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セサミストリートの元脚本家が「バートとアーニーはゲイカップル」だと認めたことについて、バート役の声優が「素晴らしい」とコメントしました


 長年、親友以上の関係にあるのではないかと言われてきた『セサミストリート』のバートとアーニーについて、二人はゲイカップルだし、自分自身のパートナーシップに基づいて脚本を書いていたとかつての脚本家が発言し、制作サイドがこれを打ち消すという出来事がありました。
 

『ニューヨーカー』誌の表紙を飾ったバート&アーニー
『ニューヨーカー』誌の表紙を飾ったバート&アーニー
 知らない方はほとんどいないのではないかと思われる子ども向け番組『セサミストリート』。1969年、貧困な移民の子どもたちが教育格差を乗り越えられるようにということで誕生した教育番組です。バートとアーニーは1969年の試験放送の時からずっと、セサミストリート123番地で同居しています(ただし、ベッドは別だそう)。一貫してルームメイトで、親友どうし(二人は来年、50周年を迎えます)。アーニーはいつもいたずらをしてバートを困らせていますが、お風呂に入るときは必ずアヒルちゃんと遊ぶというおちゃめなキャラです。いつもいっしょにいて、何でも二人で分け合ったりして、本当になかよしです。
 いつの頃からか、二人があまりにも仲がいいので、本当は親友以上の関係にあるのではないかと言われるようになり、ゲイコミュニティの象徴的な存在となり、『アベニューQ』でも言及されていました。
 2011年にはLGBT活動家のレアー・スコット氏が、同性愛者を受け入れることについて子どもたちに教えるために、番組内でバートとアーニーの結婚式を挙げてはどうかと提案するオンライン署名を立ち上げ、約7600人の署名を集めました。これに対して番組を提供するNPO法人セサミ・ワークショップはFacebookで「二人はパペットであり性的指向はない」と発表しました。
 2013年、米連邦最高裁が婚姻を男女間のものと限定した「結婚防衛法」を違憲とする判決を言い渡したことを受け、最高裁判事が「同性婚禁止は違憲」と言っている判決をテレビの前で寄り添って見ているバートとアーニーの後ろ姿が『ザ・ニューヨーカー』誌の表紙に掲載され、反響を呼びました。「喜びの瞬間」と題されたこの絵を描いたジャック・ハンター氏は、「同性愛者の権利に対する周囲の態度がいかに進化してきたかを見ることできるのは素晴らしいことだ」とコメントしました。

80年代に脚本を担当していたマーク・サルツマン氏。
80年代に脚本を担当していたマーク・サルツマン氏。
 そんなバートとアーニーの関係について、1984年から番組の脚本をつとめていたマーク・サルツマン氏が、「15年間にわたりバートとアーニーをカップルとして描いてきた」と発言しました。LGBTのオンラインマガジンとして有名な『Queerty』のインタビューに応じたサルツマン氏は、「サンフランシスコ・クロニクル社が出したコラムの中で、ある幼稚園児が母親に『バートとアーニーって恋人同士なの?』と訊いていた、と書かれた文があったんだ。確かに僕がバートとアーニーを書くとき、彼らは疑いようもなく恋人どうしだった。それ以外に二人の関係が当てはまる"形"がなかったんだ。いろんな人に、僕とアーノルドの関係はバートとアーニーの関係と同じようだと言われたことがある」と語りました。サルツマン氏は自身のパートナーであるアーノルド・グラスマンさん(アーニー)との関係をもとに脚本を書いていたと語ったのです。「彼らはカップルだとしか説明のしようがないよ」
 ほかにも、長いまつげが特徴の、いつも意気消沈していて、ビッグバードの秘密の友達である(人々の目には見えない)スナッフィーという象のキャラクターについて、クローゼットなゲイみたいなものだ、とも述べています(元の記事はこちら
 
 番組を提供するNPO法人セサミ・ワークショップはTwitterで「常々言っているように、バートとアーニーは親友です。彼らは未就学児童に、人はどんなにお互いが違っても良い友達になれる、ということを教えるために創り出されました。男性キャラクターであると認識されていますし、他のセサミストリートのマペットがそうであるように、人間のような仕草もします。しかし、彼らはあくまでも操り人形であり、性的指向は存在しません」とコメントしました。
 しかし、すぐにこれを削除し、もう少しフレンドリーなコメントを発表しました。
「セサミストリートは常に、インクルージョンと受容を支持してきました。ここはあらゆる文化とバックグラウンドを持つ人々を受け入れる場所です。バートとアーニーは親友になるために、そして子どもたちに『自分と違う人とも仲良くやっていけるんだよ』ということを教えるために生まれたのです」
 
 この発言を受けて、長年、バートの声を担当してきた声優のフランク・オズ(『スターウォーズ』のヨーダの声もつとめる有名な方です)は、Twitterでこう述べました。
「マーク・サルツマン氏は、バートとアーニーはゲイなのか?と訊かれたみたいだね。彼がそのように思っているのはいいよ。もちろん実際は違うけどね。ただ、なぜそんなことを質問したんだろう。何か問題があるの? どうして人がゲイかどうかを定義する必要があるんだい? ストレートかゲイか、なんてことより、人間であるということのほうがよっぽど大切だよ」
 
 ネット上ではゲイ説をめぐる議論が再び過熱しており、「バートとアーニーはゲイだと認められ、スナッフィーはクローゼットで抑圧されたゲイだと認められたけど、これって大ニュースじゃない? 今この時代、いちばん大事な文化的イベントよね」「カップルでもいいじゃない」「子どもの教育番組に恋愛はいらない」「エルモの両親やカウント伯爵とその妻といった異性カップルはいるんだから、同性カップルがいてもおかしくない」など、様々な意見が飛び交いました。
 
 ここで、日本語のニュースではまだ伝えられていない最新情報をお伝えします(『OUT』誌より)
 フランク・オズが、ネット上での様々な意見を目にして、見方を変え、Twitterで以下のようにコメントしたのです。
「最新の考え:もしジムと私が、バート&アーニーをゲイのキャラクターとしてクリエイトしていたら、彼らは2人のストレート男性から生まれたにせものだということになるだろう。しかし、私は今や、彼らが愛すべきゲイのパートナーシップの代表と見なされていることを知った。それは素晴らしいことだ。私の理解を深めてくれてありがとう」
 
 いまのセサミストリートには、現実の世界を反映し、実に多様なキャラクターが登場しています。自閉症のジュリアもいれば、車椅子生活のシバンという子もいます。イスラエル版セサミストリートには、アラブ系のキャラクターやロシア系移民も登場します。ナイジェリア版セサミストリートには、HIV陽性のカミというキャラクターが登場します。そうしたなかで、アメリカで同性婚も認められたこの時代に、頑なに「ゲイカップルじゃない」「性的指向はない」とするほうが不自然だと感じる方も多いはずです。そう遠くない将来、セサミ・ワークショップが、二人を正式にカップルだと、50年もの長きにわたってパートナーシップを築いてきた素晴らしいカップルだと認める日が来るのではないでしょうか。
 
 

『セサミストリート』バートとアーニーは同性カップル? 公式が声明(女性自身)
https://jisin.jp/international/international-news/1666105/

「セサミストリート」のバート&アーニーはゲイ? 脚本家と制作サイドの主張が真っ向から対立(TVGroove.com)
https://www.tvgroove.com/news/article/ctg/1/nid/40140.html

米セサミストリートの元脚本家、「バートとアーニーは恋人」(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/uk-current-account-idJPKCN1M816H

バートとアーニーは「親友」でゲイではないとセサミストリート公式見解(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/45569966

「セサミ」のバートとアーニーは「仲の良いカップル」 脚本家が発言後に撤回(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3190171

脚本家が告白!バートとアーニー、実は同性カップルだった?!(MTV)
http://www.mtvjapan.com/news/9dyqop/180919-07

『セサミストリート』バートとアーニーはゲイ、作家が証言して公式が異例の声明発表(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17206799

Sesame Street Voice Actor Loves Idea of Bert & Ernie Relationship(OUT)
https://www.out.com/popnography/2018/9/28/sesame-street-voice-actor-loves-idea-bert-ernie-relationship


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