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シンガポールのPINK DOTが第10回を迎え、「建国の父」リー・クワン・ユーのお孫さんがカムアウトしました

OUT IN SINGAPOREの写真。左がLi Huanwuさん。右がパートナーのYirui Hengさん
OUT IN SINGAPOREの写真。左がLi Huanwuさん。右がパートナーのYirui Hengさん

PINK DOTにて
PINK DOTにて
 7月21日、記念すべき第10回のPINK DOTがシンガポールのホンリム公園で開催され、ピンク色の服を着たセクシュアルマイノリティやその家族・友人約20000人が集まりました。
 デモ行進などが禁じられているシンガポールで、PINK DOTは公の場所で開催できるプライドイベントのスタイルとして、みんなでピンクの服を着て公園に集まり、ピクニックを楽しみながら、集会を開く、そして、上から見るとピンク色のドット(シンガポールは別名「RED DOT」と言います)に見えるような写真を撮ったりして、これだけの人々がいるのだと示す、そういうイベントです。「ピンクドット沖縄」のルーツにもなっています。
 今年は「We are ready.」を合言葉に、同性愛を違法と見なす刑法の条項を撤廃することなど、10の宣言が採択されました。こちらの映像が感動的です。ぜひご覧ください。
 
 シンガポールでは、英国植民地時代のソドミー法がまだ残っていて、男性どうしの性行為が違法とされています。
 ブー・ジュンフェンというゲイの映画監督が『タンジョン・ルー』という短編で描きましたが、90年代には実際にハッテン公園でゲイの人たちが逮捕され、鞭打ち刑にされたりしています。
 2007年の法改正の際、「同意の上の私的関係は起訴しない」と政府が公言しましたが、違法とする条文自体は残りました。
 
 2009年、可視化を図り、公にLGBTの権利を訴えていくためのプライドイベントとしてPINK DOTがスタートし、最初は参加者も少なかったものの、次第に増えて、今では数万人規模になりました。しかし、当局からの監視・介入は続き、一昨年には外国企業がPINK DOTに協賛金を出すことが禁じられ、昨年は、警察が「国民と永住権保持者、または許可を持つ者」以外の参加を禁止しました。
 そんなPINK DOTを支援するために、今年、シンガポール建国の父、リー・クワン・ユー氏の孫で現在の首相であるリー・シェンロン氏の甥にあたる李桓武(Li Huanwu)さんが、ゲイであることをカムアウトしました。
 
 PINK DOTをメインイベントとするプライドウィークの期間中、今年はOUT IN JAPANにならったOUT IN SIGAPOREの撮影が行われ(レスリー・キーさんが母国で撮りたいという気持ちもあって実現したようです)、Li HuanwuさんはパートナーのYirui Hengさんとともに写真撮影に臨んだのでした。HuanwuさんはFBの写真をこれに変え、ピンクドットを支持しました。彼は長年、PINK DOTのサポートもしてきました。
 
 GAY STAR NEWSの記事によると(当局の締付けが厳しくなっていることとは裏腹に)リー首相はLGBTの支援者で、同性愛は非犯罪化されるべきだと述べているそうです。
「世界中でゲイビジネスが勃興している。医者は、同性愛は遺伝によって生じるもの、生まれつきだと語っているが、それが真実なら、自分ではどうしようもできないことで、どうして犯罪にできるのか?」
「しかし、キリスト教でもイスラム教でも、同性愛に強固に反対する人たちがいる。中華社会でもそうだ。彼らは同性愛は逸脱だと主張する。逸脱? 遺伝子の多様性なのに」
 このようなコメントの背景には、Huanwuさんの影響もあるのでしょう。

 2013年にはシンガポール民主党のVincent Wijeysingha氏が政治家として初めてゲイであることをカムアウトしています。
「同性愛者であることを公表するのは難しいことでは全くありません。公表する人がいればいるほど、どんどん簡単になるものです。公表すること以上に大変なのは、LGBTの人々が日々感じている抑圧を乗り越えるために、社会が必要な長期的で献身的な活動に着手し、継続することなのです」
 ネット上では、彼を讃えるコメントが掲載されました。
「今感じるのは、シンガポールが思いやりと公平さというきずなで結びついた国として成長し、歴史を作って行く場所となりうるということだ。あなたは、絶望の淵で失われかけていた多くの魂と同じ立場に立ち、彼らが日々目の前にする苦難を経験することで、その魂を救ってくれたのだ」
「おぉ、私たちには今、同性愛者であることを公にした政治家がいる。なんて素晴らしいんだろう?これは大きなことだよ。言うまでもなく(と言っても、言ってしまうが)公表するなんて非常に勇気のいることだ。公表することで失うものもたくさんあるし、さらなる困難に立ち向かわなければならなくなったのに、それでも彼は公表したんだ。すごい度胸だよ。彼の家族、友人、仲間、そして特に彼を個人的に知る人々がみな、彼にさらなる力とモチベーションを与え、力づけてくれることを祈っている」
『インディペンデント』紙は、「政治的観点からみると、政府の態度の変化はシンガポールの新たな現実を反映していると言える。同性愛者コミュニティやその主張を支持する人々は一般に反体制派だ。そして選挙での与党への支持が徐々に失われ続けていることからも、現体制がもはや無視できない強力なグループである」と指摘しています。

 Li Huanwuさんのような影響力のある方のカムアウトに象徴されるように、シンガポール社会も今、変化を迎えつつあるのかもしれません。
(2000年代に一瞬だけ「nation」という大規模なクラブパーティが開催されていた時期もありましたが、そういう時代が再び訪れるといいですね)





LGBTらシンガポールで集会 「愛する自由」求め(東京新聞/共同通信)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018072101001977.html

Grandson of Singapore's founder Lee Kuan Yew comes out as gay(GAY STAR NEWS)
https://www.gaystarnews.com/article/grandson-of-singapores-founder-lee-kuan-yew-comes-out-as-gay/#gs.SEPbXsE

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