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Grindr(グラインダー)が株式上場へ


 世界No.1のゲイ向け出会い系アプリである「Grindr(グラインダー)」が、株式を上場する計画を発表しました。
 
 アメリカでは2007年にiPhoneが発売され、ゲイの間でいち早く普及しはじめましたが、2009年3月、LA郊外のゲイタウン、ウェスト・ハリウッドを本拠地とするNearby Buddy Finderという会社が、GPS機能を使った世界で初めての出会い系アプリ(※)としてGrindr(グラインダー)を開発、発表しました。この画期的なアプリ(新しいゲイの出会いのツール)は口コミであっという間に広まり、2008年、2009年とiPhoneが次第に世界中で発売されるようになるにつれて、ユーザーも世界中に広がっていきました。2016年には1日あたりのアクティブユーザー数が420万人を超えるという記録を作りました(GRINDR ADVERTISING より)。2017年時点で登録ユーザ数は2億7千万人に上り、イランやイラクなどの国も含めた世界196ヵ国にまたがっています。

※下記の『日経新聞』の記事(元は英『フィナンシャル・タイムズ』紙の記事)でも「Grindrの手法を真似て、ストレート向けの出会い系アプリTinder(2012年設立)などができた」と書かれていますし、「A History of the Digital Self: The Evolution of Online Dating」という記事でも、チャット+画像+プロフィール+GPSという形のアプリはグラインダーが初めてだと述べられています。

 グラインダーは近年はプライドシーズンにVisionaireWorld(世界的に有名なファッション・クリエイター)とコラボしたとびきりオシャレなパーティを開催したり、また、トランスジェンダーなどのユーザーも利用できるようにしたり(i-D「grindrはどのようにして「最もクィアな出会い系アプリ」になったか?」)、LGBTQのオンラインマガジンを立ち上げるなど、新しい方向性での広がりも模索しています。
 
 ゲイアプリの代名詞のように語られ、メディアからも注目されてきたグラインダーは、その不祥事も度々ニュースになっています。
 今年4月には、300万人以上のデイリーアクティブユーザーの情報(アプリ内のメッセージやプロフィールの詳細、位置情報などの個人情報)が流出したと報じられました。(Forbes Japan「ゲイ向け出会い系アプリ「Grindr」が300万人の個人情報流出危機」)
 また、同じ頃、HIV検査の結果という最高レベルのプライバシーである個人情報を、ソフトウェアの最適化業務を請け負う2社に渡していたことが発覚し、非難を受けました(AFP「ゲイ向け人気アプリ「Grindr」にボイコットの声 HIV情報を外部共有」)。これについて補足すると、グラインダーはHIV/AIDSのことについてたいへん意欲的で、例えば「検知不能」(HIVを持ってはいるが、治療によってウィルス量が検出値以下にまで下がっており、予防措置をとらなくても性交渉の相手に感染させる確率がゼロであ状態)といった近年非常に重要性が高まっている情報について解説するFAQを提供したり、利用者に向けて定期的にHIV検査を受けたり、その結果を公開したりするよう促す取組みを行い、専門家らの称賛を集めていました。作家でありトランス活動家のジュノ・ロシュは「(グラインダーの中では)少なくとも私のトランス・アイデンティティを非難したり、HIV陽性だからって私を売春婦と呼ぶ人はいない」と語っています。

 現在、グラインダーは中国オンラインゲーム大手の北京崑崙万維科技が保有しています(2億5千万ドルで買収されたそうです)。北京崑崙は深圳証券取引所への提出書類で、取締役会の全会一致により海外上場を承認したと報告しています。グラインダーは過去3年間連続の黒字で、同社の2017年の純利益の4%を占めたそうです。
 グラインダーがアメリカで株式上場されると、米IAC傘下のマッチ・グループがほぼ独占するオンラインデートの市場に新規参入する数少ない1社となります。マッチ・グループはティンダーやプレンティ・オブ・フィッシュ、マッチ・ドット・コムなど45以上のストレート向け出会い系ブランドを保有しています。
 

 
[FT]米同性愛者向け出会い系アプリ、株式上場へ(日本経済新聞 電子版)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34823260R30C18A8I00000

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