明制度が施行され、証明書となる「受領証」の交付式が行われました。この日、交付式に臨んだのは3組のカップルで、うち1組は、弁護士の南さん&吉田さんのカップルでした。双方がパートナーであることの宣誓書に署名をして提出し、吉村市長から受領証を受け取りました。

 大阪市の公式サイトでは、パートナーシップ宣誓書受領証の交付開始について、このように述べられています。
「大阪市では、大阪市人権尊重の社会づくり条例に基づき、一人ひとりの人権が尊重され、その自己実現をめざして生きがいのある人生を創造することができる自由、平等で公正な社会の実現に向けて取り組んでいます。こうした取り組みの一環として、このたびLGBTなどの性的マイノリティの方を対象とした「大阪市パートナーシップ宣誓証明制度」を開始します。
 パートナーシップ宣誓証明制度は、婚姻と同等の法律上の効果があることを証明するものではありませんが、大阪市として、両当事者の方が、互いを人生のパートナーとして日常生活において相互に協力しあい、社会においていきいきと輝き活躍されることを期待して、パートナーシップ関係であることを宣誓されたことを公に証明するものです」
 対象となる方の条件として、以下が挙げられています。
1.両当事者がともに成年に達していること。
2.当事者の少なくともいずれか一方が市内に住所を有し、又は市内への転入を予定していること。
3.両当事者がともに現に婚姻をしておらず、かつ、現に当該パートナーシップ関係の相手方以外の者とパートナーシップ関係にないこと。
4.当事者同士が民法734条及び735条の規定により婚姻をすることができないとされている者同士の関係にないこと(注:いわゆる近親婚の禁止を定めた法律)

 市は、双方が市民でなくても、片方が市内に住んでいるか転入予定があればよいとしている点や、受領証が携帯しやすいカードサイズでデザインも選べることなどについて「他の自治体に比べて先進的」「当事者目線の制度設計を心がけた」と述べています。なお、カード型の証明書は、今年6月から札幌市で交付されはじめています
 
 同性パートナーシップ証明制度が導入された自治体は、札幌市と福岡市の政令指定都市を含む7自治体にのぼりますが、人口200万人を超える都市では初めてです(大阪市の推計人口は6月1日現在で約272.2万人)。全国で同性パートナーシップ証明を受けられる自治体に居住する方は800万人となりました。

 大阪市のLGBTについての取組みを振り返ってみます。
 2013年9月に淀川区が全国で初めて「LGBT支援宣言」を発し、注目を集め、LGBT支援宣言は全国的に(那覇市などに)波及していきました。榊区長は10月のレインボーフェスタに登壇して当事者を支援するスピーチを行い、また、淀川区の職員の方たちがレインボーフェスタにブースを出展し、炊き出しを行っていました。翌年には淀川区で具体的な支援事業がスタートしました(電話相談、コミュニティスペースの設置、など)
 昨年4月には、大阪市が全国で初めて同性カップルを里親に認定し、大きなニュースとなりました。
 そして今年3月、同性パートナーシップ証明制度導入が発表されました。
 こうしてみると先進的な部分もあり、札幌市や那覇市などにも並ぶようなLGBTフレンドリーな街と言えるのではないでしょうか。
 
 なお、同性パートナーシップ証明制度スタートを記念して、ということかどうかはわかりませんが、今年の大阪のレインボーフェスタは10月6日(土)と7日(日)、初の2days開催となるそうです。
 



大阪市 同性カップル、公的に認定 証明制度スタート 宣誓書受領証、交付へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20180704/ddl/k27/010/346000c

大阪市がLGBTパートナー証明(共同通信)
https://jp.reuters.com/article/china-wang-firefighter-idJPKBN1JZ0BU

大阪市がパートナー証明、LGBT対象の制度開始(産経新聞)
https://www.sankei.com/west/news/180709/wst1807090054-n1.html

INDEX

SCHEDULE